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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
帝劇の乙女
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夢への舞踏会

 オーディション会場では1人また1人と審査が行われていく。その様子を鮎子は客席から見ていた。何かあった時のためにと鮎子はマダムのお店には行かず会場に残ったのだ。

 やがて最後の候補者が舞台上に現れる。月子だった。月子はきらびやかなピンクの衣装で現れる。わっかのドレスをふわっとさせ挨拶する。

鮎子は月子の演技を見ていた。確かに他の候補者と比べると格段に上手い。だけど何かが足りないような気がした。

月子の番が終わりすべての候補者が演技を終えた。審査員の先生達が感想を述べ去ろうとした時だった。勢いよく劇場の扉が開けられた。


「待って下さい!!」


そこには新しい衣装を着た桜子がいた。リーズと春子と蘭子も一緒にいる。

桜子は審査員席へと歩み寄る。

「オーディション途中で抜け出し申し訳ございませんでした。どうか私に受けさせてもらえないでしょうか?お願いします。」

桜子は頭を下げる。

「ねえ、貴女自分が何を言ってるか分かってる?一度放棄したのに。そんな人に受ける資格なんてないんじゃないかしら?」

月子が鋭い視線と共に桜子を責める。

それを客席で聞いてる蘭子は思った。

(誰のせいでこんなことになったと思ってるのよ!!やり方が卑怯じゃない!!)

そう言ってやろうとしたとき隣にいたリーズが止める。

「大丈夫よ。彼女なら。」

 審査員席はどうするか討議が続いてる。

「別にいいじゃないか。」

そう答えたのは劇団専属の衣装デザイナーであった。

「桜子ちゃんできるか?」

「はい!!」

桜子はオーディションに参加できることになった。

桜子に与えられた場面は初めてマリーアントワネットの舞踏会に参加するシーン。蘭子と練習したところだ。



アントワネットを演じる女優が上手から舞台に現れる。

「まあ、今日は可愛らしいお客様も来ているのね。」

芝居はアントワネットの台詞から始まった。

「王妃様、お招き頂き光栄ですわ。わたくしロザリー・ラ・モリエールと申します。」

桜子は台詞を言うとカウテシー式のお辞儀をする。

「こんな素敵な舞踏会生まれて初めてだわ。シャンデリアにオーケストラ、貴婦人達のダンス。わたくし胸がときめいて。こんな世界があったなんて知らなかったわ。」

そこにいたのは華やかな世界に胸をときめかせる少女であった。

「ありがとう。ロザリーさん。私貴女みたいな素直な方好きよ。今日は楽しんでいってね。」

今度は貴族の紳士役の俳優が現れる。

「マドモワゼル、一曲お相手願えますか?」

ロザリーは紳士を見つめる。アントワネットに促されると紳士の手を取り踊り出すのであった。

 芝居はそこで終わった。客席にも一連の物語に胸をときめかせる少女が1人。蘭子であった。


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