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第三十九話 試験空母
ヴァルデン帝国、ロシュハーフェン海軍工廠。
第一船渠では、改装を完了した一隻の大型艦に対する注水作業が進められていた。
船体上部には、艦首から艦尾に至る全通飛行甲板が設置されている。飛行甲板は船体前後に張り出し、舷側からも僅かに突出していた。
元の巡洋艦の姿とは明らかに異なる。
岸壁には海軍将校、造船技師及び航空関係者が参集し、船渠内の水位上昇と艦体の浮揚状況を注視していた。
「これが実用化されれば、アルヴェインに対する軍事的優位を確立できるでしょうな」
将校の一人が、飛行甲板を見上げながら口を開いた。
「陸上基地に依存せず、艦隊の前方に航空戦力を展開できる。その戦略的価値は計り知れない」
「しかし、航空機の着艦は未達成です」
別の将校が、慎重な口調で指摘した。
「発艦だけなら、従来の艦艇でも実験は可能でした。しかし、発艦した航空機が母艦に帰還できなければ、継続的な海上航空作戦は成立しない」
「着艦装置の試験は、これから本格化します。まず船体の浮揚と航行性能を確認した後、航空機を用いた実証実験に移行する予定です」
造船技師の説明に、将校たちは飛行甲板へと視線を戻した。
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