2章第5話 空中戦
『ジーク03、命中確認』
上空で空中警戒待機に就いているジーク01、02にジーク03が命中を報告した。
『ジーク01よりジーク03へ、低高度に3目標を確認出来るか?』
『コンタクト、うち2機は低速、ヘリと思われる』
『撃墜を許可』
『ラジャー』
と、ジーク02が割り込んできた。
『こっちも確認、8機、33マイル、高速で接近中』
『向かうわ、AMRAAM準備』
ジーク01、02の2機はAIM-120C-7 AMRAAM中距離空対空ミサイルの発射準備にかかる。
レーダースコープ上で敵機を"マーク"する。
『ジーク01、完了』
『ジーク02、完了』
レーダーで全8機をロック、操縦桿のスイッチに親指を添え、コールした。
『FOX3!』
『FOX3!』
ウェポン・ベイからAMRAAMが4発ずつ下方へ打ち出され、ロケットブースターに点火、あっと言う間に音速を超え敵機に突進して行く。
と、敵機編隊も動きを見せた。
『『!?』』
===========================
ジーク05、06は敵の空軍基地の上空でCAPに就いている。ジーク01、02の元に飛んで行ったのは別の基地からの機で、こちらの基地は作戦地域から最も近い基地である。
『ジーク06聞こえるか?』
『こちらジーク06、聞こえます』
ジーク5、ブランはコックピットから地上の滑走路を見下ろす。
『滑走路に離陸準備に入るSu-24が2機、潰すぞ』
『対地ミサイルも爆弾も無いし、どうするんですか?』
『……80ftの低空飛行は出来るな?』
『……あぁ、そういう事ね。分かりました、やりましょう』
『行くぞ!』
ジーク05は左下方へ背面降下、ジーク06も続き、敵基地へと突入する。
今にも離陸しそうなSu-24を後ろから侵入、兵装選択をGUNに合わせるとHUDに機関砲のレティクルが現れた。高度も400…300…200…とぐんぐん下がっていく。
そして80ftになったとき、Su-24が滑走を始め、レティクルが重なる刹那、ジーク5は操縦桿のトリガーを引いた。
『FOX1!』
一瞬のタイムラグの後、重い音と共に機関砲弾が発射される。
地上のSu-24に避ける術も無く20mmの嵐をモロに浴び、滑走を始めていた機体は爆発炎上し破片をブチまけながら滑走路のド真ん中に擱座した。
『FOX1』
続いてジーク06も駐機中の戦闘機に銃撃を加え、出撃しようとしていたSu-24やSu-25を数機破壊した。
迎撃の為散発的に対空砲火が上がるが掠りもせずそのまま上昇離脱していく2機。
『CAPを続ける、もう上がって来ないとも限らん』
『ラジャー』
===========================
低空に降りていたジーク03はレーダーに3つの影を捉えていた。
うち2機は肉眼で確認、作戦空域に向かってMi-24Dハインドが飛行中だ。
おそらく空挺部隊を搭載して戦闘への加勢とヘリでの火力支援をするつもりだろうが、そんな事はさせない。
ジーク03はAIM-120C-7を2発残している、中距離空対空ミサイルだがヘリには最も当てやすいだろう。
機関砲での攻撃はヘリに接近しなければならない為危険を伴い、命中させたとしても不時着になって特殊部隊と戦闘になる可能性が高い。
もう1種類、AIM-9L/Mは熱探知のミサイルだ、熱放射の小さいヘリにそもそもロックオン出来るかわからない。
1度ヘリから距離をとり、レーダーでロックする。
『FOX3FOX3!』
操縦桿のボタンを押し、ミサイルを発射する。
旋回中に発射されたAIM-120Cはレーダーで捉えた獲物に食らいつくべくロケットブースターを吹かして猛進する。
===========================
バラバラとメインローターが空気を叩く音が辺り一帯に響く。
完全武装の戦闘員約10名を乗せたMi-24Dハインド2機が作戦空域へ向かっていた。
『襲撃か、待機しておいて良かった』
コックピットに座る機長が呟く。
それに副機長が反応した。
『敵は戦闘員10数名と戦闘機だそうだ、まぁ戦闘機は上空の奴らが抑えるだろ』
『はは、上にはフランカーEまで居るしな』
『余裕っスよ』
はははは、と笑っていたら突然隣を飛んでいたハインドが爆散した。
『⁉︎おいおいおい…‼︎』
突然の事で驚くがすぐに赤外線センサーでサーチ、ミサイルを捉える。
ロックオン完了、引き金を引く。
機首にある12.7mmガトリング機関銃がバラララララッと弾丸をばら撒いていくが、一発も命中することなくコックピットにミサイルが飛び込む。
飛び込んだミサイルはパイロットの頭を叩き潰しマッハ4という運動エネルギーをもってキャビンとの隔壁を破壊、兵員が詰まったキャビンのド真ん中で弾頭のTNT爆薬7.26kgが炸裂、その瞬間ハインドは砕け散った。
===========================
ジーク03のレーダーからヘリ2機の機影が消える、撃墜したようだ。
『ジーク03、2キル。次の目標に向かう』
次の目標--Su-24フロッグフット--へ機首を向ける。
この攻撃機もこちらの特殊部隊を爆弾や機銃掃射で吹き飛ばす算段なのだろう。
操縦桿を引き上昇、レーダーで捉えたSu-24の上から降下し、後ろへ回り込む。ラプターのステルス性のおかげでまだSu-24には気付かれてないだろう。
機関砲でキメる為に操縦桿のトリガーに人差し指をかける。ミサイルで堕とすのも一つのテだが、ミサイルによる自衛手段を失うのはよろしくない。
背面降下が水平になり、Su-24の後方2マイル程の後方に付く。まだ機関砲の射程外だ。
Su-24がこちらに気付いた様だ。
いつの間にか付いているラプターに驚き上昇、回避機動を取るが、ラプターはガッチリと喰いつき振り切れない。
目の前の敵機のエンジンと機関砲のレティクルが重なったその瞬間
『FOX1!』トリガーを引き絞る。
重い音と共に吐き出される光は僅かに102発、しかしそのうちの67発がSu-24の尾翼を噛み砕き、エンジンへ飛び込んだ。
エンジンを直撃した砲弾により爆発が起こり、制御不能に陥った機体は地面に叩きつけられて爆発した。
『ジーク03、攻撃機をクリア』
レーダーを確認、現在ジーク01、02と交戦中の敵機数機を除いて上空に味方機以外の反応は無い。
タケルは輸送機に注意しながら侵入する様に伝え、ジーク01、02の援護に向かう。
Mi-24Dハインド
ロシア製攻撃/輸送ヘリコプター
機首に4連装12.7mmガトリング機関銃を装備
スタブ・ウィングに対戦車ミサイルやロケット弾を搭載出来る。
機内のキャビンに空挺兵8名を乗せる事が出来る
次回の投稿は9/11 18時を予定しています。




