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舞い降りた天使たち  作者: 結城南


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20/20

ハッピーエンドなつもり…

楽しんでいただけたら嬉しいです☆彡

気が付くと俺は壁から出た鎖につながれていた。

なんか前にもよく似た状況になった気がする。

「お目覚めですか。」

「お前…エルフ族の人?」

「ようこそ、エルフの国へ。天使族の白き巫女よ。」

「これなんだよ。はずせよ。」

「あなたは捕らわれの身、はずすことはできません。」

「どういうつもりだよ。和平はどうした。」

「そういえば私たちが友好になるとでも?」

ふんっと鼻で笑われてむかついた。

「じゃぁ、あんたたちは和平を結ぶつもりはないと?」

「とりあえずは結びますよ。でもこちらに有利にことを進めるにはあなたにしばらくここにいていただかなければならないのです。あの天使を虜にしたあなたの味見もしないといけませんしね。」

「味見…て…」

顎をとられ、頬をべろりと舐められた。

ぞっと悪寒が背中を這い上る。

「やめろ、さわんな。」

服をやぶられ、露出した肌に指が這わされる。

「ん~良い香りがしますね。やっぱり生気の濃い人間と言うのは甘い香りがします。」

言いながら指をすっと横に引くと赤い筋が付いた。

しばらくするとその筋から液体がこぼれてくる。

流れ出した赤い液体をべろりと舐められてさっきより嫌悪感が増す。

「やはり甘い。おいしいですよ。」

「うるさいよ。放せ。帰せ。」

「うるさいですよ。さるぐつわでもされたいのですか?」

「すぐにティたちが助けにきてくれる。」

他力本願は情けないけど。またティが助けにきてくれるはず。

「それは無理でしょう、あなたは自分で屋敷をでてきたのですから。」

「え…?」


朝、いつものように目覚めた。

気持ちの良い朝だった。

窓を開け、新鮮な空気を吸い込む。

と、精霊が飛んできた。

屋敷までくるなんて珍しい、どうかしたんだろうか?

部屋bに入ってくる精霊を手で受け止めようとした。

が、その手をすり抜け突然俺に向かって猛スピードでとんできた。

「わぁ」っと声を上げると、口の中へスポッと…。

え…俺、精霊さんのんじゃった?

ごくんとのどがなる。

わぁ、吐き出さないと。

と、指を口に突っ込んでみたが出てはこず。

精霊を食べちゃったせいか頭がぐらぐらする…意識が…

で、気が付くとここにいた。

俺、自分で出てきちゃったのか? 記憶にないけど。

だったら助けになんて来てくれない…?


朝、門番があわただしくティの執務室に駆け込んでいた。

「ひろむ様が…ひろむ様が…」

「ひろむがどうしたんです。」

「出ていかれました。」

「へ、へぇ。朝の散歩では…?」

「ちがいます、屋敷の外へ出て行ってしまわれました。」

「な…ルゥは…ルゥはなにをしているんです。」

みんなで慌ててひろむの部屋へ向かった。

「あれ? みんなおそろいでどうした?」

「どうしたじゃありません。ひろむはひろむはどうしたんですか。」

「どうしたもこうしたも、出てくって言って出て行ったけど? ティ、なんかひろむを怒らせるようなことしたんじゃないのか?」

「そんなことするわけないでしょ。ところであなたは何をしているんですか?」

「なにって…寝てたけど?」

「なんのためについててくださいとお願いしたと思ってるんですか。ちゃんとついていってくれないとだめでしょ。」

「だって…ひろむがついてくるなって…」

ルゥの声が少し小さくなる。

「言われたからって護衛がついてかなくてどうしますか。」

「だって、一人になりたいときもあるじゃん。ひろむもそうなのかなって。」

「ちゃんと現在地は把握できてるんでしょうね。」

「も、もちろん。そこんとこは抜かりない。」

「では、行きますよ。」

再びの出陣である。


俺は暴れていた。

エルフ族がこぞって俺の血をなめようとしている。

「ひろむ、あなたはとても美味だ。これだけ生気が濃いなら何人分の食事になるのか。素晴らしい。早速儀式の用意を、体中の血を抜き取って余すことなく食さねば。」

「お前ら食人種か。人を殺して食うなんて。」

「誰が殺すなんて野蛮なことを。ただ、血をすべて抜き取るだけです。」

「抜き取られたら死ぬじゃないか。」

「大丈夫儀式で抜き取れば血がなくても生きていけます。生きてさえいれば血はまた補充されますから。また抜けます。」

「それはもうゾンビだろ。生きてないだろ。」

「わめいても無駄ですよ。儀式を行えばあなたは我々の奴隷ですから。」

寒気がする。こいつら…ティたちは妖精族が狂暴だといったけど、こいつらの方がよっぽど狂暴…いや凶悪だ。

なんとかして逃げないと。

必死で暴れたからか手首がこすれてひりひりする。

「さぁ、静かにしてください。」

足かせが外され、手かせが外された、その一瞬のスキをついて 思い切り体当たりをかました。

しかし、エルフ族も頑丈なのか吹っ飛びもしない。

おかげで俺の方が反動でふっとんだ。

あえなく鎖を繋ぎなおされ、俺は儀式の間へと連れていかれた。

中央に備え付けられた台の上に寝かされ、端についた鎖にまた繋ぎなおされた。

「おぉ、もったいない。」

流れおちそうになる胸の血をいつまでもぺろぺろと舐めている。

気持ち悪いからもうやめてほしい。

「王よ、もういいですかな? そろそろ儀式をはじめますが。」

「あ、あぁ、そうだな。 始めてくれ。」

数人が取り囲み、なにやらわからない言葉をごにょごにょいいながら棺桶の蓋のようなものを下ろして来た。

その内側には無数の針がびっしりとつけてあった。

アイアンメイデンの寝台バージョン?

これ、下ろされたら俺それこそ、死ぬんじゃ。

血を抜き取るなんてもんじゃないだろ。

何が殺さないだ、抜き取り方ってもんがあるだろう。

死に物狂いで暴れたが効果はない。手足の鎖ががちゃがちゃいうだけだった。

降りてきたそれが、中途半端な位置でとめられ、まだごにょごにょと何かを唱えていた。

こわいから、そんなとこで止められたら怖いから。

それならいっそのことバサっと落としてくれてもいいんだからね…

俺、また泣きそうだ。

アイアンメイデンで殺されるために異世界来たかったわけじゃないのに。

いくら俺が女性が苦手だって言っても鉄の処女なら良いってもんじゃないのに…

しかもこれ中だけ似せてて、女性型じゃないし…

いや、それはどうでもいいんだけど、とにかくいやー。

「ルゥ、行きなさい。」

「おぅ」

ベルが俺の上でかすかに揺れている鉄の塊を一刀両断にする。

エルフたちの間からそれこそ、鉄の処女に抱かれた者がもらすような恐怖と苦痛の悲鳴が沸き上がった。

あぁ、既視感デジャヴ

「わりぃ、ここ特定するのにちょっと手間取った。」

言いながら繋がれた俺の鎖をちぎっていく。

ティに抱きしめられ、緑の光に包まれた。

「大丈夫ですか?こんなにボロボロになって…」

緑の光が収まると手足についたこすれた跡も胸の傷もきれいに無くなっていた。

これがいやしの力なんだ。なんか暖かくて気持ちいい。

みんなが周りでドタバタしている中、俺はティの腕に抱かれて和んでいた。

俺の傷がなおりきるころにはすべてが片付き、この件にかかわったエルフは全員とらえられ、連行されていった。

「で、どれがひろむにこんなことを?」

「え? でも今ティが全部なおしてくれたから、俺はもうだいじょう…」

「どれがひろむを傷つけたのですか?」

え、笑顔が怖い…

「だから、もう…」

「どれですか」

「あ、あれ…」

台座近くでとらえられていた王を指さした。

だって、ティが怖い…

「あれですか。ひろむにこんなことをしでかした張本人は…」

たしか、エルフの王って呼ばれてたのに、アレ扱い…

ティの笑顔がかなり怖い。

ごごごごぅっと数倍の大きさに感じるほどの覇気に王が青い顔をして震えあがっている。

「エルフの王よ、なにか釈明は?」

クラウスの声に王は悔しそうに俺とティを見ていた。

そんな顔してもゆるさないんだからな。

この恨み、倍返しだ!

いや、10倍でもたりない、100倍返しだ!!

俺が心の中で悪態をつくなか

「やっぱり脳筋はどこまでいっても脳筋ですね。こんな作戦うまくいくとでもおもったんですか?」

とクラウスがとどめを刺していた。

結局今回の件で妖精族の土地もエルフ族の土地も天使族に統合された。

俺は果樹園と畑を増やして、みんながすごせるように頑張った。

そして…俺は今日花嫁になる…のか?

いつかティも子供が欲しくなるかもしれない。

俺は産めないから他の女の人にお願いするしかなくなると思う。

けど、それはまた別のお話。

平凡でなんの取り柄も特別なイベントもなかった俺が、憧れの異世界へきて色々あったけど好きな人と結婚までして、幸せ…? うん、きっと多分おそらく幸せ!







誤字脱字、変換ミスてんこ盛りかもですが、速やかに訂正していきたいと思っておりますので、長い目で見てやってください(>_<)

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