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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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フィルさんとジチさん。

「ガミガミ爺さん、どうしたの?」

「小僧、ここに居たか。いや、朝話した毒竜の死骸の件で来たんだ」


そう言うとおじさんの方を向く。


「小僧が倒した毒竜の死骸が山に残したままだ。これから夏だから放っておいて腐って変な病気が流行ったりしたら困るから、村に引き上げて選り分けをしたいから手伝ってくれ」


「あー、そう言うことか。わかったぜ。で?毒竜の大きさはどんなんだ?俺は飛んで頭の上を通り過ぎた所しか見てないんだ」


僕が話に入る。

「大きさは山小屋より小さい感じ、大の大人が詰めれば6人くらい乗れる背中、長い首と長い尻尾、それと同じくらいの大きな翼です」


「大きいな…」


「でも、左の翼と尻尾は切断してあるので別で運べますよ」


「本当かよ…」

おじさんは驚いた顔で僕を見る。


「嘘じゃないですよ」

僕はしれっと答えた。



「早速行くかい?」

おじさんがそう言うのだが、僕はもう空腹でたまらなかった。


「おじさん、ご飯もらえませんか?。…お腹空いてて…まだ朝ごはん食べてないんです。あとジチさんはどこに居ますか?」


「おお、なんだそうなのか?あの姉ちゃんならうちの母ちゃんと意気投合して、楽しく話しているよ。ちょっと待っていな、荷物の用意をしがてら呼んできてやるよ」


そう言うとおじさんは裏手の家の方に行った。


「フィルさん達はお腹空かないの?」

僕が聞くとフィルさんが申し訳なさそうに「私もお爺ちゃんも家にあった保存食を一口食べた」のと言っていた。


そっちに行けば良かった…

フィルさんがうなだれる僕の横に来てそっと手のひらに小さなパンを乗せてくれた。

「これが保存食のパンよ。後でご飯作るからひとまずこれを食べて我慢してね」


女神だ…空腹のあまり、フィルさんが女神に見えた。



「本当にキヨロスくんが帰ってきてる!お帰りー!」

ジチさんの明るい声が聞こえてきた。


「ジチさん、ただいま」


「はい、おかえりなさい。キヨロスくんが無事でお姉さんは嬉しいよ!

それでアレなんだって?ご飯食べていないんだって?」


「ええ…。あ、でも今フィルさんに保存食のパンを貰ったんだ」


「それはそれは、良かったね。でもまだお腹空いているんじゃないのかい?」

「うん、それはね」


「ふっふっふっふっふ」

ジチさんが妙な含み笑いをしている。何だと言うんだろう?


「キヨロスくん。喜んでくれ。お姉さんのことを好きになってもいいぞ!何と今ここのおかみさんに「愛のフライパン」を借りて昨日のお肉でハンバーグを焼こうとしていたのだよ」


それは凄い!僕は思わずテンションが上がってしまった。


「キヨロスくん、こちらの方は?」

フィルさんが呆気にとられながら僕に聞いてくる。


「ジチさんです。昨日から成り行きで一緒にここまで来ました」

そう言ってフィルさんにジチさんを紹介する。


「ほほぅ、あなた物凄い美人ね。あなたが噂の女神様?私はジチーチェ。長い名前が嫌だからジチって呼んでね」


「え?あ、よろしくお願いします。私はフィルです。後…あまり女神って呼ばれるのはちょっと…」


「あー、そっか!そうだよね!!

嫌だよねそんなに崇められたような呼び方をたされるのって!

わかるわ。

お姉さんはあなたの事はフィルって呼ぶから私の事もジチって呼んでね」

ジチさんの勢いに飲まれかけていたフィルさんだったが名前の話をしてからは笑顔で話している。


「小僧、なんだこの賑やかな姉ちゃんは?」

「あ!あなたがガミガミ爺さんね!?私はジチ、よろしくね!!」


僕に説明の暇を与えないように怒涛の勢いでジチさんが止まらない。


「キヨロスくん、お姉さんこの村気に入っちゃったよ!10人を連れて永住したいかもって話したらおじさんもここのおかみさんも「是非そうしな!」って言ってくれたんだよ。お姉さん嬉しくて嬉しくて、昨日の夜は泣きそうになっちゃってさ!今朝もおかみさんがお婆ちゃんの形見の愛のフライパンで料理もさせてくれるしさ!」


「おう、姉ちゃんよお!!誰から聞いたか知らねぇが、俺の事をガミガミ爺さんなんて呼ぶんじゃねぇよ!」

ガミガミ爺さんがちょっと強めに会話に割り込んでジチさんに文句を言っている。


「あー!そのあだ名嫌なんだ!じゃあ爺さんの名前は何て言うの?」


「あ?俺か?俺はドフって言うんだよ」

「わかったよ、ドフ爺さん!これでいいでしょ?私の事は姉ちゃんでもいいけどちゃんとジチって名前で呼んでおくれよぉ」


「お…おぅ」

ガミガミ爺さんがタジタジになっている。

ジチさん、凄いな…


そんなジチさんは僕とフィルさん、それにガミガミ爺さんを見てから

「いやー、コブ付きかぁ…。

今さっきのキヨロスくんとフィルの雰囲気が良かったから、お姉さんはちょっと嬉しくなってテンション上がっちゃったんだけど、コブが居たら今一つ盛り上がれないよね?」

と言った。


「え?ジチさんそんな…」

フィルさんは顔を真っ赤にして困っている。

ジチさんは意に介さずに「お姉さん、フィルには呼び捨てで呼んで欲しいなぁ」とか言っている。


「誰がコブだ!誰が!!」

ガミガミ爺さんがジチさんに文句を言っている。

ジチさんは「えー、でも若い2人の間に居るなんて野暮じゃない?」とか言ってケラケラしている。

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