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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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告白。

「総攻撃を止める手立てがあります。フードの男に持ち掛けられました。」

「それはなんだね?」


「僕がフードの男の言う通りの道順で城に向かうことです」

「何故キヨロスが自分で行く必要があるんだい?」

父さんが聞いてきた。


「トキタマを使えば例え僕が負けて捕まっていても時を跳んで逃げられるから自分の意志で城に行く必要があるんです」

「トキタマちゃんを王様に渡せば全部終わるの?」


「それじゃダメなんだ母さん。アーティファクト使いは全員殺すらしい。その決定を覆すには僕が王様を殺すしかないんだ」


「後、僕が城に行くことが条件ですが、もう一つの条件があります。村の皆が人質になることです。」


「なんじゃと!?」

村長が声を荒げる。


「僕が逃げ出さない為の人質です」

村長が「そんな…」と言っている。


僕は父さんと母さんの方に顔を向けた。

「父さん、母さん、ごめんなさい。僕は一つ父さんと母さんに隠していた事があります。

僕自身、1日目の夜まで知らなかった事です。」


「何?そんなに改まって…」

母さんが僕の雰囲気に飲まれて動揺している。

「どうした、何があった?」

父さんは僕を心配してくれている。


トキタマは僕の肩でおとなしくしている。

これから起きることをわかっているのだろうか?

「僕はアーティファクトの呪いにかかっています」


「え?」

「呪い?」

父さんと母さんが驚いて僕をみている。


「フードの男に言われました。「時のタマゴ」には呪いがあって、その呪いで僕は不死の身体になったそうです。」


「そんな…」

「不死…死ねないのか?」


「まだ死んだことも死に瀕した事もないのでわかりませんがフードの男の言う通りなら僕は不死になってしまった。

僕は何十年かして村の皆を看取った後は1人で生きていくことになる」


「どうして、どうして!!」

母さんが僕とトキタマの両方に詰め寄っている。

トキタマは何も言わない。置物のように固まっている。


「だから人質…なのか?」

父さんが事の経緯を理解してくれたようで僕に聞いてきた。


「はい。僕は村の皆が居なくなったらどこかに行ってしまう。そうしたら王の所にトキタマは永久に届かなくなる。

だから皆の命を人質にして僕を城に行かせる。そういう話になりました」


もう、母さんはうずくまって声にならない程泣いている。


「キヨロス、お前は皆の為に戦ってくれるのか?」

村長が聞いてきた。


「戦います。僕の全ては父さん、母さん、村の皆の為に使います。そうじゃなかったらアーティファクトを授かった意味がない」


「出発は?」

父さんが聞いてきた。


「明後日の朝。日の出の時刻にフードの男の所に行くことで約束は交わされます。

そして僕が王に会うまでは皆の無事は保証される。

万一約束を反故にされたら僕はトキタマで跳んで何万回かかろうが全てを殺すまで戦います」


僕の言い方が良くなかったのか母さんがまた泣いてしまった。


「わかった、キヨロスよ全てはお前に委ねる。すまないな」

村長が頭を下げてくれている。


「そんな、気にしないでください。ただ、不死の呪いの事に関してはリーンとナック…今ここに居ない人には内緒にしてもらえませんか?」


「安心してくれ、村の誰にも言わない。秘密は守る」


「ありがとうございます。それでは」


「明日の打ち合わせは、今あった事で話せる範囲で村の者を納得させる」

「わかりました」


村長の家を後にして僕は父さん母さんと家に向かう。

「昔みたいに手をつながない?」

母さんが急に手を繋ぐと言い出した。

あまりの出来事で母さんは疲れてしまったのかもしれない。

僕は母さんと手を繋いだ。

「お父さんとも手を繋いで」

僕は母さんの願い通り3人で手を繋いで家路についた。

子供の頃に戻ったみたいだ。


「3人で寝ましょう」

母さんがこれまたとんでもないことを言い出した。

急な話で納得できないのかな?

父さんと呆れながら家のベッドを全て並べて3人で寝た。

僕は真ん中だった。


母さんが時折泣いているのがわかった。

気づくと母さんが僕の腕に抱き付いている。


僕は不死になった、もうみんなと同じ時間を生きられない。

だからこそ絶対に何とかしなければと思った。


余談だけど父さんがたまに出すいびきは昔よりうるさくなっている気がした。

トキタマは父さんがうるさかったのか僕の部屋に帰って殻のベッドで寝ていたらしい。

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