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2章第6話 被弾

『逃げた…?』

『逃げてますね…』


ジーク01、02は敵編隊にAMRAAM計8発を発射したが、敵は発射を探知したのか背中を向けて音速で逃げて行く。


この距離からではいくら50マイル超の射程を持ち、マッハ4で追撃するAMRAAMでも命中させる事は難しいだろう。


では何故逃げたか、その答えは警報機が教えてくれた。


コックピット内に響き渡る警告音、ミサイルをロックされていたようだ。


『どこから……っ!』

左側から白線を引きながら迫る槍、その後ろには………居た、戦闘機だ。

『クソッタレ!あいつら山に隠れていやがったな!』

ジーク2機はフレアを撒き、ブレイク。槍---R-73/AA-11アーチャーを回避する為に激しい回避機動をとる。


一方、逃げていた敵機に射程ギリギリで食いついたAMRAAMが最後尾にいた2機を撃墜、残りは回避され、交わし切った6機がこちらに戻ってくる。

隠れていた戦闘機は4機。


『数が多すぎるっ……!』


ジーク01は残っていたAMRAAM2発を発射、今度は逃げない敵機に命中した。


レーダーを確認すると、ジーク02には4機が群がり追われている。

こちらは6機、先程のミサイルで2機を撃墜したが、残っているミサイルはAIM-9L/Mが2発のみだ。

目視距離まで近づくと敵機の機種判定が出来た、Mig-29が2機と


『Su-35⁉︎』


マリナロス連邦、スホーイ設計局最新鋭の機体だ、それが2機も。


『まずい……』


とにかく、数の不利をひっくり返さないと死ぬ。

Mig-29 2機とすれ違った瞬間インメルマンターンを決め、Mig-29の後ろに着く。

HUDのサークルの中心に敵機を捉えて2秒、ロックオン完了。


『FOX2!』


機体側面のウェポン・ベイが開き、AIM-9L/Mが発射される。

このミサイルはシーカーで赤外線、つまり熱を捉え敵機に向かっていく。


Mig-29のエンジンにミサイルが深々と突き刺さり爆発、右後ろが完全に吹き飛び撃墜した。しかしその間にもう1機のMig-29が後ろについている。

更にいつの間にかSu-35が2機、回り込んでいた。


フリーダムからこっちに目標を変えたのか⁉︎


その瞬間、キャノピーのすぐ側を曳光弾が突き抜けた。

回避、左旋回しようと操縦桿を倒したが一瞬遅かった。


金属をへこませる音が機体を駆け巡った。

凄まじい衝撃と共に30mm機関砲弾が主翼から尾翼に掛けて走り抜ける。


『ぅわあぁぁあぁあ⁉︎』


悲鳴と共に機体各部の異常を報せる警報が鳴り響く。右エンジンにも被弾したのかエンジン火災警報器も作動している、空中爆発を避けるため右エンジンへの燃料供給を強制停止させた。

出力を若干絞って機体を安定させるが、その間にも敵機は此方に狙いを定めて来る。

ベイルアウトしようと緊急射出ハンドルに手をかけた瞬間。


ベクターを追っていた3機が爆散する。


助かった……キャノピーの外を見るとラプターが2機飛んでいる。


『こちらジーク02、2キル!』

『こちらジーク03、1キル、ベクター、無事ですか?』

『右エンジンが被弾による停止、あとラダーとエルロンの効きが悪い、ペダルも振動してる』

『ジーク02、確認する。』


ジーク2が損傷確認の為背面で接近してくる。


『……右主翼のエルロン付近から右エンジン部分に掛けて弾痕、右垂直尾翼にも弾痕確認』

ジーク02は確認を終え背面から戻り、右に並ぶ。


『ジーク01、基地まで戻れますか?』

と、ジーク03が問いかける。

『機体は持つかもしれないけど燃料が持たない』

『ジーク02、給油機までエスコートします』

『サンキュー、ジーク02』

その通信を最後にジーク01とジーク02は作戦空域を離脱する。


「さて、残りの仕事を片付けますかね」ジーク03は着陸しようとする輸送機の方へ向かう。


==================================


グルーバキア バクス 防空本部


「おい、この航空機航路外れてるぞ」

薄暗い部屋の中で1人の男が言い、隣の男が問いかける。


「何処航空の何便だ?」

「AJA1980便だ、コイツのフライトプラン貸してくれ」


隣のオペレーターがフライトプランを手渡し、確認すると、後ろの防空隊長から声が掛かった。


「その辺りは今日要請があった飛行禁止区域の筈だろ、勧告しろ」

「了解。"警告、警告。貴機は事前通告のフライトエリアを逸脱している、速やかに進路を変更しフライトエリアに戻れ"」

警告を2回繰り返たが、変化は無い。


「ダメです、反応ありません」

「周辺基地からスクランブルを要請しろ、航路まで誘導するんだ」

と、隣のオペレーターが画面を覗き込み声を上げる


「お、おい、コイツ高度をドンドン下げてるぞ!」


画面に表示されている機の高度がみるみるうちに下がって行く、しかも飛行禁止区域に向かってだ。


「報告します!周辺の空軍基地にスクランブルを要請したところ、離陸滑走中の機が国籍不明機からの銃撃を受け機体が滑走路に擱座!滑走路は現在封鎖中の模様!」

「更に作戦中の全部隊が国籍不明機、及び武装集団から攻撃を受けている模様!」

防空隊長は青ざめ、別のオペレーターに叫ぶ。


「管轄下の全基地にスクランブル発令!第35飛行中隊にも要請かけろ!」

不明機がレーダーに映って居ないならば、こちらもそれで行こう。こちらが手に入れた唯一の手段だ……


Su-35 フランカーE

ロシア、スホーイ設計局製の大型戦闘機。

Su-27の派生の最新型。

Su-27譲りの高機動性を有し、アビオニクスも勿論最新。

非公式だが、ロシア語での愛称は"ジュラーヴリク"(鶴)


Mig-29 ファルクラム

ロシア、ミコヤン・グレヴィッチ設計局製の戦闘機。

Su-27よりは航続距離が短い為、迎撃戦闘機と呼ぶ人もいる。

機動性はSu-27に匹敵する程高いが、若干古い。

非公式だが、ロシア語での愛称は"ラーストチュカ"(燕)

北朝鮮も20機程保有しているとか。


次回の更新は9/26 18時を予定しています。

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