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第6話 銀髪美少女

「皆月先生、その顔どうしたんですか?」

「なんでもない…」

 夜、僕は病院の椅子に座っていた。

 頬には、顔を覆い隠す程の大きな湿布をしていた。


 まさか殴られるとは…。しかもグーで。

 親にさえ殴られた事なんて…いや、あるな。父さんにはあの時…

 僕がそんな事を考えていると…


「先生! 救急です!!」

「っ! 分かった!」

 そこに看護師が部屋に入って救急の病人がいる事を知らせる。

 僕は急いで手術の準備を始める。


「で、どういう状況だ?」

 準備をしながら、補佐をする者から聞いた。


「男性40代、〜〜。〜〜〜。頭部を強打。意識はないです」

「そうか…」


 今日も大変な手術になりそうだな。

 僕は手術室に入った。






「ふぅ。無事終了っと」

「「「お疲れ様です! 皆月先生!」」」

 補佐をしていた者が深く礼をしてくる。


「いつも言ってるだろ。僕はまだまだだよ。尊敬する相手を間違ってはならないよ」

 僕は手袋を外しながらそう言うと、先程まで礼をしてた者が距離を詰めてくる。


「何を言ってるんですか!!」

「そうですよ! 私達は尊敬する相手を間違ってなどいません!!」

「その歳でこの手際…!! 手術の際、補佐する者が戸惑っていても優しく教えるその指導力!! 神童って言っても過言ではありません!!」

「そうですよ!! 行き遅れの私を養って欲しいぐらいです!!」

「この手術を4時間で終わらせるなんて…凄すぎますよ!!」

 皆が僕を褒め称える。


 まぁ、途中に何か言われてたけどそれは置いといて…。


 ハッキリ言うが、僕はそこまで褒められる事じゃないと思う。母さんならさっきの手術を3時間で終わらせるだろうし。父さんなら2時間かからないんじゃないか? さっきの手術はそのレベルのものだったのだ。まぁ、僕の歳の割には早く出来た方だとは思うが。


 僕は頭の中でクエッションマークを出しながら、手術室から出る。




「お父さん!!! お父さんは大丈夫なんですか!??」

 そこに綺麗な銀髪の女の子が、僕に涙目で聞いてくる。

 とても綺麗な子だ。歳は僕と同じくらいか?


 って、今はそんな事考えてる場合じゃないか。




「手術は無事成功しましたよ。しばらく入院して、安静にしていれば、元気になれます」

 僕は彼女に笑いかけて言うと、


「っ!!? あ…あ、あり…っ!!」

 銀髪の彼女の目からは、大粒の涙が流れ、あまりの嬉しさなのだろうか、女の子座りで床に座り込む。



 …彼女にとってお父さんは掛け替えの無い存在だったんだ。医者をやってて、誰かにとって大事な人を救う事が出来る、これほど嬉しい事はないよね。

 僕はポケットからハンカチを取り出す。


「どうぞ。これ使ってください」

 僕は彼女にそのハンカチを渡した。


「ほ、ほん、ほんだうにあ、ありがどう!!」


 ふふっ!


 先程まで整っていた綺麗な顔が涙や鼻水でぐちゃぐちゃになっていてる。




 これは中々日常生活では味わえない気持ちだ。


 本当の感謝の気持ち…



 僕の顔が勝手に綻ぶ。



「どういたしまして」

「っ!!?!?」


 彼女の顔は泣いたせいなのか、少し赤く見えた。

「面白い!」

「続きが気になる!」

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