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「……何もいないのかな?」
複数の燃焼玉を放り込んだだけあって、中々穴から立ち上る炎の勢いは衰えないんだが……これだけ穴の外に向かって炎が噴き出しているってことは、穴の中にだって相当な炎が吹き込んでいるはずだ。
もう数分経っているし、流石に穴の中にいてこれに耐えられる生き物はいないと思うんだよな。
ただの深い穴じゃなくて地下通路だったとしても、この炎なら通路内は相当な熱さになっているはずだから何か動きがあっても……。
「うん?」
耐えられなくなった魔物が飛び出してくる可能性を考えてさらに穴から距離をとっていると、地面から白い気体が立ち上っていることに気付いた。
「煙……じゃないね。湯気かな?」
炎が邪魔で気付かなかったが、穴のすぐ側から南に向かって地面から湯気が上がっている。
ってことはだ。
「森の外にじゃなくて森の中を這ってる地下通路か。そこに溜まった水が熱で蒸発してるんだね。とりあえず辿ってみようか……」
この穴からは流石に何も出てこないだろうが……この通路に他に出入り口があった場合は、そっちに逃げているかもしれない。
わざわざ追いかけるようなことではないかもしれないが……とりあえず追える範囲は見ておいてもいいだろう。
「……まぁ、それも火が消えてくれるのを待たないとね」
まだまだ豪快に炎を噴き上げている穴を見ながら、俺はそう呟いた。
◇
燃焼玉を穴に放り込んでから十数分が経っただろうか?
ようやく炎の勢いが弱まっていったかと思うと、あっという間に消えてしまった。
いつもは魔物の死体を焼いたりするのに使っていたから、それが燃料代わりになってもっと時間がかかっていたが……燃焼玉だけだとこんな風な消え方をするのか。
穴の底を覗き込んで完全に火が消えたことを確認すると、まだ湯気が上がっている地面を見た。
草が茂っている箇所ももちろんあるんだが、土が見えている箇所もある。
んで、地面はまだ雨水が乾ききっていないんだが……どうやら地下通路が通っている部分は熱の所為で地面がしっかりと乾いているようで、見るだけでも違いが判るようになっていた。
これは跡を辿るのも簡単そうだな。
「んじゃ……ちょっと辿ってみようかな? ……結構長く続いているみたいだね」
俺は高度を少し上げてから、その乾いた跡を辿っていく。
真っ直ぐ一直線に延びているわけではなくて、かなり蛇行している。
「木を避けるみたいに曲がってるね。……避けてるのは根っこかな? ってことは自然に出来たんじゃなくて、何かが掘ったってことかな?」
自然に出来た穴ならわざわざ木の根を避けたりしないし、実際俺も森の中で陥没した穴に倒れこんでいる木を見たことがある。
獣か魔物かはわからないが、何かが掘った可能性が高いな。
「一の森だし人間ってことはないだろうけど……気は抜けないね」
俺は【影の剣】だけじゃなくて、【蛇の尾】と【緋蜂の針】も発動していつでも戦闘に移れる体勢をとった。
◇
「ん? ……ここまでか」
幸い何も出てくることなく通路の痕跡を辿れていたんだが……徐々に乾いた跡が細くなっていき、湯気も消えていった。
穴は見当たらないしまだまだ続いているんだろうが……恐らく熱が届いたのがここまでだったんだろう。
「地上に出てこないのならこのまま放置でもいいけど……もう少し探してみようかな?」
上から見た限りではあるが、地中から魔物が這い出てくるような跡もなかったし、今のところここは何もいないか……あるいは熱で死んだかだ。
わざわざ通路を崩してまで中を探る必要はないかもしれないが、さっきの場所をうろついていても、何の切っ掛けも見つからなかったし……今日の成果はこれの調査ってことにしてもいいくらいだ。
俺はここまでの通路の跡を見て、これがどんな風に延びているかの見当をつけた。
前方にはここまでと変わらず木や茂みが生い茂っているが、何も生えていない土が露出している箇所もたくさんあるし、そっちに行けば……何か見つかるかもしれない。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




