表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
離縁したら指名手配されました! でも大賢者に溺愛されたので何とかなります。  作者: りりきち
8章 大賢者に溺愛されたので、何とかなります。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
51/51

51 これが、幸せってことなのだ

「上手に振る舞えてたじゃないか」


 ふかふかの大きなベッドの上で、ユナがカフカを抱きしめながら頭を撫でてくれる。


「ユナはちゃっかり王様降りててずるいのだ、私は魔族の代表を降りられないのに!」

「アーティファクトに選ばれちゃったもんは仕方ないだろ。それに、魔族が議会制で上手くいくと思ってる?」

「む……思ってない……というか誰かと喋ることから教えないとならないのだ……」

 


 カフカは、なんとか「いらっしゃいませ」を笑顔で言えるようになった元ドラゴン、オズワルドの姿を思い出した。

 

 ちなみにオズワルドとロザリンドにかけた人型になる魔法は、カフカが解こうと思えばいつでも解ける。でも、真剣に“弱い魔族”として生きる決意を固めた兄妹に水をさすのもしのびないから、そのままにした。

 

 それに、カフカは知っている。ドラゴンの腕は、誰かを抱きしめるのには向いてないのだ。

 人型の手にしか、できないことがある。

 

 


 カフカは魔力量が大賢者並に多い。だから、同時にあちこちで魔法を展開していても特に困ることもなかった。

 

 だってそもそも、心を読む魔法も、探知魔法も、認識阻害の魔法も……あと“変身魔法”も、とるにたらない些細な魔法だから。

 魔力の消費量も大したことないのだ。


 

「——でも、私が困った時は、“私の魔法”が何とかしてくれるのだろう?」

「勿論。俺は大賢者だぜ。あんたのためなら全部、何とかしてやる」


 ユナはそう、いつものように軽く言った。それから、眩しそうに目を細めて笑って、カフカにキスをする。



***


 

 ソフィア連邦の外れの、とある王国の跡地に、小さな可愛い赤い屋根のおうちがある。


 家の周りには、金色の小麦畑が広がっていた。その向こうに青々とした山脈が見える。

 爽やかな風が、小麦をサラサラと鳴らした。

 


 ——そこには、幸せな結婚をした『異国のお姫様』と『大賢者』が住んでいる。



***



 大賢者の収納魔法の片隅で、時に忘れ去られたアーティファクトが山積みになっている。

 その中に、『未来視の鏡』と呼ばれた鏡があった。


 

『未来視の鏡』

 それは、この世界の辿る、最も可能性の高い未来を映し出すアーティファクト。

 しかし映像は断片的で、未来に至る過程は一切映さない。



 手のひらサイズの『未来視の鏡』が、虹色に反射して光る。


 次の瞬間、未来を映した。

 


 それは、薄紫の美しい空と、その下の石畳の街角。色とりどりの屋台が軒を連ねる、賑やかな広場。


 白金の長い髪が揺れる。

 尖った耳の魔族の彼女は、パンパンの紙袋を持って、こちらを振り向いた。

 彼女は、手を差し伸べる。


「ユナ!」


 彼女は、弾けるような笑顔で手を引いて駆け出した。


そして、『異国のお姫様』と『大賢者』は死ぬまで幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。



ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

読んでいただいた皆様のおかげで、ここまで走り続けることができました。


気に入っていただけましたら、ブックマーク、評価、感想などなどいただけると大変嬉しいです……!

それではまた、次の作品でお会いできますように――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ