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 ……知らない部屋。知らない場所。そして、知らない(誰かの)ベット。それらの現実を認識する星の顔は真っ赤だ。(実は熱のせいでもあるんだけど)

 ……なんで私ここにいるの?

 ……私、今まで(どこで)なにをしてたんだっけ?

 星は混乱している。一度、勢いよく弾き飛ばした毛布を星は両手で掴み、その身を守るようにして、そっと自分の体のほうに引き寄せた。(そして毛布で自分の体を包み直した)

 ベットの隣にはサイドテーブルがある。その前に置いてある木の椅子の上には星の山吹色のコートと白いふかふかのマフラーがきちんとたたんで置いてあった。

 ベットの中の星は黒い学院の制服姿だった。星の長くて美しい黒髪は、いつもの自然に流した状態のままで、(本来なら星は眠るときに髪をまとめる)星が頭の後ろに手をやると、そこには赤いリボンがきちんと(解けることなく)巻いてあるままだった。

 そこにちゃんと『約束の赤いリボン』があることを確認して、星はほっと安心して小さく息を吐いた。

『あんまり激しく動くのはよくないよ。気を失うくらい疲れてたみたいだからね』

 そんな魚の言葉が聞こえる。

 次第に星の頭の中にいろんな記憶が蘇ってくる。自分がなぜここにいるのか? 気を失う直前まで、自分がなにをしていたのか? ……そして、これから自分がなにをしようとしているのか?

 そんな大切な記憶を、目覚めとともに、星ははっきりと思い出して行った。

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