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さて……昨日に引き続き、今日も元気に執務室で朝からお仕事だ。
昨晩街の様子を見て回ったりしたが……当たり前ではあるが、疲れが残ったりはしていない。
若さか……それとも【祈り】のお陰だろうか?
多分加護のお陰だろうな。
右足が治ってから使用を解禁して以来、とにかく体が軽い軽い。
これなら調査だろうが探索だろうが戦闘だろうが……余裕だな!
そう気合いを漲らせていると……。
「セラ、ゴロゴロしている暇があるのなら、コレをお前も見て頂戴」
遠くからセリアーナの声が聞こえてきた。
俺が今いる応接スペースはセリアーナの隣のリーゼルの机のさらに奥にある。
そもそも間にはちょっとした衝立のような物もあるのに……よくわかったな。
ともあれ、呼ばれたわけだしそっちに向かうか。
俺は体を起こすと、セリアーナのもとに飛んで行った。
◇
「どうしたの?」と訊ねると、無言で一枚の書類を差し出してきた。
何やら偉そうな模様で縁取られているが……。
「商業ギルド?」
俺にこんな仰々しい真似をするのは、ウチか他所の貴族を除けば商業ギルドくらいだろう。
んで、今日はまだ貴族の使いは来ていない……はずだ。
俺は受け取って上から目を通していくと、真っ先に商業ギルドとクラウスの文字が目に入った。
そうなると、何となく内容も予想が出来る。
内容がわかっているだけにあっという間に読み終えると、俺は「…………却下!」と言い放ち、セリアーナに書類を返した。
そのついでに隣のリーゼルを見ると、彼はまだその内容を知らないらしく、不思議そうな表情を浮かべている。
「何かあったのかい?」
「フィオさんへの取り成しと、オレに施療の依頼ですよ」
商業ギルドも俺に断られるのはわかっているはずだが……それでもベストを尽くしたって言うために俺に依頼を出さないといけないんだろうな。
今の言葉でリーゼルも理解出来たんだろう。
「ああ……」と呻き声を上げると、執務室内に視線を送って首を横に振った。
ここには商業ギルドから派遣されている者もいるだろうし、彼らへのまだまだ駄目だって合図だな?
その様子を見ていたセリアーナが、書類をヒラヒラと振りながら口を開いた。
「これは拒否でいいのね?」
「うん。もちろんだよ」
俺が改めてキッパリと拒否をすると、背後から「はぁ……」と小さな溜息が聞こえてきた。
彼らだってわかっているんだろうが、それでも少しは期待していたのかもな。
まぁ……残念だが諦めてもらおう……と頷いていると、セリアーナが振っていた書類とは別の一枚を出して来た。
用紙は先程の書類と一緒だし、返信用にクラウスが同封していたんだろう。
「それなら、ここにサインを書いて頂戴」
「はいはい……書くだけでいいようになってるんだね」
気が利くじゃないか……と感心しながら、机の上のペンを取って名前を書いた。
その時、ふとリーゼルの表情が目に入った。
苦笑でも困惑でもなく……なんというか、普通に困っているような表情だ。
間違いなく商業ギルドは困るだろうが、それでもあくまで幹部陣が……ってだけで、組織としての機能は別に問題無いはずだ。
フィオーラだって街を混乱させる気はないんだ。
上手いこと話を聞ける機会があれば聞いてみるか……なんてことを考えていたんだけどな。
◇
適当なところでリーゼルに何を悩んでいるのかを訊ねようと思っていたんだが、これが中々どうして。
まだ止んでこそいないものの、もう室内からでもわかるくらいに雨足が弱まって来ていて、その報告やら対応やらで執務室はまた忙しくなってしまっていた。
オーギュストは下の騎士団本部にいるし、テレサは冒険者ギルドかそこら辺にいるんだろう。
流石にこの状況で俺の相手をする余裕はないだろうな……。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




