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スローライフを目指したはずが女神からもらった無自覚フェロモンのせいで最強ハーレム帝国が出来上がった  作者: 玄遥斗


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第1話 死と、特別な祝福

佐藤悠真、34歳。無職。

特別な才能も、大きな夢も、誰かに誇れるような思い出もないまま、今日もいつものようにコンビニの袋を提げてアパートへ帰る道を歩いていた。


スマホの画面に気を取られていた俺は、横断歩道を渡り始めた瞬間——急加速で突っ込んできた大型トラックのライトを視界に捉えた。

ブレーキ音。衝撃。

そして、すぐに訪れた暗闇。

(……ああ、終わったな)

最後に浮かんだのは、ただの「まあ、いいか」という諦めだった。


暗闇の中に、ふわりと光が灯った。


「こんにちは、悠真さん♪」


目の前に現れたのは、金髪のツインテールが印象的な、息を飲むほど美しい少女だった。

透き通る白い肌に、背中の小さな羽根、そして胸元が大きく開いた神々しい白いドレス。

彼女はにこにこしながら俺を見下ろしている。


「私はこの世界を管理する女神アリアです。残念ながらあなたは死亡してしまいました。でも、特別に異世界転生の権利をプレゼントします!」


アリアは指を軽く鳴らした。

半透明のステータス画面が俺の前に展開される。


• 名前:佐藤悠真

• 年齢:34 → 転生後18歳相当

• スキル:

・全スキル獲得権(無制限)

・無限倉庫

・完全耐性(全属性・老化含む)

・鑑定EX

・世界法則微調整(1日1回・制限あり)

・自動翻訳



俺は呆然としながら画面を見つめた。


「これ……チートじゃん。やりすぎだろ」


「えへへ、悠真さんの人生があまりにも報われなさすぎたので、サービスしちゃいました♪」


アリアが身を乗り出してくる。柔らかい胸の谷間が視界に入り、甘い果実のような香りがふわりと漂った。


「どんな生き方をしたいですか? 魔王を倒して英雄になるのも、王国を征服するのも、女の子に囲まれて毎日楽しいことも……全部可能ですよ?」


俺は少し考えて、静かに答えた。


「……スローライフがいい。派手なことはしたくない。ただ、のんびり暮らしたい」


アリアは一瞬目を丸くしたあと、くすくすと笑い出した。


「珍しい選択ですね。でも、いいと思います。では、森の近くの小さな村の近くに転送します。……ああ、そうだ」


彼女が俺の顔を両手で包み、額と頰に優しく唇を寄せてきた。

柔らかい感触とともに、熱いものが体の中をゆっくりと巡っていく。


「これは特別な祝福です。あなたの望みが、きっと叶うように……

ふふっ、気づかないかもしれないけど、ちょっとだけ……頑張ってくださいね?」


意味深な微笑みを残し、世界が眩い光に包まれた。


目が覚めると、そこは木漏れ日の差し込む森の中だった。

体が軽い。

近くの水溜まりに映った顔は、20歳前後の若々しいものになっていた。以前より少し整った顔立ち。筋肉もほどよくついている。


「本当に……転生したのか」


死ぬ前はブラック労働による睡眠不足からか、体が重かったが、今は特に何も感じない。

ただ、空気が気持ちよく、体が自然と動くような気がした。


(そういえば、スキルがあるんだっけ。)


ステータスと心の中で思うと目の前にホログラムのような画面が表示される。


• 名前:佐藤悠真

• 年齢:18歳

• スキル:

・全スキル獲得権(無制限)

・無限倉庫

・完全耐性(全属性・老化含む)

・鑑定EX

・世界法則微調整(1日1回・制限あり)

・自動翻訳


(改めてみても多すぎだろ……こういうのって一つ二つとかじゃないのかよ)


(とりあえず無限倉庫ってやつ試してみるか)


「無限倉庫」


そう唱えると手を入れられるぐらいの亜空間が出現した。

そこに手を突っ込むと水中に手を入れたような触感があり、いわば無限に広がる無といった感じだろうか。


(チョコレート)


そう心で唱えるとなにもなかったはずの手の感触に硬い感触がぶつかる。

その物体を手でつかみ亜空間から引っ張り出すと包装紙に包まれたチョコレートだった。


(やっぱり現代のものをとりだせるみたいだな……それにしてもなんとなく使い方がわかったのはなぜだ?)

(まあ、そういうもんだと割り切るか。めんどくさいし。)


無限倉庫からチョコレートを取り出してかじりながら森を歩いていると、木々の隙間から小さな村が見えてきた。

村の入り口で、一人の少女と目が合った。


金色のポニーテールが陽光に輝く、清楚で可憐な村娘。

白いシンプルなワンピースが、細い腰と程よい胸の膨らみを柔らかく包んでいる。

彼女は俺を見た瞬間、目を大きく見開き、頰をぱっと赤らめた。


「あ……あの、旅の方ですか? 森で何かあったんですか?」


声が少し震えている。

少女は近づいてくるにつれ、呼吸が浅くなり、白い首筋がほのかに染まっていくのがわかった。

細い指がスカートの裾をぎゅっと握りしめている。


(……なんか、すごく優しい目をしてる子だな)


「佐藤悠真です。旅をしています。」


俺は普通に挨拶を返しただけなのに、リリアの瞳は潤み、視線が俺の顔から首筋へ、何度も往復した。


「わ、私、リリア・フォン・ヴェルナと言います。村長の娘です……!よかったら村にお越しください。休める場所を用意しますから……」


彼女は俺の手をそっと取った。

その手は熱く、少し汗ばんでいて、指先が小さく震えていた。

リリアは俺を村へ案内しながら、横目で何度もチラチラと見てくる。

時折、甘い吐息のような小さな息が漏れていた。


俺はただ「村の人って親切だな」くらいにしか思っていなかった。


村長の家に着くと、恰幅の良い村長が快く迎えてくれた。

空き部屋を用意してもらい、簡単な夕食をご馳走になることになった。

リリアが俺の隣に座り、時折腕が触れ合う距離で食事を運んでくる。

彼女の甘い汗と草の混じった体臭が、ふんわりと鼻をくすぐった。


「悠真様……本当に綺麗な方ですね。まるで……おとぎ話に出てくる貴族様のようです」


リリアの声は熱を帯び、視線は俺から離れない。

俺は苦笑しながら、軽く頭を振った。


(なんだか、妙に好かれている気がするけど……まあ、いいか)


この時点で俺はまだ気づいていなかった。

女神アリアが最後に与えた「特別な祝福」が、静かに、しかし確実に効力を発揮し始めていることに。

21時に投稿していきます。

面白かったらブックマークしていただけると励みになります!

誤字等あれば指摘してくださると助かります。

次回もよろしくお願いします。

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