↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ANGEL SWORDFISH-無気力37歳おっさん、ゲーム世界で美少女ヤクザ転生-  作者: 東山統星


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/3

001 最悪の異世界転生

 あぁ、それにしても、つまらない人生だ。

 それなりの高校を出て、いわゆるEラン大学を卒業。今は零細企業で働いていて、手取りは23万円。イマドキ、新入社員でも月給30万超えの連中もいるのに、だ。

 転職等も考えたこともある。けれど、いかんせん新しい仕事をするために、勉強なんてしたくない。無気力な37歳。それが僕である。


(異世界転生、したいなぁ)


 こんな人生を過ごしているものだから、来世はきっと虫かなにかだろう。もう人間でいることに疲れている僕には、案外ピッタリかもしれない。

 けど、虫に転生したところで、自然淘汰されるだろうな、とも思ってしまう。

 そんな僕の目標(?)は、〝人間〟として異世界転生することだ。中世風の世界で勇者にでもなって、悪の魔王を倒して崇められる。そういうしょうもない妄想をしながら、僕はキーボードを叩いていた。

 そのとき、

 びゅー……と、飛行機が向かってくる音が聞こえた。けたたましい音がどんどん近づいてくる。ついに幻聴が聞こえるようになったのか? ……いや、周りの反応を見る限り、どうやら僕の会社に飛行機が飛んできているらしい。

 そして、

 特に断末魔も聞こえず、辞世の句もなく、ただ淡々と、墜落した飛行機が会社のビルにぶつかり、僕は意識を失った。


 *


「……はッ!?」


 僕は、タバコ臭い場所で意識を取り戻す。周りには喫煙者が多数。この禁煙風潮はびこる時代に、良くもまぁ大量の吸い殻があるものだ。むしろ感心してしまう。

 ……いや、そういう問題じゃないか。肝心なのは、ここが死後の世界なのか。はたまた、異世界なのか、だ。


「ラークさん、目を覚まされたようですね。いきなり寝始めるものだから、びっくりしたんですよ」


 いかにも反社会的勢力ですよ、という感じの、毒々しい刺青と隆々な筋肉、黒いTシャツを着た金髪の男が、僕に話しかけてきた。


「……?」

「どうされたんですか? あと30分後には、〝アスター〟って野郎を襲うのに」


 アスター……どこかで聞いたことがあるような。僕は、この煙たい場所に飾られている絵に目をやる。

 ……分かった。ここ、ゲーム世界だ。それも、学生時代かなりやり込んだゲームのひとつでもある。

 なぜ分かったって? やりこみ勢には簡単なヒントがあるためだ。

 これは、〝エンジェル・ソードフィッシュ〟というゲームなのだけれど、そのゲーム内で主人公たちに惨殺される組織〝ローニン〟という組織の旗が掲げられている。それ故、(理解したくないが)分かってしまった。

 〝エンジェル・ソードフィッシュ〟は、クライム・アクションのオープンワールドゲームで、主人公たちはローニンを含む3つの巨大犯罪組織をぶっ潰し、犯罪帝国を築き上げるという筋書きで構成されている。

 そして、ここはローニンの事務所のひとつだ。日本刀が連なっている旗や、タバコに巻かれている者が皆、刀を持っていることから推測はつく。

 しかも、ローニンはストーリーの構成上、最初に撃破される可能性が高い。構成員は大して強くない上に、ローニンの持っている〝シマ〟は莫大な利益があるためである。

 では、そんな組織の女幹部〝ラーク〟に転生してしまった僕は、これからどうすれば良いのだろうか。


「アスター……か」


 女性にしては、かなりハスキーな声で僕は唸る。


「なにか問題でも?」

「どれくらい兵隊がいるの? アスターの一味は、まだ大したことないかもしれないけれど、最近、〝ブラッドハウンズ〟の事務所が木端微塵になったでしょ?」


 ローニンと主人公アスターが交戦するのは、まずブラッドハウンズという組織が襲われてからだ。さすがにそれくらいは覚えている。


「30人ほどですが」

「うーむ、足りないね。勢いのある連中を潰すには、その3倍は欲しいところだよ」


 アスターたちを大真面目に倒したいのなら、過大でもなく100人近くの兵隊が必要。そうでもしないと、主人公は撃破できない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。