表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死ぬのが怖いので、不人気の回復職を選びました。  作者: s-rush


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/107

第064話 極振りヒーラー、癒し手の祈り

ステータスと一部のスキルに抜けがあったので修正

ギルドホームにログインすると、談話室にはティアだけが座っていた。

窓際の椅子に腰掛け、弓の手入れをしている。狐耳がぴくりと動き、ステラの存在に気づいたようだ。


「おはよう、ティアさん」


ステラが声をかける。


「おはようございます」


ティアが顔を上げ、軽く会釈する。


「他のみんなは?」


ステラが周囲を見回す。ヒマワリ、リリア、ノエルの姿が見当たらない。


「ヒマワリさんはレベリングに、リリアさんとノエルさんは素材集めに向かったそうです」


ティアが淡々と答える。


「そっか……」


ステラは少し残念そうに呟く。


「ティアさん、よかったら一緒にどこか行かない?」

「申し訳ありません。今、やりかけのクエストがあるので……」


ティアが弓を肩にかける。


「また今度、お願いします」

「うん、分かった」


ステラは笑顔で頷く。

ティアがギルドホームを後にすると、ステラは一人、談話室に残された。


「……そういえば」


ステラは何かを思い出したように呟く。

リリアから聞いた話だ。第二階層のはずれの森に、《聖域の泉》という隠しエリアがあるという。

そこで、大量のモンスターからNPCを守るクエストがあるらしい。


「ディバイン・シールドっていうスキルが手に入るって言ってたよね」


ステラはメニューを開き、ステータス画面を確認する。

レベルアップで得たポイントが、かなり貯まっていた。

イベントやレベリングで、結構な経験値を稼いでいたのだ。


「全部、WISに振っちゃおう」


ステラは迷わず、全てのポイントをWISに割り振る。WISが大幅に上昇し、魔法攻撃力と回復力が強化された。


プレイヤー名:ステラ

Lv38

HP75

MP725

STR0(+5)

VIT0(+45)

AGI0(+25)

DEX0(+5)

INT0(+35)

WIS555(+85)



装備

頭  【蒼命のヴェール】

体  【蒼命のローブ】

右手 【蒼命のロッド】

左手 【蒼命のバングル】

足  【蒼命のスカート】

靴  【蒼命のブーツ】


装飾品 【蒼流の指輪】

    【アクア・リングレット】

    【空欄】


スキル

《ヒール》/《リストア・ヴェール》/《マナ・サーキュレーション》/《リジェネ》

《キュア・ブースト》/《ドレイン・オーラ》/《セラフィック・リザーブ》

《リフレクト・ヴェール》/《クリーンセンス》/《挑発》/《アイアン・フォートレス》

《回復の心得Ⅰ》/《プロテス》/《不死鳥》/《再生の祝炎》/《鳳翼転生》

《MP強化・小》/《MPカット・小》/《戦闘狂》/《料理Ⅳ》

《呪い無効》/《麻痺無効》/《毒無効》/《マジック・ハンド》/《賢者の叡智》



「よし、準備完了!」


ステラはアイテム欄を開き、手作りのお菓子を取り出す。

形は……正直、原型がない。焼きすぎて焦げていたり、形が崩れていたりする。


「まあ、味は……多分、大丈夫……?」


ステラは不安そうに呟きながら、お菓子をアイテム欄に戻した。

そして、第二階層の森へと向かう。






第二階層のはずれの森。

木々が鬱蒼と茂り、薄暗い空間が広がっている。モンスターの気配は少なく、静かだ。


ステラは森の奥へと進む。しばらく歩くと――


「きゃあっ!」


悲鳴が聞こえた。

前方から、一人の少女が走ってくる。

白い服を着た、小柄なNPCだ。

その後ろには、数体のモンスターが追いかけている。


「た、助けてください、神官様!」


少女――アリアが、ステラに向かって叫ぶ。


「神官様……?」


ステラは一瞬戸惑うが、すぐに行動を起こす。


「《プロテス》!」


自分とアリアにプロテスをかける。VITが大幅に上昇し、防御力が強化された。


「《ヒール》! 《再生の祝炎》! 《ドレイン・オーラ》!」


三つの回復スキルを連続で発動させる。バリアが何重にも展開され、ステラの体を包み込んだ。

《リストア・ヴェール》が形成される。


「こっちに!」


ステラはアリアを自分の後ろに引き寄せ、バリアの内側に、アリアを入れた。

モンスターが襲いかかってくる。


ドガッ、ドガッ、ドガッ!


攻撃がバリアに当たり、弾かれる。


「ありがとうございます……!」


アリアが感謝の声を上げる。

ステラは杖を構え、反撃する。


「《聖炎》!」

小規模な炎が、モンスターを包み込む。

フェニックス・フレアほど大規模ではないが、十分な威力だ。


これは《不死鳥》の力に内包された、基礎的な炎の行使。

大技を解放せずとも、不死鳥の炎を分け与えることができるスキルだった。

モンスターが次々と倒れ、光の粒となって消えていく。


「《セラフィック・リザーブ》!」


蓄積された光の力を解放する。

聖なる光がモンスターを包み込み、残りのモンスターも一掃された。

森が静かになる。


「有難うございます、神官様」


アリアが深々と頭を下げる。


「あ、えっと……回復職だから神官でいいのかな……?」


ステラが困惑した様子で呟く。自分が神官と呼ばれることに、まだ慣れていない。


「神官様、お願いです。村を、私たちの村を助けてください」


アリアが真剣な表情で訴える。


「村……?」

「はい。疫病をもたらすモンスターが村を襲い、村人たちが次々と倒れているんです」


アリアが涙ぐみながら説明する。


「聖域の泉の力が弱まり、結界が破られてしまいました。このままでは、村が……」


アリアの声が震える。



その瞬間――

システムウィンドウが浮かび上がった。


【クエスト:癒し手の祈り】

疫病をもたらすモンスターから村を守れ


クエスト名の下にはYesとNoの2つのボタンが表示されている。

ステラは迷わず、Yesを選択する。


「ありがとうございます! こちらへ!」


アリアが先導し、森の奥へと進む。ステラはその後を追った。






森の奥、小さな村。

木造の家が数軒立ち並び、中央には小さな泉がある。

だが、泉の水は濁り、輝きを失っていた。


村人は十人ほど。皆、苦しそうに横たわっている

。HPバーを見ると、じわじわと減っていく。

そして、見たことのない状態異常アイコンが表示されていた。


【疫病】


「これ、疫病の効果……?」


ステラは即座に行動を起こす。


「《ヒール》!」


村人たちに次々とヒールをかける。HPが全快し、村人たちの表情が和らいだ。


「ありがとう……ございます……」


村人たちが感謝の言葉を口にする。

だが――

HPバーが、再びじわじわと減り始めた。疫病の効果は、まだ続いている。


「回復しても、また減っていく……」


ステラが不安そうに呟く。

その時――


地鳴りが響いた。

森の向こうから、モンスターの群れが押し寄せてくる。

十体ほどの、腐敗したような見た目のモンスターだ。


「来た……!」


ステラは杖を構える。


「《フェニックス・フレア》!」


不死鳥の炎が、モンスターの群れを包み込む。

炎が一気に広がり、モンスターたちが光の粒となって消えた。

静寂が戻る。


ステラは息を整え、村人たちの様子を確認する。

HPは減り続けているが、まだ危険なラインではない。


「次が来る前に、回復を……」


ステラが村人たちに再びヒールをかけようとした、その時――

再び地鳴りが響いた。

今度は、さらに多くのモンスターが押し寄せてくる。二十体以上だ。


「まだ来るの!?」


ステラは慌てて準備を始める。


「《プロテス》!」


自分にプロテスをかける。VITが上昇し、防御力が強化された。


「《ヒール》! 《リジェネ》! 《再生の祝炎》! 《ドレイン・オーラ》!」


四つの回復スキルを連続で発動させる。

バリアが何重にも展開され、ステラの体を包み込んだ。

最大限のバリアを重ね掛けした。


「《挑発》!」


ステラは村人たちの前に立ち、スキルを発動させる。

モンスターたちの視線が、一斉にステラに向いた。

モンスターたちが一斉に襲いかかってくる。


ドガッ、ドガッ、ドガッ、ドガッ!


攻撃がバリアに当たり、激しい衝撃が走る。バリアが削られていくが、まだ耐えられる。

《リフレクト・ヴェール》が発動し、反射ダメージがモンスターに返っていく。

攻撃を受けるたびに、モンスターのHPが削られていった。


「《聖炎》!」


ステラは杖を振り、炎を放つ。小規模な炎が次々とモンスターを包み込む。

反射ダメージと炎の攻撃で、モンスターが倒れていく。一体、二体、三体――

だが、まだ多い。モンスターの攻撃は止まらず、バリアがどんどん削られていく。


「まだ……!」


ステラは歯を食いしばる。バリアが薄くなっていくが、まだ耐えられる。


「《聖炎》!」


再び炎を放つ。モンスターがさらに倒れた。


そして――

最後のモンスターが倒れた。


「ふぅ……」


ステラが大きく息を吐く。体が重く、MPもかなり消費している。


「大丈夫ですか、神官様?」


アリアが心配そうに駆け寄ってくる。


「う、うん……大丈夫」


ステラが笑顔を作る。だが、その笑顔はどこか疲れていた。


「本当に、ありがとうございます……」


アリアが涙ぐみながら言う。


「まだ、終わってないよ。村人のHPも減り続けてるし……」


ステラが村人たちを見る。HPは、まだじわじわと減っている。


「もう少し、頑張らないと……」


ステラが決意を固めたその時――

再び、地鳴りが響いた。

今度は、さらに大勢のモンスターが押し寄せてくる。


「うそ……!?」


ステラの顔が青ざめる。


「どうしよう……!」


モンスターの群れが、村へと迫ってくる。

ステラは必死に考える。だが、答えが見つからない。

このままでは――


次は3/12 21時投稿予定

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ステータスに『呪い無効』『毒無効』のスキルが抜けています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ