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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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32/307

敗北。

僕はあの後、12回跳んだ。

フードの男を残して周りを全滅させて3日半の猶予が欲しかったからだ。

しかし結果は惨敗だった。

通算20回目の時間の時に持って跳べる記憶が2人になり、25回目の時間で持って跳べるアーティファクトの数が増え、30回目でアーティファクトが更に成長をしても持てるようになった。

毎回6人前後しか倒せていないので剣はまだ成長の兆しを見せていない。

指輪が増えたことにより指輪で殺すケースもあるので剣の成長はあまり期待できない。


そもそも一般兵でこの強さと言うのは正直反則に近い。

素人が勝つには強いアーティファクトを持つ事とかが必要になってくると思う。


今のままだと後100回跳んでも勝てる気がしない。

無傷でとなると1000回くらい必要になるだろう。

トキタマだけはハイテンションで、ノリノリで僕をイラつかせる。


今回は駄目かも知れない。

そう思ってしまうくらい僕の心は参っている。


通算32回目の時間。

今までとパターンを大きく変えてみた。

ナックの所まで一度も戦闘をせずに行き、村人の準備が万端になったところで戦ってみた。

村人では全く歯が立たず、リーンとナックが善戦してくれたが、かえって兵隊を本気にさせてしまい、ナックとリーンがなぶり殺しにされてしまった。


これでは駄目だ。

一度戦闘の前、2日目の夜に戻ろう。


[2日目]

33回目の時間。

父さんが村長の所から帰ってきたタイミングに跳べたので父さんともう一度村長の所に行くことにした。僕の顔つきが急に険しくなっていたので父さんと母さんは察してくれて何も聞かないでくれた。


「こんな夜更けにどうしたのだキヨロス」

「僕は、勝てませんでした。」


「何?お前は跳んできたのか?」

「はい、襲撃は明日の夜中から明後日の明け方です。兵隊の人数は50人。フードの男はA級のアーティファクト使いで瞬間移動が出来ます。なので城まで一瞬で帰ってすぐに攻め込んできました」


「何という事だ…」

村長は愕然としている。


「そんな事があったのか…」

父さんが僕の顔を見て心配をしてくれている。


「僕は13回戦って一度も10人に届きませんでした。大体6人から7人を倒した時に総攻撃をされてみんな傷ついてしまいます」

多分、僕は感情の起伏もなく淡々と話している。

だがそんなことはどうでもいいくらい疲れている。

でも伝えなければならない。

村を守るために今出来ることをするために。


「……」

父さんも村長も言葉なく僕を見ている。

僕は続ける。


「最初に僕達が皆殺しにした15人は訓練兵でした。次に来たのは一般兵です。とても強いのですが、なんとかそれを撃退してもその次にくるのは数を増やした一般兵。最終的には熟練兵だそうです。そして城の兵士は1200人と言っていました。訓練兵や一般兵の割合までは聞いていません。

止めるためには僕が城に行って王を倒すしか方法がないそうです」


「そうか、キヨロスよありがとう」

村長が感謝の言葉をくれた。


「では、1案目か2案目で…」

父さんが村長と話をしている。


「ダメなんだよ父さん」

僕は2人を止めた。


「フードの男は瞬間移動で国中どこにでも行けるんだ。

あいつは言っていた。

どこに逃げても必ず見つけ出すと。

そして国の決定でアーティファクト使いは全て殺すからどこの村や王都に逃げてもいずれ殺されるって言っていた」

話していてとても苦しかった。辛かった。

僕は泣くことが止められなくてまだ話の最中なのに泣いてしまった。


「キヨロス」

父さんが僕を抱きしめてくれた。

安らいだ感覚が少しだけ僕を癒してくれた。


そうした事で僕の心は落ち着きを取り戻したのか建物の外の変化に気が付いた。

僕は扉を開けながら扉の外の人に語り掛ける。

「母さん、来たんだね。入って。母さんにも聞いてほしいことがあるんだ」

僕は全てを話すことにした。

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