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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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三の村への帰還。

[5日目]

翌朝、僕は寝坊をしてしまったようで起きた時には僕以外は全員起きていた。


「おはようございます」

寝ぼけながらそう言うとガミガミ爺さんがこっちにきた。


「小僧、本当にありがとうよ。フィルのあんなに元気な顔がまた見られるなんて思っていなかったぜ」

そう言ってガミガミ爺さんはまた泣く。


「キヨロス、昨日は迎えられないですみません」

ムラサキさんが申し訳なさそうに言ってくる。


「本当です。寝てしまうなんてだらしがない。そのまま捨てられてしまえばいいんですー」

トキタマが口を挟む。

ムラサキさんは苛ついた顔をしているが大人の余裕と言う雰囲気で無視をしている。


「聞いてんのかババア?耳まで遠くなったんですかー?」

「トキタマ、やめるんだ」


僕は見ていられなくて止める。

トキタマは「えー」と不満を表しながら窓際に飛んで行った。


僕はガミガミ爺さんの方を向いた。

「ガミガミ爺さん、一個相談があります」


泣いていたガミガミ爺さんは僕の方を向いて泣き止んだ。

「おぅ、どうした?」


「僕は昨日毒竜を倒しましたが死骸を置いてきてしまいました。あのままだと数日で腐ると思うんです。

腐って病気とか流行ると困るから早目に使えそうな素材は使って焼くものは焼いた方がいいと思うんです」


「ああ、そう言う事か…、それならムラサキとフィルと話をしていたんだ」

ガミガミ爺さんがそう言っていると、外からフィルさんが帰ってきた。


「あ、キヨロスくん。起きた?おはよう!よく眠れたかな?

身体はどう?

調子の悪いところとか無いかな?」

フィルさんはもう人の心配をしている。


「これ、ちゃんと乾いていたよ」

そう言って僕の服を畳んでから渡してくれる。


「ありがとうフィルさん」


「それでだな」

ガミガミ爺さんが話を続ける。


「もうこの山にいる必要は無いからよ、これから下山しようと言う話になっていたんだよ。

それで村に行って何人か連れてきて毒竜の死骸を村におろして選り分けをしようって話になったんだ」


確かに毒竜さえ居なければフィルさんもガミガミ爺さんも山にいる必要は無い。

僕も早く四の村にいきたいのでその意見には賛成だ。


「それに、ここにはもうロクな食い物も無いからよ。みんなで朝ごはんって訳にも行かねえしな」


それからみんなで荷造りをして山を降りた。

荷物らしい荷物はほとんどなくて、時間がかかったのはフィルさんが鎧を装備するくらいでガミガミ爺さんに至っては「混沌の槌」と空の袋だけだった。


「この中の食いもんはもう食っちまったから空なんだよ」

本当にいろんな意味でこの数日がデッドラインだったようだ。


山小屋を後にする。

フィルさんは深々と山小屋に頭を下げている。

育ちの良さを感じてしまう。

とてもガミガミ爺さんの孫とは思えない。


そう言えばあの洞窟は塞がなかったけど大丈夫かな?

三の村の人に必要なら塞いでもらおう。


僕たちは足取り軽く山道をおりている。

昨日までの汚い空気が嘘のように山の空気は澄み渡っている。


フィルさんは鎧とムラサキさんを装備して槍をまで持っている。

病み上がりには重いんじゃないかな?


「重くない?槍を持とうか?」

僕はそう声をかける。


「ありがとう。大丈夫よ。村までもうすぐだし。これからの事もあるしね」


これから?

何だろう?

まあ、1ヶ月間ずっと毒竜に関わっていたのだからやりたい事とかあるのだろう。


ようやく三の村が見えてきた。

僕はお腹が空いていた。


フィルさんとガミガミ爺さんは家に荷物を置きに帰ると言って村の入口で別れた。


僕に「ウチで休むか?」とガミガミ爺さんが聞いてくれたが、水入らずで話したい事もあるだろうし僕は遠慮をした。

ただ、ジチさんに会うにしてもどこに行っていいのかわからなかったので僕は昨日のおじさんの仕事場に向かう。


おじさんは今もビッグベアと格闘していた。

やはり補助の人が居ても1人だと解体に時間がかかる。


「おじさん、帰ってきました」

「お?坊主!坊主が居るって事は…毒竜は?」

「はい!倒しました!」


「本当かよ、まだ一晩しか経ってないぜ?」

「本当ですよ」と行ったところで痩せたメガネの人が「女神様ー!!」と叫んだ。


声の先にはフィルさんが居た。

山小屋にいた時の服ではなく、村娘と言った感じのスカート姿だ。

鎧もそうだったが、ムラサキさんに合わせてかフィルさんは紫色の服を着ている。この服は若干明るくて赤い紫色だ。


フィルさんは痩せたメガネの人に「こんにちは」と挨拶をしてこちらに歩いてくる。

メガネの人はフィルさんに「帰ってきたんですね」と言いながら駆け寄る。


次の瞬間、フィルさんの後ろに居たガミガミ爺さんに「フィルに近寄るなーー!!」と怒鳴られて居た。


おじさんは手を止めて「ガミガミ爺さんの帰還だな」と笑った。


メガネの人が「ひぃー、ガミガミ爺さんだ」と慌てている。


「誰がガミガミ爺さんだ!!いつもいつも…

…

……

ん?」


「はぃい?」


「小僧に俺のことをガミガミ爺さんと教えたのはお前かー!!」


「ヒエェェッ」

メガネの人はガミガミ爺さんの圧に負けて尻餅をついてしまった。


それを見ていた僕とフィルさんの目が合った。

フィルさんが僕に手を振ってきた。

僕も振り返す。

その後、2人してガミガミ爺さんを見て笑ってしまう。


「ほほぅ」

おじさんが含みのある笑いをしながら僕を見る。

なんだ?


怒鳴り終えたガミガミ爺さんがフィルさんとこっちにくる。

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