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秋の夜話  作者: ふりまじん
前略剛様

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9/18

思い出を小銭に


剛。何から話したらいいのかな?ファミレスで集まると、あんなに擦り続けて笑ったネタなのに、私はうまく文章には出ずにいるの。

あんたはいつも、金がないって言っていて、私はそんなアンタを色々とこき使っていた。


アンタは気がついていたかしら?私は実は怖がりで内弁慶なの。そして、人に何も期待してないし、自分にも期待してなかった。私は、自分のために何かをして上げるほど、自分にも優しい人間ではなかった。


いつの頃からかな?物心がつく頃には、私は何も望まなくなっていた。そして、いつも、どうしていいのか分からずに途方に入れているの。

でもね、アンタみたいに、何もできずに、でも、夢がいっぱいのやつを見るとなんだか、やる気が出てくるの。私にはない、何かをしたいという力を私はアンタにもらっていた。


実際、私は、アンタほどに特別に何かを食べたいとも思ってなかったし、自分の周りのものを工夫して満足だったから。


でも、アンタは、いい年になっても何も知らないで、その上、屈託なく欲しがっていたわね。

私は、アンタのその、ささやかで、なんだかキラキラした夢が好きだった。

ハンバーガーショップに行くとか、ファミレスにみんなで行くとか、そんなどうでもいい事を、まるで異世界からやってきた人間みたいに喜んでいたわね。


そして、ホイホイと、ハンバーガーに釣られて迎えにきてくれたわね。


アンタは自動車を出してくれて、私は人を集めて、楽しかったわね。

初めて、ファミレスに行った時の事を思い出したわ。

アンタも私も若かったわね。

そして、アンタは女性と初めてファミレスに来たと、ぶっ飛んだことを言っていたわ。

確かに、ここは田舎だけれど、流石に嘘だって思ったわ。

もしかしたら、私に気があるんじゃないかとか、そんな事まで考えてしまったわよ。

まあ、20分もしないうちにそれは違うってわかったけれど。


なにしろ、アンタは、もっと、女性って感じの、ナズナさんとファミレスに来られるようになりたいって言ってたわね。

それ、随分と失礼だと思うの。でも、私、自分のことより、いい歳のアンタが、女性と2人でファミレスに言ったことがないって言い出したことにびっくりしたわ。

そして、彼女、いない歴推測していて、もう、どうでもいい気がしたのよね。

あの頃は、まだ、結婚考えていたっけ。アンタ。

まあ、その前に安定した仕事を探す方が先だったけれど。


でも、私はなんだかロマンチックな気がしたわ。そして、その夢はナズナさんも共感してくれたわね。

アンタは人畜無害な感じがしたもの。

まあ、私も、練習と言ってはファミレスでご飯をご馳走になったけれど。


スマートにご馳走する練習とか、今だったらコンプラ違反だとか、男女平等なんかの問題で批判が来そうだけれど、あの頃は、格好よく奢れるそんな男が流行りだったわね。

まあ、その後、立場は逆転するんだし、まあ、私たちはそれでよかったのよね?


ああ、あの頃は、アンタも羽振りが良かったわ。

そして、奢ってもらったわ。

思えば、あの時に、名古屋に行くって話だったら、きっと楽ちんに行けたのにね。

って、それも無理か。

だって、あの頃は、みんな忙しかったもんね。アンタは建築業で出稼ぎに行っていたわね。

私はうまく、友達付き合いできなかったアンタに、お父さんを見ていたのかもしれないわ。

私のお父さんも、人付き合いが下手で、山とか僻地の現場で働いていたんだもの。

これはフィクションでモデルがいてもデフォルメしています。

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