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怒涛の1日を終え、とりあえず私を抱きしめ、窒息させようとした女の子は、わたしの侍女のクレアだと言う。


そして、私はメアリ・ファーリエ・ダリア、ダリア公爵家の1人娘らしい。

あの後は、本当に大変だった…。

私のお父さんとお母さんらしいキラッキラッした2人か現れて、滝のような涙を流しながら交互に私を抱きしめ、窒息死させるつもりかもしれないと疑うほどに、ギュウギュウに抱きしめてしばらく離れてくれなかった。


そして、私を抱きしめながら、私の名前や今の状況を嗚咽まじりに説明してくれた。

説明はこう、どうやら私は今日お母さんと一緒に、王妃様のお茶会に呼ばれて王城にきていたらしい。

で、お母さんが目を離したすきに消えていて、それに気づいた時は、またジッとしているのがイヤで庭の散策にでも出かけたのだと思っていたらしい。

なぜ、そこで慌てないのかと私は、思ったのだが、どうやら私にはいつもの事らしく、王宮の庭ということもあり、護衛もそこかしこに立っていることから、大丈夫だろうと思っていたとの事。


だから私が、怪我をして意識がないと聞いた時には、お母さんも意識を失ってしまったとの事で、お母さんは、不甲斐ないと自分を責めていたらしい。


もう、このまま離れてもらえないのでわないか。と半ば諦めかけていたところ


コンコンとドアをたたく音がし、先程ドアから出でいった男の子もとい、アルバート・ローゼンハイム・クロイヤ殿下が執事を伴ってやってきた。


と、同時にお父さんは、私を抱きしめていた手を離し上位の者に対する、最上級礼をとろうとした。


「そのままで大丈夫です。が、報告があってダリア公爵に了承を頂きたく思います。」とクロイヤ殿下が私から離れようとしていたお父さんに向かって声をかけた。


「クロイヤ殿下、娘が何か…。」お父さんは、顔を真っ青にしながらクロイヤ殿下に顔を向け、次の言葉に固まった。


「実は、メアリ嬢に了承を得ましたので、私とメアリ嬢の婚約を認めて頂きたいのです。もとはと言えば、私がメアリ嬢に声をかけたのが、メアリ嬢の怪我の原因となってしまった。責任をとらせて頂きたいのです。この件につきましては、両親にも許可を頂いております。」


「…クロイヤ陛下の許可…。」とお父さんは、呟いたかと思うと、今度はなぜか、黒いオーラを放ちながらも、すごく綺麗な笑顔でクロイヤ殿下に、しっかりとした最上級礼をとり


「殿下の申し出は、凄くありがたいのですが、娘は、目が覚めたところであり、記憶もない状況です。婚約には了承しかねます。」と綺麗な笑顔で言い切った。


が、


「あなた、何をおっしゃっているのです?クロイヤ殿下がメアリを婚約者にとおっしゃっていらっしゃるのですよ?王家につかえる者として、これ以上ない喜ばしい事ではありませんか??」と今度は、お母さんが言い出した。


「いや、お前こそ何を言っている、メアリを王家にとられてもいいのか??まだ社交界デビューもはたしていないのに、もう婚約者だと、そんなものは認めない!!」


「あなたこそ、何を!!女たるもの、望まれて結婚するのが一番いい事ではありませんか!!ましてやクロイヤ殿下ですよ!!こんなにいい婚姻はございません!!」


「クロイヤ殿下でも、まだメアリに婚約など、早い!!」


と、両親は、私とクロイヤ殿下そっちのけで言い合いを始めしまい、私はというと、了承した覚えもない自分の婚約や、結婚という言葉にただただうろたえる事しか出来なかった。


と、クロイヤ殿下が

「では、婚約者(仮)では?メアリ嬢の記憶は時間がたてば戻ることが多いそうですし、戻らなくても、私はできることがあれば、メアリ嬢の力になりたい。それには家の立場が邪魔をする。できることなら婚約をさせて頂きたいのが本音ですが、ダリア公爵はまだ早いということですし。」


ねっ、という感じで、クロイヤ殿下は小首を傾げて、にっこりとお父さんに向かって笑顔で問いかける。


お父さんは、苦虫を噛み潰したような顔をしながら私に、


「メアリは、どうしたい?」と私を見て言ってきた。

私は…。どうしたい?何もわからないのに?返事に困っていると、


「メアリ嬢、社交界デビューまで時間もあるし、もし何かあって婚約を辞めたいと思ったら、その時また言ってくれれば、ちゃんと力になります。」とクロイヤ殿下は声をかけてきてくれた。


辞めたくなったら、辞めてもいい。その言葉に背中を押されるように


「婚約者(仮)なら…。」と呟いた私の声は、静かな室内で殊の外大きく聞こえた。


お父さんは、ガックリと肩を落とし、お母さんは、満面の笑顔で、そしてクロイヤ殿下は、嬉しそうに三者三様な表情で私を見ていた。


その、光景をドアの側で控えていたクレアは、殿下を射殺すように、そして殿下付きの執事はとてつもなく疲れた表情で見ていた事は、まだ私は知らなかった。

やっと、二話目…。

なかなか時間が、取れなくて、頭の中で書きたい事と言葉の言い回しが整理できないです。

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