14 自転車で海を渡る(しまなみ海道のお話)
さあ、続いては満を持して、しまなみ海道のお話です。
なんといっても、私が最初に愛媛県に行った理由は、とあるテレビ番組でしまなみ海道のサイクリング特集を見たから。
そんな訳で、愛媛県の観光地の中でもとりわけ大好きな場所なんです。
ただ、そんな私ですが、実はもう5年ほど訪れることが出来ていません。(関東からだと1泊で走破するのはやや厳しいのです)
そのため情報が古いこともあるかもしれませんので、その点はご了承下さい。
さて、それでは本題へ。
しまなみ海道は広島県尾道市と、愛媛県今治市を6つの島を経由して結ぶ、自動車専用道路などの愛称。
そして、この道路の特徴は、ルート上の海を渡る橋(一番尾道側を除く)に自転車と歩行者のための道路が整備されていることです。
これとそれぞれの島の一般道を組み合わせることで、自転車や徒歩でも、本州から四国へ渡ることが出来るようになっています。
これがいわゆる、しまなみ街道のサイクリングロードです。
もちろん自前の自転車を利用する方もいらっしゃると思いますが、「しまなみJAPAN」という団体が大規模なレンタサイクル事業を行っており、比較的気軽にサイクリング楽しめるようになっています。
このしまなみ海道のレンタサイクルの最大の魅力は、拠点が多いこと。
なんと、しまなみ海道沿いに10個ものレンタサイクル拠点があります。
そしてしまなみ海道のレンタサイクルでは、このそれぞれの拠点で自転車の返却が可能(タンデム自転車覗く)。
つまり、片道だけサイクリングすることが出来ますし、なんなら途中リタイアも可能なのです。
さらに各拠点では、自転車がパンクした場合などの修理や交換にも応じて下さいますし、拠点間で走れなくなった場合のサポートもあります。
私はしまなみ海道でしか長距離サイクリングをしたことはありませんが、非常に初心者に優しいサイクリングロードではないか? と思っています。
ただし、気を付けていただきたいのは初心者向けとは言え、距離自体は70kmもあること。さらに起伏もかなりあるので、体力はかなり使います。
20代中盤の頃の私で、走破にかかった時間は休憩含め7時間程度。
ですから、余裕を持った旅行計画をおすすめします。
さて、ここからサイクリングロード沿いのおすすめポイントを紹介していきましょう。
私はこれまでに3回、尾道、今治間を走破しているのですが、それはいずれも尾道発。
というわけで、このエッセイでも尾道側からスタートしたいと思います。
なお、尾道今治間を走破するルートはいくつかあるのですが、今回は一番基本のルートで、所要時間の短いブルーラインコースに沿って紹介していきます。
尾道のレンタサイクル拠点はJR尾道駅のすぐ近くにあります。
そして、レンタサイクル料は、1日3000円。自転車はいくつか種類があります。
私がいつも借りるのは、初心者向けスポーツ自転車だという、クロスバイクです。
しまなみ海道のサイクリングロードは、道路の白線の横に青いラインが引かれているのが目印になっています。
レンタサイクル拠点からすでに青いラインが引かれていますので、これに沿って進んでいきましょう(ただし、たまにコースが枝分かれするので注意)
まず最初は、レンタサイクル拠点近くの渡船乗り場へ向かいます。
そう、このサイクリングロードには渡し船が組み込まれているのです。
渡し船に乗るのは尾道から、向かいの向島の間。2つの会社がありますが、駅の近くから出るのは『駅前渡船』です。
これは歩行者と二輪車(125cc以下)専用の船で料金は歩行者100円。二輪車110円です。
いかにも渡し船といった、ほとんど甲板だけのような簡素な船が、エンジン音をあげて進むこの渡船。
造船所のクレーンが見える港町の海を、自転車と一緒に船で渡るのはとってもワクワクする体験です。
なお、向島と尾道の間は通勤、通学を初めとした行き来が多いようで、地元の方もこの渡船を多く利用されています。
なので、地元の方の迷惑にはならないようにしたいですし、特に料金は現金払いのみなので、小銭の準備は忘れないようにしましょう。
さて、船を降りればそこは1つ目の島、向島です。
向島の尾道側はかなり街っぽい印象。住宅やお店もたくさんあります。
一方30分程進むと、ふと潮の香りがしてきて、西隣の岩戸島との間を隔てる海にぶつかります。
岩戸島との間は非常に近く、波も穏やかなので、まるで川のようにも見える海。
小さな港もあり、なんとものどかな雰囲気を楽しめます。
しばらく走ると、頭上に見えてくるのが因島大橋。そしてここからがサイクリング第1の難所です。
と、いうのもしまなみ海道の島と島をつなぐ橋はそれなりに高い位置にあります。
この橋の場合、桁下の高さは50mだそう。ビルの15〜20階くらいに相当するそうですね。
これだけの高さまで、自転車で上がっていくのはなかなかに大変です。自転車道はカーブを繰り返すことで傾斜が抑えられてはいますが、それでも相当な傾斜と距離。
実を言うと、この坂道が各橋ごとにあるのですが、中でも最初にぶち当たる因島大橋(尾道出発の場合)の坂は、体力にも気力にも堪える印象があります。
ただその分、登りきった先の景色と開放感は最高です。
そして、この因島大橋は2階建て。上を高速道路、下を歩行者自転車道という構造をしています。
ちょうど瀬戸大橋の、電車が通る部分を歩行者と自転車が通るイメージですね。
それじゃ、景色が遮られてつまらない? ご安心下さい、横からだけでも充分綺麗な景色が望めます。
それに高速道路の下を自転車で走る経験、というのはなかなかにエキサイティングです。
さあ、橋を渡りきればそこは因島。続きは次のお話といたしましょう。




