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高速バス百物語  作者: チーズワーク


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一話目 降りれないバス

高速バスに乗っていてあまりにも時間がすぎるのが遅かったので降りるまでに百物語を何話書けるかしてみた。一話あたり一千文字程度。

降りれないバス


ある日、私は新幹線よりも長く時間は掛かるけども、価格帯は新幹線よりも抑えられる高速バスで、遠い場所まで行くことになった。


理由は……まぁ仕事でもプライベートでもいい。どうせ、今となってはそんなこと、たいしたことじゃ無くなったんだから。


ゆうに8時間を越す、地獄の様なバスの車内の時間が過ぎて、私はようやく目的地に着き、バスを降りられることになった。


『ようやく着いたか』


心の中で一人、モノローグを吐き、この最悪な高速バスという修行を終えることができたことに喜びを感じつつ降りようとしたところ、私は降車口の目の前におかしなものを見つけた。


一人の男と、怪しげなマイクロバスだ。

男はどうやらそのマイクロバスに乗る人物達や団体に相当の恨みを持っているらしかった。


そして、男は新聞紙に包まれた怪しげな機械を取り出すと、その機械をマイクロバスに向けて、トリガーを引いた。すると、その機械から紅色の煌びやかな光が解き放たれ、マイクロバスを包み込んだ。そして次第にマイクロバスは歪んで見えるようになり、次第に空間そのものも歪んで見えるようにもなった。


男は絶対にマイクロバス以外には、その光線をあてるつもりはない、そんな気概があった。だが、マイクロバスの車内に居た、みずほらしい男がつけていた古びたメガネにその光線が反射して、私の方にその光が向かって来た。


「しまった……!」


機械を手にした男が俺の方を向いて驚愕の眼差しを向けて来る。


そして私の意識は次第に遠のき……


気が付いたら


再び出発地点に戻っていた。


「あれ?夢だったのか?」


私は再び出発地点からバスに乗った。

同じ景色、同じ光景、同じ時間、渋滞による遅延の時間すらぴったり同じ。


『私にはもしや、未来予知の能力があったんだろうか?』


そんな妄想を抱きながら、目的地に到着するのをしばし待った。


だが、私のそんな感覚を一気に、氷の様にストンと冷めさせたのは、目的地に着いた時のことだった。


同じ男、同じマイクロバスが目的地にはあって、そこからの流れはまったく同じだった。


私は再び、出発地点に戻っていた。


私は呆然としてその場に立ち続けた。高速バスはその間に既に出発をしていた。


私は結局、新幹線に乗り、目的地まで向かった。やはり新幹線の方が快適だ。


私は其れが夢だったんだと思いながらも、やかにリアリティがある夢だったので、どうもそれを夢であるとは思えなかった。


ただなんとなく予感はあった。


目的地に着くと、お馴染みのマイクロバスがあった。


ただなかには誰一人として乗っておらず、みずほらしいメガネだけがそこにポツンと置かれていた。


「不気味だ……」


私は足早にそこから立ち去り、二度と其処を訪れることはなかった。勿論、高速バスにも二度と乗らなかった。

百話目迄書くと何か起こったりして、百物語って百話目で何か起こると言うじゃない?

だから百話書き終わる前に高速バスから降りたい。

さっさと目的地まで着いてくれ。

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