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もし信長が生きていたら ― 本能寺から始まるもう一つの天下 ―  作者: マーたん


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秀吉とねね、奇跡の子

登場人物


織田信長おだ のぶなが

天下人。秀吉とねねの間に新しい命が授かったことを心から祝い、父親としての心得を秀吉へ伝える。


羽柴秀吉はしば ひでよし

信長の忠臣。「猿」の愛称で信長に親しまれている。ねねとの間に待望の子が授かり、大きな喜びに包まれる。


ねね

秀吉の正室。羽柴家に待望の第一子を授かり、家族の幸せを願いながら新しい命を育む。


羽柴秀成はしば ひでなり

秀吉とねねの長男。羽柴家の未来を担う新たな命として誕生する。


織田信栄おだ のぶひで

信長と濃姫の嫡男。秀成の誕生を心から祝い、共に平和な時代を築く仲間として成長することを願う。


濃姫のうひめ

信長の正室。ねねの出産を祝い、母として温かく励ます。


綾姫あやひめ

信長の側室。濃姫とともにねねを祝福し、羽柴家の幸せを喜ぶ。


弥助やすけ

信長に仕える忠臣。秀吉の慶事を自分のことのように喜び、羽柴家の未来を祝福する。

第二十六章 秀吉とねね、奇跡の子


土佐から京へ戻った信長一行は、平和な日々を取り戻していた。


ある朝、羽柴秀吉は慌てた様子で二条御所へ駆け込んできた。


「上様! 上様!」


信長は書状から顔を上げる。


「どうした、猿。」


その呼び名に秀吉は苦笑しながらも、満面の笑みを浮かべていた。


「実は……大変めでたいことがございまして!」


「申してみよ。」


秀吉は深く頭を下げた。


「ねねが……子を授かりました!」


広間は一瞬静まり返り、次の瞬間、大きな歓声に包まれた。


「おお!」


弥助は笑顔で拍手を送り、信栄も心から祝福する。


「秀吉殿、おめでとうございます!」


信長はゆっくりと立ち上がり、秀吉の肩を叩いた。


「猿。」


「これは天下にも勝る喜びだ。」


秀吉は目に涙を浮かべた。


「ありがとうございます、上様。」


その日のうちに、信長と濃姫、綾姫は秀吉の屋敷を訪れた。


ねねは穏やかな笑顔で皆を迎える。


「皆様、お祝いに来てくださりありがとうございます。」


濃姫は優しくねねの手を握る。


「どうか、お体を大切になさってください。」


綾姫も微笑む。


「元気なお子が生まれることを願っています。」


信長は秀吉を見つめる。


「猿。」


「これからは父として、家族を守ることも大切な務めだ。」


秀吉は力強くうなずいた。


「はい!」


「上様のような父になれるよう励みます!」


数か月後。


秀吉の屋敷には元気な産声が響いた。


「おめでとうございます!」


「男の子でございます!」


秀吉は思わず天を仰いだ。


「ありがとう……!」


「ありがとう、ねね!」


ねねは赤子を抱きながら、幸せそうに微笑んだ。


その知らせを受けた信長は、祝いの品を持って屋敷を訪れる。


小さな赤子は、信長の指をぎゅっと握った。


信長は目を細める。


「元気な子だ。」


「名は決めたのか。」


秀吉は胸を張って答える。


「**秀成ひでなり**と名付けました。」


信長は満足そうにうなずく。


「良い名だ。」


「この子もまた、平和な時代を築く一人となるだろう。」


庭では信栄が赤子を見つめながら微笑んでいた。


「一緒に成長できる日が楽しみですね。」


秀吉は照れくさそうに笑う。


「若君、ぜひ仲良くしてやってください。」


京の空には穏やかな青空が広がっていた。


戦乱の世では想像もできなかった家族の笑顔が、天下人と家臣たちの心を温かく包み込む。


こうして織田家だけでなく、羽柴家にも新たな命が誕生し、平和な時代の希望はさらに大きく広がっていくのだった。

ねねの一言


皆様、第ニ十六章をお読みいただき、ありがとうございました。


まさか私たち夫婦にも、こんなに幸せな日が訪れるなんて夢にも思っていませんでした。


秀吉様は少し慌て者ですが、とても優しく、きっと素敵なお父さんになってくれると信じています。


この子が信長様や信栄様とともに、戦を知らない平和な時代を歩んでいけることが、私にとって何よりの願いです。


これからも羽柴家を温かく見守っていただけたら嬉しいです。


――ねね

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