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2年前のトラウマに囚われたら、幻覚が話しかけてくるようになった  作者: スズミヤ


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一人の時に彼女が来る

第一話です。よろしくお願いします。


※この作品には、トラウマや幻覚に関する描写が含まれます。

今日 2024年12月28日。朝。


この小さな町で、私はとても質素な生活を送っている。名前はキョウラ・ナカムラ。今は高校3年生の冬を過ごしている。


私は息を吐いた。口から白い息が出て、乾いた空気の中へ消えていく。外で買いたいものがあったので、近くのコンビニに行くことにした。


外に出ると、住宅街はひどく静かだった。まるで世界全体が厚い布団の中ですべて忘れてしまったかのようだ。


きれいな歩道を歩いていると、小さな白い粒が一つ、また一つと、青白い灰色の空から落ち始めた。


ゆっくりと舞い降りる雪は、私に何かを思い出させた。でも、それが何なのかはわからない。


胸の奥に、漠然とした苦しさがあった。まるでパズルのピースが一つ足りないのに、最後にどこに置いたのか覚えていないような感覚。マフラーをぎゅっと締め直した。空気だけじゃなく、自分の心の奥から来る冷たさを追い払おうとしながら。白くなり始めたアスファルトの上を一歩ずつ踏みしめるたびに、いつも通っているこの道が、まるで遠い過去へ私を連れて行こうとしているように重く感じられた。


コンビニの自動ドアの前で、私は立ち止まった。温かいコーヒーの香りと暖房の温もりが私を迎え入れる。外の凍えるような空気とはまるで対照的だった。


湯気を立てるホットココアの缶をレジで支払い、私はすぐには家に帰らなかった。足は自然と、家から数ブロックしか離れていない小さな公園へと向かっていた。


公園は静かだった。


いつもは子供たちで賑わうブランコは凍りつき、誰も乗っていないのに風に吹かれてゆっくりと揺れている。私は、葉を落とした桜の木々が並ぶ方を向いた木製のベンチに座ることにした。茶色の裸の枝だけが残っている。


缶の蓋を開け、かじかんだ手のひらに温もりを広げさせる。甘くて濃厚な飲み物を一口すすりながら、私は枯れた桜の木の枝に視線を固定した。


あと数ヶ月もすれば、これらの枝は花でいっぱいになるだろう。


でも、私にとって、もうすぐ来る春は、見えない何かの脅威のように感じられた。


「ねえ、キョウくん! どうして一人でここにいるの?」


私は息を飲んだ。


その声はあまりにも澄んでいて、静けさを切り裂いた。遠くから、一人の少女が私の方へ小走りでやってくる。黄色いジャケットが、冬の灰色の世界の中でひときわ鮮やかに目立つ。


彼女はナユキ・ノキハラ。いつもじっとしていられない、私の幼なじみだった。


「すごく寒いよ、キョウくん。帰ろうよ。そうしないと、正月前に風邪をひいちゃうよ」


ナユキはしばらく私の隣に座って一緒にいてくれた後、そう言った。


私は立ち上がり、空き缶をゴミ箱に捨てた。私たちは並んで歩き始めた。雪の薄い層で覆われ始めた歩道を歩く。私たちの足音はリズミカルに聞こえた。


灰色の空の下、私たちだけがそこにいた。


道中、ナユキは小さなことを次々に話し続けた。駅の近くで見かけた野良猫のこととか、乾燥した空気がどれだけ嫌かとか。私はただ聞きながら、時々短く相槌を打つだけだった。


私たちの足取りは、やがて私の家の門の前に戻ってきた。私は立ち止まり、自分の家のドアをじっと見つめた。まるで自分の家じゃないみたいに、見覚えのある場所がなぜかよそよそしく感じられた。


「さあ、着いたよ」


ナユキは振り返って私の方を向いた。彼女はかすかに微笑んだ。寒さで鼻の先が赤くなっている。


「中に入りなよ、キョウくん。外でぼんやりしてないで」


私は静かにうなずいた。


「うん。ユキも気をつけて帰ってね」


ナユキが手を振り、向きを変えて歩き出した。私は門の前に立ったまま、彼女の背中がゆっくりと遠ざかり、雪の粒の中に消えていくのを見つめていた。


そしてその時、より重く、より深い静けさが再び私を襲った。


私は自分の胸に手を当てた。味気ない鼓動を感じながら。


ナユキはそこにいた。ついさっきまで私と話していた。なのに、なぜか私は、ずっと昔に失くした誰かを今まさに見送ったような気がした。


あの奥歯に詰まったような感覚が、再び喉の奥で強くなった。これまで以上に苦しい。


何が間違っているのかはわからない。でも、一つだけわかることがある。


私が忘れてしまった大きな何かがある。そして、それを思い出すのが怖い。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


この作品は短編小説です。


本日、あと2話を公開予定です。

それぞれ1時間おきに投稿していきますので、ぜひお楽しみに。


次の話もよろしくお願いします。

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