プロローグ
――銀河連邦軍 第八艦隊 旗艦 防護巡洋艦 アブローラ――
銀河連邦軍「第八艦隊」。
「神出鬼没」で知られ、連邦軍最強と言われている。
「艦隊司令」は「流星王」という二つ名まで持っている。
「神出鬼没」ぶりは、味方でさえ、そう感じるほどで、
軍の中でさえ、その艦船を見た事がある人は、限られている。
その艦隊の旗艦アブローラは、かなり古い形式の艦船だ。
巡洋艦というが、まるで戦艦と思うほどの大きさだ。
実に、堂々たるものだ。
その日、旗艦アブローラは、随伴艦2隻のみを伴い出港した。
――旗艦アブローラと随伴艦は、艦隊群に囲まれる――
敵の艦隊群は、相当の数で、アブローラと随伴艦を取り囲む。
360度、上下左右、どこにも逃げ場などない。
3対1500……。
どう見ても、取り囲んでいる方が有利だろう。
突然の敵艦の包囲に、アブローラの艦内でも、警報が鳴り響く。
ブリッジに行ってみると、
ネコが、肉球で、操作パネルの上をポチポチと操作している。
どうみても、遊んでいるようにしか見えない。
しかし、この「ネコ」こそ、「流星王」という二つ名を持つ、
艦隊司令「ノワール・フォン・フェリス准将」なのだ。
==キャットウォーク始動、ニクキュウ展開==
軍艦とは思えない単語が艦内に流れる。
「キャットウォーク」とは…
「ニクキュウ」とは…
それは、この物語の後半で、明らかになっていくだろう。
突如、敵艦が、次々に、内部から爆発し始めた。
気が付くと、敵艦が包囲していたハズの、
アブローラと随伴艦の姿が見えなくなっていた。
レーダーにも反応がない。
当然、アブローラの主砲発射の痕跡すら確認出来ない。
加えて、現在、受けているダメージは、
アブローラの小口径主砲などでは、出せないものだ。
あきらかに、大口径主砲で撃たれている。
攻撃は続く。損害は増える一方だ。
どこからの攻撃だ?
それが……味方の艦からであります。
その報告を受け、確認するが、
確かに自艦隊から、こちらに向けて砲撃した痕跡がある。
その艦は、当艦隊自慢の大口径砲を持っていた。
センサーが間違えるハズがない。
……というか、目視で見ても、
明らかに、その艦の「砲」から撃たれてる……ように見える。
裏切ったのか……!?
もう、アブローラなど、どうでもいい。
まずは、裏切り者を始末しなければ……
反撃だ……!!
仲間を疑い、疑心暗鬼に陥った艦が、同士討ちをはじめた。
こうして、敵艦隊は、面白いように、全滅していった。
敵は、最後まで、こちらのカラクリを見抜けなかった。
1500隻の敵艦が、無力化した事を確認すると、
アブローラと随伴艦は、再び姿を現した。
敵艦は、数隻を除いて、大破もしくは全損。
わずかに残った艦も、攻撃する手段は残っていなかった。
こうして、アブローラと随伴艦は、
自分の主砲を1発も撃たずに、1500隻の敵艦隊を無力化した。
敵が、どこにいようとも、
「神出鬼没」で、かけつけ、今回のような無双ぶりを発揮する。
自軍の関係者ですら、見た事ある人が限られると言われる程、
多くが謎に包まれている、連邦軍最強の「銀河連邦軍 第八艦隊」
――これは、そんな艦隊の旗艦に配属された、ひとりの将官の物語――




