プロローグ
過去にスピンオフで出てきた貴婦人が登場します。
「いらっしゃいませ。」
今日もマダムリーズの店には少女達が訪れる。
「ごきげんよう」
来店したのは都内のお嬢様学校白菊女学院の生徒2人だ。制服を洋装にしたことで話題になっている。
「マダム、白百合のコサージュあります?」
「ええ、こちらに。」
白菊女学院には言い伝えがある。学校内にある時計塔で白百合の花を互いの髪に飾りあった乙女2人は特別な関係で結ばれると。
この2人もそう言った関係なのだろうか?
「用意できてますよ。」
リーズはコサージュを2つ持ってくる。
「お姉様、さっそくつけましょう。」
「ええ、わたくしの鈴蘭。」
鈴蘭と呼ばれた少女はお姉様にコサージュをつけてもらう。
「お似合いよ。鈴蘭さん。」
「ではお姉様も。」
帽子に白百合のコサージュは白菊女学院の乙女達の象徴なのだ。
「すみません。」
玄関の鈴が来客を告げる。
「あら、月子様。ごきげんよう。花ちゃんから頼まれた新しい靴できてるわよ。」
月子。彼女は女優をしながら花の両親が経営する喫茶店で働いている。月子は芸名で本名は妙という。
「そうよ!!」
月子は白菊女学院の生徒2人を見ると大声をあげる。
「貴女達、白菊の生徒よね?」
「はい、そうです。」
1人が答える。鈴蘭と呼ばれた少女だ。
「やっぱり!!そうだわ。ねえ、宮原って女教師知らない?」
「英語の先生で私教わってます。」
鈴蘭は再び答える。
「やっぱりそうだわ。」
「月子様、どうされたのですか?」
リーズが尋ねる。
月子曰く花は今日学校が終わったら白菊の教師と会う約束をしていた。それで代わりに月子が取りに来たという。
「昨日も同じことを言ってたわ。そういう時に限って団体のお客様が来るし、大変だったのよ。」
カランカラン
月子は愚痴をこぼしていると再び来客を告げるベルが鳴る。
「いらっしゃいませ。高草木夫人」
高草木栄子。流行に敏感な公爵夫人である。
「夫人、今日も素敵なワンピースですね。」
茶色チェックの入ったワンピースに白いジャケットを羽織っている。
「本日は何をお探しですか?」
「今日はお客として来たのではありませんの。マダム、我が家の専属デザイナーになりませんか?」




