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好きって言えなかったけど、それでも私は  作者: ぴぽこ
修学旅行編

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7/10

第6話 修学旅行終わり

目が覚めたとき、最初に聞こえてきたのは、ホテルの廊下を歩く人の足音だった。


隣のベッドを見ると、心路こころはまだ眠っている。

カーテンの隙間から、朝日が差し込んでいた。


私はゆっくりと起き上がり、軽く伸びをする。


「ん〜……」


心路が寝返りを打つ。


「おはよ」


「うん?……おはよ〜……」

まだ眠そうな声で、心路が答えた。


「よく寝れた?」


「うん……」


そう言って、心路は目をこすりながらゆっくり起き上がる。

少し跳ねた髪が、朝の光に照らされている。


……ちょっと、かわいすぎない?


「今日で終わりだね〜」

心路がぽつりと言った。


「あ〜、そうだね」


楽しい時間って、どうしてこんなに早く終わるんだろう。


「でも、めっちゃ楽しかったね」

心路が笑う。


「うん」

私はうなずいた。


「また大学生とかになったら行こ」


少しだけ考える素振りをして、心路が言う。


「うん、できたらいいね」


そんなやり取りをしながら、私たちは支度を始めた。


支度を終え、部屋に忘れ物がないかを確認してから外に出る。

あとは朝ごはんを食べて、チェックアウトするだけだ。


ロビーに降りると、クラスのみんなも集まっていた。

夜ふかしでもしたのか、どこか眠たそうな顔をしている。


朝ごはんを食べ終えたあと、私たちは新大阪駅へ移動した。


1時間ほど自由時間。

私と心路は大阪名物のぶたまんを食べることにした。


やっぱりおいしい。

さっき朝ごはんを食べたばかりなのに、ぺろりと食べられてしまう。


そのあと少しだけ新大阪駅の周りを歩いてから、集合場所へと戻った。


「よし、全員いるな」


先生が点呼を取る。


「じゃあ、また新幹線に乗ります。

26番乗り場から出発するのぞみ230号です。

今回も座席はしおりの通りに座ってください」


いよいよ帰る時間だ。

なんとなく、みんなの会話も少なくなる。


楽しい時間の終わりって、やっぱり少し寂しい。


新幹線がホームに入ってきて、私たちは順番に乗り込んだ。


帰りの席も出席番号順で、やっぱり心路とは隣になれなかった。

でも、後ろを振り返ると、心路が手を振ってくれた。


私も小さく手を振り返す。


新幹線が動き出す。

大阪の街が、ゆっくりと遠ざかっていく。


しばらくしてから、文庫本を鞄から取り出して開いた。

昨日の続きを読む。でも、内容はほとんど頭に入ってこなかった。


ふと、スマホを開く。

昨日撮った写真が目に入った。


朝の支度をしている間に心路が送ってくれたのだ。


画面の中には、笑っている私と心路が映っていた。


……なんか、この写真、好きだな。


口元がゆるむ。

そのまま、ぼんやりと窓の外を眺めていると、いつの間にかまた眠ってしまっていた。


目が覚めたとき、新幹線はもうかなり東へ進んでいた。


車内は静かで、クラスメイトたちもほとんど眠っている。

新幹線は、何事もないかのように走り続ける。


修学旅行は、もうすぐ終わる。


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