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サンドボックス ガーデン  作者: さんまぐ
第1章 南の「時のタマゴ」
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初戦。

気づくとそこにはリーンとナックの2人がいた。

「今はお父さんが2人のお友達に僕の能力を説明した時です」

トキタマがこっそりと教えてくれた。


この後、暫くすると南から槍と矢が飛んでくるはずだ、その前に敵を狩ろう。

「リーン、アーティファクトを貸して。

そしてなるべく村の中心に行くんだ。

もうすぐ敵襲がある。

一対一では勝ち目がない敵だけど男の人が数人がかりなら倒せるから。

後、急に矢が飛んでくるから身を低くして椅子やテーブルで身をも守っていて。

ナック!僕ときてくれ。

ナックは敵が水辺に逃げたら深追いするのは辞めるんだ!」


いきなり僕が色々と言い出したので2人は驚いていたが、「僕は跳んできた2回目なんだ」そう言うと少し驚いた顔をしながら信じてくれた。


これなら何とかなるかも知れない。



「【アーティファクト】!」

僕は兵隊の鎧を貫ける武器をイメージしながら精製をした。


出てきたものは釘を太くした杭のような武器だった。

神の使いは武器のイメージと言っていたが、慣れてくれば今のように出来上がって欲しいもののイメージから武器が作れるようになる事がわかった。


北の茂みを進むと奥にローブの男と3人の兵隊が居た。

ナックにローブの男は丸腰である事を告げて3人の兵隊を倒す話をした。


「1人ずつに奇襲をかける。

ナックのアーティファクトの方が優秀だから先に倒せると思う。そうしたらすぐに3人目に攻撃してくれ、僕も何とか倒したらすぐに加勢する」

「わかった!」


今更手が震える。

やらなければこちらがやられる。


「行こうナック。

3…2…1…、


反撃開始だ!」



結果から言おう。

本来ならそれなりに成功だったと思う。

奇襲は成功、僕の杭は兵隊の胸を貫き一撃で絶命させる事に成功した。


僕の杭ではどうしても長さが足りないので、今倒した兵隊からアーティファクトとの剣を奪った。この剣は最初に戦った時に食らった剣の速度が向上するアーティファクトだと思う。

あの時きちんと顔を見ておけばよかった。


リーンのアーティファクトを使えた僕ならばこのアーティファクトも使えると思ったからだ、それを見た前の時間で村長を殺した3人目の兵隊が僕に「バカめ!既に一つアーティファクトを持って使っている奴が他人のアーティファクトを使えるかよ!」と言ってきたが、次の瞬間にはアーティファクトを使った僕の剣で兵隊は斬り伏せた。


辺りを見回すとローブの男は居なかった。


今度は広場から悲鳴が聞こえた。

僕は大急ぎで戻ると矢と槍に貫かれた人が居た。

この距離では誰かまではわからないし、生きているかもわからない。

また僕は失敗してしまった。


だが、ここでやめる気はない。

今は残りの兵隊の数と武器の内容の確認と誰がトドメの一撃、あのなかなか消えない火の矢を使っているのかを確かめる事にした。


火の矢の種明かしは簡単だった。

フードの男が居た場所、ナックと僕が先ほど兵隊と戦った場所が北の村はずれ、そこには弓兵は居なかった。

広場を中心として残りの、東と西と南の茂みに火と弓と剣のアーティファクト使いが3人ずつ居た。

計9人のアーティファクト使いが1人ずつに別れて隠れていた。

剣のアーティファクト使いは店売りの弓を、弓のアーティファクト使いは店売りの剣を装備していたがパッと見はどちらも弓兵に見えた。

火の矢は弓兵の能力ではなく、火のアーティファクト使いが着火している事がわかったので最短最速で火のアーティファクト使いから倒す方法を考えた。


奴らは兵隊と言う割にはいちいち動きがもたつく所がある。

山で狩をしていたとしたらその行動は命取りだ。


僕はアーティファクトに次の武器のイメージを送り込んだ。

武器はナイフ、だが僕の意思で真っ直ぐ、早く、矢のように飛ぶナイフをイメージした。

いきなり使うのではなく、物陰で少し先の木に向かって使ってみた。

少し怪しい所はあったが十歩先くらいまでは威力が落ちないでかなりの速さで飛ぶ光の刃が出来た。

もちろん飛ばさない時はナイフとしても使える事もイメージしてある。


僕は草むらから走りながら飛び出して火のアーティファクト使いを先に倒す。

奴らは一本、二本火の矢を放った所で消されては意味がないと思っていて三方向全ての矢が着火するまで放たない心づもりなのもわかった。


火のアーティファクト使いは右手に意識を向けて火を出そうとしているのでナイフの刃を右手に向かって飛ばす。

痛みと驚きで手が止まった隙に刃を再び出して首をかっ切る。

弓兵も倒してしまいたいがどちらが剣士なのかわからないので手間取ると大変だし時間が惜しいのでまた草むらに忍んで次の場所に向かう。

これを3回続けてから後は弓兵をやっつけた。


ただ、最後の弓兵に届く前にまた矢が放たれた。

アーティファクトの弓なのだろう。一度の発射で沢山の矢が広場に降り注いでいた。

この弓が1回目の時に村のみんなを全滅に追い込んだのだとわかった。


僕はコイツの顔を忘れない。

次の世界では火のアーティファクト使いの次に殺してやる。

そう誓った。



兵隊たちを撃退した。

村人たちはいったい何があったのかと言う顔をしていたが、ナックとリーンが説明をしてくれたおかげで皆何とか納得をしてくれた。


話の中で僕のアーティファクトが授かった今日から一定の条件が整えば時を跳べると言う風に説明をした。そのおかげで全滅の結果を捻じ曲げに戻ってきたと伝えた。

みんな口々に僕に感謝を述べてくれる。


ただ、今回の襲撃で当たりどころが悪く亡くなってしまった3人の村人とその家族を除いて。

「いいのよ、キヨロス。あなたのおかげで村は救われたわ。ありがとう」

母さんの主婦仲間の人がそう言ってくれたが、先ほどの槍で旦那さんは死んでしまっている。

父さんと母さんは僕の説明は村の人と一緒になって聞いてくれていたが、まだ話せてはいない。今は亡くなった旦那さんのご遺体を綺麗にしている。


そんな光景を見ながら僕の決意は更に固まった。

今皆を喜ばせておいて申し訳ないが僕の望みは全員が明日もその先も元気で生き続けてくれることだ。

僕のアーティファクトに治癒能力はない。

病気は治せないが、今みたいな無残な死は回避できる。


だから僕は跳ぶ。

もう一度飛ぶ。


次こそ成功させてやる。


その前にしなければいけないことの一つを片付けよう。

父さんと母さんにトキタマをちゃんと見せるのは後ででも出来る。

今したいのはリーンにアーティファクトを返すことだ。


「リーン、アーティファクトありがとう」

僕はそう言ってリーンにアーティファクトを返す。


ようやくリーンにアーティファクトを返すことができた。

1回目のリーンはどれだけ心細かっただろうか、今もまだ申し訳なく感じる。


「ううん、キョロの役に立てて良かったと思う。それにしてもキョロは私なんかより「万能の柄」を使いこなしていて凄いね」

「前の時、リーンが貸してくれたものを返しそびれたまま戦いになったから。「万能の柄」で倒した兵隊の数は結構な数になっているんだ」


「そっか、それでかな?キョロがさっきまでと別人に見えているんだ」

僕が別人?人を殺してしまったからであろうか?

それなら次の時間ではどうなってしまうのであるか?

僕はまたあの15人を殺す。可能であればあのフードの男も殺す。


僕はリーンに顔向けができないのかもしれない。

でも僕はやめない。

「ナック、リーン、僕は跳ぶよ」


「え?」

リーンが物凄く驚いた顔をしている。


「なんでだよ!?」

ナックが声を荒げて聞いてくる。


「僕は村の人全員で明日、その先の日々を迎えたいんだ。だから誰かが欠けたままなのは嫌なんだ。大丈夫、今のパターンは覚えたから、覚えている間に跳べばきっと成功するよ。だから行ってくるね」


その話を聞いていた村の人が「そんなに背負い込むものではない」と言ってくれたが僕にしかできない事なら僕は全力でそれに向かいたい。


「トキタマ!!」

「はーい!跳ぶんですね?」

「そうだ!もう一度全員が助かるために行動をする!!」


「わっかりましたー!」

「【アーティファクト】!」

そう言うと僕はトキタマの羽根に包まれていた。

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