episode:34 Last lyric
この作品は天道暁によるオリジナルのスーパー戦隊作品です。現在放送されているスーパー戦隊シリーズを制作・放送している各団体とは一切関係ありません。
オープニングテーマ「your kind!」
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どこかの時空の秘密の場所に存在する、悪魔帝国デモンダイム。
その中心にそびえ立つのが“サタンパレス”。
更にその中心に位置する巨大な塔・サタンタワー。
地球から一時帰還したベルゼブルは、禍々しいデザインの金属製の箱を抱えてそこへ向かう。
箱には自分を含む悪魔達が集めたデビルギーが詰まった容器が十数個収められている。
サタンタワー入り口まであと少しのところで、ベルゼブルはサタンタワー頂上から飛び出しどこかへ飛んでいく黒い矢のような物を目にして立ち止まる。
しばし思いに耽った後、また歩きだしサタンタワーに到着。
その上部に存在する、幹部のみが立ち入ることを許された部屋に入り、祭壇のような物の側にひざまずく。
箱から取り出したデビルギー容器を向けると、祭壇の上に浮かんでいる赤紫色の光を発する拳大の球体が、容器から黒いモヤのようなデビルギーを吸収し始める。
「サタン様、黒羽の矢を撃ち上げたんですね。それはつまり、お休みになっているサタン様に僅かに残されたご意志により、新しい地球侵攻管理官が選ばれるということ。それがサタン様のお考えなら、俺様はあのクソガキが選ばれるようなことでも無い限り何も言いません。ですがどうか、俺様の力で奴らとケリをつける……それだけはお許しください」
デビルギーの献上を終え、ベルゼブルは祭壇に「チェケラ!」の指を向けてサタンタワーを出る。
「夢幻戦隊ヨーカイジャー」
episode:34 「Last lyric」
某所の中華料理店。
厳ついサングラス、銀髪、銀のジャケット、ダメージジーンズ、全身の要所要所にシルバーのアクセサリー。
人間の姿に変身したベルゼブルが大量の肉まんを両手で掴んで貪り食う。
店員や常連客にとっては既に見慣れた光景。
驚く者や不審がる者はほとんどおらず、皆それぞれの食事を楽しんでいる。
山盛りの肉まんを20回おかわりし、他の全メニューを10人前ずつ平らげたベルゼブルは、いつも通り「金の計算がめんどくさい」という理由で食べた分の代金を遥かに上回る金額の札束をレジに叩きつける。
「釣りはいらねぇYO!」
「いつもありがとうございます。またお待ちしております」
「それが実は、ここに来られるのは今日が最後になりそうなんだYO」
「そうなんですか?」
「こっちでやる仕事が終わっちまうからな」
「そうでしたか。寂しくなります…」
ベルゼブルは眉を寄せた店長の眉間をビシッと指差す。
「ここの料理は最高だ。絶対に忘れねぇZE!」
「ありがとうございます! 我々もあなたのラップと豪快な食べっぷりを忘れません!」
ベルゼブルは懐に手を入れて髑髏型マイクを生成し、生成したと気付かれないように取り出す。
「YO! 激うま最高!ジューシー肉まん 食えるの最後!悲しいけど我慢 中華に夢中か男の浪漫! 忘れねえぜ究極の肉まん! 旨いモン作る奴にはリスペクト! お前らの中華はパーフェクト! Say! Ho~?」
「Ho~!」
「Ho! Ho! Ho! Ho!?」
「Ho! Ho! Ho! Ho!」
「Ho! Ho! Ho! Ho!?」
「Ho! Ho! Ho! Ho!」
「チェケラ!!」
店内の全員が「チェケラ!!」の指を掲げて一つになる。
「ありがとうございました!!」
店員達の全力のお辞儀に見送られ、ベルゼブルは店を後にする。
隣の洋菓子店の前で店員が皿に盛られた試食品のクッキーを持って立っていた。
以前ベルゼブルに試食品がまずいという理由で殴り飛ばされ、昨日ようやく職場復帰できた男。
近付いてくるベルゼブルから目を反らすが、ベルゼブルは構わずクッキーを一つ奪い取り口に放り込む。
「旨い!! これからも頑張れYO!」
「は……!? はい! ありがとうございます!!」
様々な感情が混じった笑顔に見送られ、ベルゼブルは歩き出す。
中華料理店から30分ほど歩いた所に見える、人波に埋め尽くされたスクランブル交差点。
青信号を待って歩き始め、無数の人物が交差する大都会の真ん中で、ベルゼブルは銀色の擬人化されたハエのような正体を現すと同時に前を歩いていた人間を蹴り飛ばした。
「Yahhhhhh Hahhhhhhh!!」
蹴りを食らった人間は即死、その人間をぶつけられた者が倒れ、そのまま将棋倒しになり人々の背中が横断歩道を覆い隠す。
我先に逃げ出さんとする人々の悲鳴と怒号。
その中心でベルゼブルは左腰に付いていた瓢箪のような物体を青空に掲げ、人々の頭上から立ち上るデビルギーを回収する。
妖怪市街地監視事務局からの通報により駆け付けたヨーカイジャー6人。
人波を駆け抜けベルゼブルを肉眼で捉えたところで変身。
「妖怪変化!」
並び立つヨーカイジャー、対峙するベルゼブル。
「誰が呼んだか旅烏 鼻高々にてんつくてん 天に代わって只今参上! 空の勇者、ヨーカイレッド!」
「誰が言ったか川流れ 流れるどころか掻き分けて 登って飛び出せナイアガラ! 水の戦士、ヨーカイグリーン!」
「誰が言ったか猫かぶり 花も恥じらうJK3 嘘はいらない夢見る乙女! 獣のアイドル、ヨーカイピンク!」
「誰に言われどカマわない イタチごっこにピリオド刻み 腹を切らずに悪を斬る! 風の剣士、ヨーカイブルー!」
「誰を染めるか狐色 こんこん今夜も手鞠歌 お目にかけましょ万華鏡 幻の賢者、ヨーカイイエロー!」
「誰もオイラを止められねえ! 当たるも八卦の大予言! 爆走疾風ギンギラギン! 閃光の覇者、ヨーカイシルバー!」
「夢も現も守るが仏 夢幻戦隊!」
「ヨーカイジャー!!!!」
「Hey! 来たなヨーカイジャー!」
辺りに他の悪魔の姿は見えない。
グリーンは経験から油断できない状況と判断する。
「一人でどうした? また陽動か?」
「いやちげぇYO! 別に信じなくてもいいがな。実は俺様、もうお前らと遊んでやれなくなったんだYO!」
レッドがノリのいい反応。
「えええええええええ!? もっと遊んでYO!」
「無理だYO!」
「デビルギー集めの仕事、クビにでもなった?」
「ま、そんなとこだな、お前らが邪魔するせいで。だから今から、お前らとケリつけてやんだYO!」
ベルゼブルは右腰に付いている赤いレンガのような物体を外し、
「Ageてけ、ジャミリアー!!」
と叫びながら放り投げる。
赤いレンガのような物体は空中で弾け、中から剣や棍棒、マシンガンを持った合計30体のジャミリアーが出現。
「ジャミジャミ!」
ジャミリアー達は武器を振りながらリズミカルに足を踏み鳴らす。
「そっちの事情は知らないが、これ以上の悪事を許すわけにはいかない。いくぞ!」
「オウ!!!」
グリーンの掛け声でヨーカイジャー達が走り出す。
イエローはバイクサイズのライジュウに乗り、後ろにピンクを乗せて戦場を駆ける。
後ろのピンクはムゲンシューターで銃撃。
駆け抜けるほどにアスファルトに転がるジャミリアーが増えていく。
前方に棍棒を構えたジャミリアーが3体。
イエローがハンドルを握る手に力を込めるのを察したピンクが、イエローの腰に手をまわし、細い背中に身体を寄せる。
ライジュウは電撃を纏いながらジャミリアーに突進。
3体まとめて弾き飛ばし爆散させる。
ブレーキを掛け、呼吸を整える。
「やったね!」
「うん!」
「もうちょっとこうしててもいい?」
「だめ。つづきはあとで」
「うん…!」
二人を乗せたライジュウはまた走り出す。
シルバーがブルクダンの能力カードで光の角を生やし、オボログルマの能力カードによりローラースケート状になった足で高速移動。
ジャミリアー達に武器を使う暇を与えず次々に蹴散らしていく。
ブライブレードを構えたブルーを、剣を構えたジャミリアー8体が取り囲む。
ブルーの隙の無い構え。
ジャミリアー達は攻撃のチャンスを探しながら一歩一歩距離を詰める。
と、ブルーの後方3体がシルバーによって蹴散らされ、それを合図にブルーが一太刀、二太刀、三太刀と流れるように浴びせかけ、5体のジャミリアーが時代劇の斬られ役のような派手な動きで倒れる。
立ちはだかるジャミリアーをガチコンハンマーで薙ぎ払い、グリーンがベルゼブルの前に走り出る。
「YO! 緑! ヨーカイジャーは最初お前一匹だけだったんだってな? よくここまで統率とれたチームにできたもんだNA!」
「褒めてくれてるのか? 俺がいいチームにしたわけじゃない。みんなが仲間を信じて、それぞれが得意なことをする。そうしてくうちに自然と、みんなが力を発揮できるチームになっていったんだ」
「なるほどNA~。でも上に立つモンは大変なこともあるだろ?」
「まあな。結月が宿題わかんなくて何回も連絡してきたり、拓実の栄養バランスが心配なときは飯作ってやったり。あいつはご飯に乗っけりゃ何でも食うから難しくはないんだが」
「Ah~、似たようなことこっちもあるZE!」
「お互い苦労するよな~」
「だよな~」
「ハッハッハッハッハッハッハ!」
「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!」
大笑いしながらそれぞれ真横に転がると、グリーンの背後にムゲンシューターを構えたレッド、ベルゼブルの背後にマシンガンを構えたジャミリアー。
速打ちの差でレッドの銃撃がマシンガンを撃ち落とし、続けざまの連射によりジャミリアーは爆散。
「お互い行儀の悪い部下を持ったNA!」
「わざわざ言わなくてもアドリブで行儀悪くしてくれる、そこがいいんだよな!」
レッドはフェザーガントレットとクロノスマッシャーを装備。
クロノスマッシャーのダイヤルを回しながらベルゼブルに走る。
「OK、着いてこい!」
ベルゼブルが翅を震わせ空へ。
レッドがカラステングの能力カードで翼を生やしてベルゼブルを追い、更にシルバーがイッタンモメンの能力カードで浮遊しそれに続く。
レッドが繰り出したパンチをベルゼブルがかわしたところでシルバーがモメンカッターで斬りかかる。
ベルゼブルはそれを拳で受け止め、直後に蹴りを放つ。
シルバーは後方へ身を翻すと同時に距離を取る。
「俺様達の色被り、結局たまたまどっちも銀色なだけだったNA!」
「『たまたま』って言うより、『運命』とか『奇跡』とか言うほうがオイラは好きだぜ!」
「その気持ちはわからなくもないZE!」
ベルゼブルはオボロバルカンを準備するシルバーに向けて目からビームを発射。
シルバーは反応して高度を下げ、肩を掠めたビームによる痛みに耐えながらオボロバルカンを連射。
ベルゼブルはまさにハエのように飛び回りこれをかわす。
が、突然背中に超高速の打撃が連続で打ち込まれるのを感じた。
レッドがクロノスマッシャーのボタンを押して体感20秒間の超高速活動を開始し、「必殺妖技・時空百烈拳」をベルゼブルの背中に撃ち込んでいる。
一発一発はベルゼブルにとっては軽めのダメージだが、それを目にも留まらぬ速さで撃ち込まれ続ければ体力を奪われていく。
ベルゼブルは体を捻りレッドのパンチを受け止める体勢に入る。
レッドにはその動きがスローモーションのように見え、構わずパンチを撃ち込み続けるが、クロノスマッシャーのデジタル表示が「3」になったところで、銀色の複眼に捉えられた右拳を掴まれた。
「効いてない……!?」
「いや、効いてるZE!」
ベルゼブルは旋回して勢いをつけレッドを地面に向けて投げ飛ばす。
レッドはシルバーに受け止められ、殺しきれない勢いで地上に押し飛ばされるシルバーをグリーンとブルーが2人がかりで受け止める。
合計3人がかりで受け止められたレッドは、視界の端でピンクがライジュウから降りてムゲンブレスにカードを入れるのを確認すると、再びベルゼブルのいる空へ飛び上がる。
ベルゼブルの注意がレッドに集中している隙に、ピンクは必殺カードを発動。
北海道から召喚されたコロボックルが愛らしい雄叫びと共に「yokaiger」というロゴが入った白いボールに変身し、高く掲げられたピンクの手に収まる。
「いくわよっ、ヨーカイジャータイフーン!!」
ピンクが妖力を注ぎ込むと、ボールは爽やかで愛らしいピンクに染まる。
「勝くん!」
投げられたボールをシルバーが受け取り、気配を察したベルゼブルの目から放たれるビームを避けながら妖力を注ぎ込むと、ボールは力強く輝く銀色に染まる。
「千影!」
投げられたボールをライジュウに乗ったイエローが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは妖しく魅惑的な黄色に染まる。
イエローはブルーにパスを繋ごうとするが、ベルゼブルがレッドの攻撃をジグザグ飛行でかわしながらビームを連射してくるので、黄色いボールを持ったまま片手でのハンドル捌きでビームを避け続ける。
空中からビームを連射しているベルゼブルの頭上に突如、ピンクの「必殺妖技・肉球謝肉祭」による無数の肉球型エネルギー弾が降り注ぐ。
ベルゼブルは数発食らいながらも弾幕の外へ逃れ致命傷を避ける。
その隙にヨーカイジャータイーフーンのパス回しが再開されていた。
「武士!」
加速し駆け抜けながらのパスをブルーが受け取り、ボールに妖力を注ぎ込むと、ボールは鋭く吹き抜ける風のような青に染まる。
「智和!」
真っ直ぐに飛んできたボールをグリーンが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは知性の奥に秘められた情熱を思わせる緑に染まる。
「拓実!」
空中のレッドがボールを受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは勇気と正義を象徴する赤に染まり、更にカラステングの翼を思わせる装飾が現れる。
レッドはボールを真上に投げ、ジャンプでそれを追い抜き立体回転からのオーバーヘッドキックを放つ。
「必殺妖技・爆裂暴風球!!」
レッドより高い空中にいるベルゼブルに渦巻く風を伴う超高速のボールが襲い掛かる。
ベルゼブルはレッドの動きを真似た立体回転からのオーバーヘッドキックでそれを蹴り返す。
蹴り返したボールの重さに足を軋ませながらも、その蹴りは正確な軌道でボールを地上のピンクへ向かわせる。
ピンクがヌリカベの能力カードを取り出すより早く、イエローを乗せたライジュウがボールの軌道を捉え、ハイジャンプからの体当たりでボールを弾き飛ばす。
弾き飛ばされたボールはブルーとシルバーによるダブルキックで勢いを増しながらグリーンの方へ。
そしてグリーンがガチコンハンマーのフルスイングでボールを上空のベルゼブル目掛けて打ち上げる。
「うおりゃああああああああああああああああああ!?」
「HAHHHH!?」
ベルゼブルはボディへの直撃により蓄積されたパワーの全てを食らいながら更に空高くまで押し上げられていく。
太陽光の反射による銀色の光が見えなくなり始めたところで大爆発が起き、ボールはピンクの掌にふわりと舞い戻ってコロボックルの姿に戻る。
「今日はすっごくお疲れ様!」
「ちゅぴぴぴぴー!」
コロボックルは元いた北海道に転送され、空高くから落下してきたベルゼブルによりアスファルトの地面が砕け飛ぶ。
「どうだ!」
「いいねえ…Agaるねぇ…」
ベルゼブルはふらつく足で立ち上がり、魔力により髑髏型マイクを生成する。
「デビル デビレバ デビルトキ デルモデナイモ アクマデモ 俺様もバイブス、ブチ上げるZE!!」
ベルゼブルが巨大化。
それによりこれまで受けた傷も回復している。
「さあヨーカイジャー! これがガチもガチの、最後の勝負だZE!」
「最後の勝負か…」
レッドは取り出した召喚カードをしばし見つめ、普段より力の入った手つきでムゲンブレスに入れる。
「サモン、オールフレンズ!!!!!」
6人揃っての掛け声。
ヨーカイジャーとベルゼブルの周囲に16体の巨大妖怪が降臨した。
《ベルゼブル、今日こそ決着つけてやる!》
《お主は敵ながら天晴れと言うべきところもある。じゃが! 敵は敵じゃ!》
《失われた命は例え時を戻しても救うことができない。世界の掟を巨大化という形で蔑ろにする君を、ここで叩きのめすのも悪くないだろう》
《コンコン!》
《……あ、『叩きのめす』は悪者っぽかったか。その意見、今後の参考にしよう》
パートナー妖怪達が目からビームを発してヨーカイジャーをコクピットに転送。
「いくぜ!」
「究極夢幻合体!!!!!!」
レッドがムゲンブレスに合体カードを入れると、巨大妖怪達が眩い光を放ちながら浮き上がり変形を開始。
巨大ベルゼブルは眩い光に目を塞ぎながら、
「COOLだZE…」
と呟く。
ダイダラスが頭部、左前足、右前足、左後ろ足、右後ろ足、胴体左前部、胴体右前部、胴体左後部、胴体右後部の9つのパーツに分離する。
カラステングの両腕がスライドして背中に回り、両足は折り畳まれる。
メガガッパーの両腕が引っ込み、甲羅が上にスライドして体の下半分が2本の足の形状になったところでカラステングの体の下に合体する。
ゲキリンダーの両前足と尾が分離し、後ろ足と首が背中側へ折り畳まれ、体全体が垂直に起き上がり、メガガッパーが形成している左足の下に合体、その下にダイダラスの右後部パーツが合体して「左足」となる。
キュービルンの体が前部と後部で半分に分離し、前部はダイダラスの左後部パーツの前面に合体、後部は背面に合体。
アミキリの尻尾が外れ、体全体が垂直の姿勢になり、体の前方4分の1程の部分が前に倒れ、180°回転し、外れていた尻尾が背面上部に付いて、メガガッパーが形成している左足の下に合体、その下にダイダラスの右後部パーツが合体して「右足」となる。
ユキオンナの体が前部と後部で半分に分離、前部はダイダラスの右後部パーツの前面に合体、後部は背面に合体。
ダイダラスの右前足と右後ろ足が合体した物がカラステングの右肩部分に合体、先端部のジョイントに剣の付いた腕に変形したカマイタチが合体、上腕部にイッタンモメンが合体。
ダイダラスの左前足と左後ろ足が合体した物がカラステングの左肩部分に合体、先端部のジョイントに大型の拳が付いた腕に変形したユキオトコが合体、上腕部にヌリカベが合体。
ブルクダンの四肢と尻尾が折り畳まれながら体全体が直立、カラステングと背中合わせになる形で合体。
ダイダラスの左後部パーツがブルクダンの左のジョイント部分に、右のジョイント部分に右後部パーツが合体。
銃が付いた腕に変形したカシャを外側、爪が付いた腕の形に変形したネコマタンを内側にしてダイダラスの右後部パーツの上に合体。
ガトリング砲の付いた腕に変形したオボログルマを外側、槍の付いた腕に変形したライジュウを内側にしてダイダラスの左後部パーツの上に合体。
ダイダラスの頭部の後ろから1つパーツが分離し、頭部はカラステングの胸部分に合体。
カラステングの口が大きく開いて中から人型の顔が現れ、ダイダラスの頭部から分離したパーツを兜のように被り、兜の左右にゲキリンダーの両前足、中央上部にゲキリンダーの尾が合体。
カラステングのコクピットに6つ目の座席が現れ、レッド以外の5人が転送されてきて全員が揃う。
「完成、究極合体巨人、ゴッドムゲンオー!!!!!!」
6人が声を揃えて叫ぶと、ゴッドムゲンオーは全身に纏う輝きと共に右腕の剣を天に掲げてポーズを決める。
「それがお前らの最高戦力……Coolだぜ!」
巨大ベルゼブルが目からビームを連射しながら走り出す。
ゴッドムゲンオーは左腕の盾でバリアを張りながら進撃を開始。
ゴッドムゲンオーの剣の間合いに入る直前、巨大ベルゼブルは空中へ飛び上がり、ゴッドムゲンオーの頭上を螺旋状に飛び回りながらビームを連射。
ゴッドムゲンオーはこれもバリアで防ぐが、バリアの耐久力も無限ではない。
防御を解除し、砲台と化している4体の妖怪による一斉放射。
巨大ベルゼブルは両腕をクロスさせ防御しながら高度を上げる。
「次はこいつら!!」
レッドが操縦桿を引くと、ゴッドムゲンオーは右腕を振り抜いてイッタンモメンをミサイルのように、左腕を振り抜いてヌリカベを手裏剣のように飛ばす。
巨大ベルゼブルは避けきれず2連続の直撃をボディに抉り込まれる。
「ぐふぁっ……なるほどこういうのもアリか」
巨大ベルゼブルが着地、同時にイッタンモメンとヌリカベがゴッドムゲンオーに再び合体。
巨大ベルゼブルがダメージを振り払うようにアスファルトを踏みしめ、地響きと共に助走をつけての右ストレートを繰り出す。
ゴッドムゲンオーは左拳で応戦。
拳と拳がぶつかり合うと、巨大ベルゼブルの右拳から手首までが瞬時に凍りつく。
巨大ベルゼブルはここぞとばかりに目からビームを連射。
至近距離から顔面に浴びせられるビームは、ヨーカイジャーが乗っているコクピットをダイレクトに揺るがせる。
「うわあああああああああ!!!!」
「無茶な攻撃でござる!!」
「そうだ青! レヴィアタンとグレモリーが残した資料で読んだぜ。お前、レヴィアタンに一度技を破られたが、命懸けの大技を編み出して、レヴィアタンを巨大軍艦バジマもろともぶった斬ったんだってな。俺のマイメンと全力以上で戦ってくれてTHANK YOUだZE!」
「ほう、まさかお主に礼を言われるとはのぅ。拙者はまた、そのマイメンの弔い合戦とばかりに物凄い攻撃を仕掛けてくるのかと思ったでござる」
「もちろんそれもやるZE!!」
巨大ベルゼブルは凍りついた右拳がゴッドムゲンオーの左拳とくっついて固定されたまま、左拳でゴッドムゲンオーの鳩尾にあたる部分に重い一撃を捩り込む。
《うぅっ…》
しゃべっている間は止めていた目からビームも再開。
再びコクピットにダイレクトな衝撃が伝わる。
「このままじゃやべぇ……」
「この至近距離だと……よし!」
グリーンの脳内に窮地を脱するための道が開く。
「まずはユキオトコを分離!」
《ウホウホ!》
左腕のユキオトコが分離。
突然バランスが崩れ巨大ベルゼブルの体幹が乱れる。
「そしてダイダラス!」
《ガオオオオン!!!》
胸のダイダラスが吠えると、地面から槍のように尖った岩が隆起し、巨大ベルゼブルの顎を砕く。
「ぐふぉっ!?」
怯ませたところで砲台と化しているカシャが威力を調整した火球を発射。
拳の氷が溶かされ、ユキオトコは再びゴッドムゲンオーの左腕に戻る。
巨大ベルゼブルは氷を溶かされた手を見つめる。
普通の生物なら急激な温度変化により細胞が破壊されていたところだが、巨大ベルゼブルは蒸気が立ち上る手をすぐにいつも通り動かせるようになる。
「CoolにもHotにもなれるってか? やっぱお前面白ぇYO! 着いてこい!!」
巨大ベルゼブルは激しい羽音と突風を撒き散らしながら超高速で空高く飛び上がる。
ゴッドムゲンオーもそれを追い空へ。
巨大ベルゼブルの背後から砲台妖怪達による4種類の飛び道具を連射。
巨大ベルゼブルは巨大戦でもハエのように四方八方へ自由自在に飛び回ってこれらをかわし、宙返りから向きを変えて目からビームを連射。
ゴッドムゲンオーが左腕の盾でこれを防ぎ、また巨大ベルゼブルに目を向けた時、巨大ベルゼブルは5体に増えていた。
「分身した!?」
5方向から一斉に襲い掛かる。
ゴッドムゲンオーは剣を振り下ろすが、当てたはずの攻撃に手応えは無く、別の方向からの蹴りによる衝撃でコクピットごと震わされ、更にまた別の方向から来た巨大ベルゼブルに飛び道具を連射するがまた別の方向からビームを当てられボディに火花が散る。
「智和くんこれどういうこと!?」
「恐らくベルゼブルの動きが速すぎて、俺達の目が追い付かないから増えて見えるんだろう」
「残像を利用した分身でござるな?」
「だったら……キュービルン!」
《コンコーン!!》
イエローの声に反応し、左足にいるキュービルンが光に包まれ、ゴッドムゲンオーの幻影を4体作り出す。
「どう? これで同じ数!」
「いいねぇ……だが俺様は!!」
巨大ベルゼブルは更に加速して分身と本体合わせて13体になる
「もっと増えるZE!!」
「だったら俺達も……」
《ココンココンコン!》
ゴッドムゲンオーも同じく、分身と本体合わせて13体になる。
その間にグリーンがシルバーに小声で作戦を伝える。
「お前ら最高だZE! チェケラ!!」
13体と13体、両者右手を構えて高速飛行。
ゴッドムゲンオーの剣と巨大ベルゼブルの拳が全ての分身をかき消す。
「勝、今だ!!」
「よっしゃあ!!」
真上数十メートル、そこに拳を突き出した本物の巨大ベルゼブルがいる。
ゴッドムゲンオーはそこへ照準を合わせ、シルバーがムゲンショーグンで使ったことのある必殺カードを発動する。
ゴッドムゲンオーの妖力が砲台化しているカシャとオボログルマに集中し、それぞれの色に光輝くエネルギーへと変換されていく。
「やっぱりゴッドムゲンオーでもできるんだな! 必殺大妖技・銀炎魔燃弾!!!!!」
カシャから通常の10倍以上の大きさの火球、オボログルマから高熱を纏った弾丸を超高速で連続発射。
「何ッ!?」
不意の高火力に反応が遅れ、巨大ベルゼブルは火球と弾丸の連射を全身に食らう。
「お前ら……熱いZE……ヨーカイジャー……ゴッドムゲンオー……お前らに最高最強究極の…………リスペクトを与えるZE! チェケラ!!」
大爆発。
巨大ベルゼブルは巨大なまま落下。
人々の避難が完了した都市に、ビルを1棟巻き込みながら仰向けで倒れる。
ゴッドムゲンオーがゆっくりと着地。
瓦礫の上に寝そべる巨大ベルゼブルを見下ろす。
「地球の空も、意外と高かったんだなぁ」
「デモンダイムの空は?」
レッドが軽口を返す。
「デモンダイムの空は、こっちより高いZE。こんなに明るくはないがな」
「こっちの空のほうがいいだろ?」
「いや、あっちのほうがいいZE。つーか、何普通に話してんだYO。さっさととどめ刺せ」
「は?」
「俺様の負けだ。これで生きてるほうが恥だYO!」
「つまりお前は、殺されたほうが幸せなんだな?」
「そういうこった。早くやれYO」
「じゃあ殺さねえ」
「あ?」
「お前を幸せにしてやるわけねえだろ」
ゴッドムゲンオーとヨーカイジャー全員が頷く。
「あああああ!?」
「なあ智和、こいつもグレモリーみたいに妖怪刑務所?」
「そうだな。グレモリーは妖怪女子刑務所だから、同じ所に入るわけじゃないが」
「そういやグレモリーのやつは元気か?」
「ああ。元々好きだった妖怪をもっと好きになったとかで、刑務所の妖怪達と仲良くやってるよ」
「そうか、そいつは良かった」
「ただお前の場合、手足は常に拘束、目からビームも出せないように器具を着けた状態で生活させるから、グレモリーみたいに楽しくはやってけないだろうがな」
「つまり、そこ入ったらただ生きてるだけになるってことか?」
「ほぼそんな感じだな。しゃべる気になったら、持ってる悪魔の情報をしゃべってもらったりはするが」
「ほ~……」
「じゃ、連行しやすいように元の大きさに戻ってくれ」
「なら5時間待ってろ」
「そんなに掛からないだろ?」
「当ったり前だYO!!」
巨大ベルゼブルは余力の全てで翅を震わせ、大量の土埃を巻き上げながら飛び上がる。
《うわゲホッ! ゲホッ! てめぇ!!》
「HA! んな生きてんのか死んでんのかわかんねぇ生活、真っ平ゴメンのきんぴらごぼうだYO!」
「言葉の意味はよくわからぬが、とにかくすごく語呂が良い」
「妖怪刑務所? んなトコ入ってやんねぇYO! だが約束してやる。もう人間にも妖怪にも危害は加えねぇ。そいつがお前らに負けた俺様のケジメであり、お前らへのリスペクトの証だZE!」
「そっかぁ…」
レッドは言わずもがな、他のヨーカイジャーや妖怪達も、巨大ベルゼブルのその言葉は不思議なほど信用できる気がした。
「だがな! サタン様は必ずお目覚めになる! そんときゃお前ら人間も妖怪も、全員死ぬ! そんときまでにそうだな、前にお前らが俺様への手紙を預けたあの店。あそこの肉まんうめぇから絶対食っとけYO!」
「そこ中華丼はある?」
「ああ、うめぇのがあるZE!」
「だったら行く。肉まんも食う!」
「おう絶対だZE!」
巨大ベルゼブルは手の震えをノリと気合いで止め、捻り出した魔力で髑髏型のマイクを生成する。
「YO! ガチでつええよヨーカイジャー! マジで俺様完敗じゃん!? 戦い終われば乾杯だ! お前らCoolな戦隊だ! 互いのFightをリスペクト 認めてAgeてくコンセプト さよならだけど、終わりじゃねーぜ? 残酷でもねえ悪魔のテーゼ!Say! Ho~?」
「Ho~!」
「Ho! Ho! Ho! Ho!?」
「Ho! Ho! Ho! Ho!」
「Ho! Ho! Ho! Ho!?」
「Ho! Ho! Ho! Ho!」
「チェケラ!!」
巨大ベルゼブルとヨーカイジャーは、「チェケラ!」の形の手を高く掲げる。
その手の形ができないゴッドムゲンオーも、右手の剣を高く掲げる。
巨大ベルゼブルは命を懸けて渡り合った宿敵達に脊を向け、巨大な羽音を立てて飛び立った。
その背中を見送るヨーカイジャーと妖怪達の中に心地よい寂しさが漂い始めたその時、遥か上空からどす黒い閃光が降り注ぎ、それを浴びた巨大ベルゼブルは力無く地面に身体を落とした。
「ベルゼブル!!!!」
思わず叫んだレッドの目にモニター越しに映ったのは──
不死鳥を思わせる頭部と翼と両腕、歌劇団の王子役を思わせる服装、タコの足のような物を首に掛け、両肩から牛の角のような物が生えており、両足も牛の足のように屈強な蹄を備えている。
右腰には白い和風の城のようなジャミリアーカプセル、左腰には人形浄瑠璃の人形のようなデビルギー容器。
その悪魔は地上の悲痛な沈黙を見下ろしながら悠々と高度を下げ、地に足を着ける。
「我が名はアーリマン。サタン様のご意志により、新たな地球侵攻管理官の任を仰せつかった」
その声は女のようにも若い男のようにも聞こえる。
「アーリマン…」
レッドの操縦桿を握る手に熱の込もった汗が滲む。
巨大ベルゼブルは俯せに倒れたまま、土埃に霞んだ視覚をアーリマンに向ける。
「クソガキが……いつの間に生きたまま巨大化できるようになった?」
「こんな魔法、いつまでも自分だけの物だと思うな」
冷たい視線が黒い閃光に焼かれた傷を疼かせる。
「テメェ……俺様がどれだけ目を掛けてやったか……」
「這いつくばりながら先輩面されてもな。……昔のあなたはかっこよかった。サタン様の元で軍を率い戦う、勇猛にして華麗なるその姿はまさに『高貴なる王』! だが今は!! リスペクトなどという低俗な下等生物どもの文化にかぶれた、『クソ山の王』だああああああああああ!!!!!!」
アーリマンは屈強な蹄を備えた足で巨大ベルゼブルの頭を踏みつける。
巨大ベルゼブルは瓦礫の欠片を握りしめ、立ち上がらない体を震わせる。
「サタン様……すみません……俺様が不甲斐ないせいで、こんなバカを地球に寄越すことになっちまったんですね……」
「そうだ。貴様が不甲斐ないせいで、私がこんなゴミ臭い世界に来ることになってしまったのだ」
「足をどけろ…」
思わず零れたレッドの声。
アーリマンは冷たい視線をゴッドムゲンオーに移す。
「何だと?」
「足をどけろ…」
「拓実、落ち着け」
「足をどけろおおおおおおおお!!!!!!」
アーリマンは巨大ベルゼブルの顔面を蹴り上げ、銀色の巨体をゴッドムゲンオーの足元まで吹っ飛ばす。
「どけてやったぞ」
「うわああああああああああああ!!!!」
レッドが叫びと共に操縦桿を押し倒す。
その意思の強さに、ゴッドムゲンオーの足が本体の意思を振り切ってアーリマンに向け走り出した……が、次の瞬間、その足は蹴り飛ばされ地面に突っ伏していた巨大ベルゼブルにかろうじて残されていた腕力によって止められた。
「ヨーカイジャー……気をつけろ、奴にリスペクトの概念は無ぇ。奴はまさにお前ら人間がイメージする、『悪魔』そのものだ」
「死に損ないが下等生物と何を馴れ合っている。貴様もその下等生物どもと同じ、サタン様の復活に貢献できなければ何の価値も無い、無意味な命だ」
また操縦桿を倒そうとする手を両隣のグリーンとイエローが押さえる。
「落ち着け。奴も悪魔の幹部だ。戦いのダメージが残っているゴッドムゲンオーでは、勝てる保証は無い」
「それにあいつは、ベルゼブルが『気をつけろ』って言うほどの悪魔なんだよ。今は、戦わずに終われるならそのほうがいい」
その会話が聞こえたのか否か、アーリマンは自分の翼から羽根を1本抜き取り、それを燃え上がる炎の意匠を表す剣に変化させる。
「ヨーカイジャーと言ったな。そいつを寄越せ。トドメを刺す手間を省いてやる。まあ尤も、ここで中途半端に生きたままもがき苦しみ、サタン様への謝罪の言葉を呟きながら腐り果てていくというのも、下等生物に堕ちたクソ山の王にはお似合いの死に方だろうがな!!」
「うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
再び操縦桿が押し倒され、ゴッドムゲンオーは走り出す。
「拓実! 挑発に乗るな!」
「ゴッドムゲンオー! お願い止まって!」
《だめだ! 拓実の意思が強すぎる!》
盾やバリアで防御を固めることもせず、戦いの傷が残る体で、ゴッドムゲンオーは剣を振り上げアーリマンに走る。
アーリマンは軽く剣を構え、ゴッドムゲンオーのがら空きの胸部に狙いを定め一歩を踏み出す。
濁った風が吹き抜ける街に、肉を貫く鈍い音が響く。
動かない足を動かし、間合いに割り込んだ巨大ベルゼブルの胸が貫かれ、その切っ先がゴッドムゲンオーに届くことは無かった。
「最後に言い残すことは?」
「……テメェ、肉まん食ったことあるか?」
「くだらん」
剣を引き抜き、羽根に戻して投げ捨てる。
ベルゼブルは静かに膝を着き、後ろのゴッドムゲンオーにあの手の形を見せ、倒れる。
左足にいるキュービルンが分離し、倒れたベルゼブルにそっと手を置き、少しの沈黙の後、何も言わずに左足に戻った。
「ゲキリンダー、答えはわかってるけど聞く。時を戻して、ベルゼブルを助けてくれないか」
《前にも話したが、例え時を戻しても、失われた命を救うことはできない。戻した分の時が過ぎれば、また同じように死を迎えることになる。命とは…》
「魂とは、そういうもの…だったよな」
《ああ、だから…》
「うん」
アーリマンは翼をはためかせ、また悠々と空へ舞い上がる。
「ヨーカイジャー、今日のところはこれで見逃してやろう」
文字通りの上から目線で放たれる言葉。
グリーンにはその裏にあるものが読み取れる。
「慣れない巨大化に疲れたから、休憩が必要になったんじゃないか?」
「何とでも言っていろ。貴様らは必ず…」
アーリマンは炎に包まれ、火の粉を撒き散らしながらどこかへ飛び去っていった。
モニター越しに見える、つい先程まで拳を交えていた相手の変わり果てた姿。
レッドのマスクの奥から、怒りの色は既に消えていた。
ブルーはレヴィアタンとの戦いを称賛されたあの声を魂の奥に反響させながら深く息を吐き出す。
「こやつの体、このまま晒し者にしておくわけにもいくまい」
グリーンはいつも以上に努めて冷静に応える。
「そうだな。胸を一突きにされて余分な力を加えられなかったから爆発しなかったんだろう。巨大な悪魔の姿を、一般の人達の目に触れさせるわけにもいかないし」
コクピット内にキュービルンの生成文字が浮かび上がる。
《わたしたちには いきたえたあくまを おほしさまに してあげるくらいの ちからなら まだ のこってる》
「よし…」
レッドが静かに操縦桿を倒す。
ゴッドムゲンオーはベルゼブルを抱き抱え、空高く飛び上がる。
雲を抜け、青空と太陽しか見えない高さに達したところで、ゴッドムゲンオーはベルゼブルをそっと空へ解き放つ。
レッドがムゲンブレスに必殺カードを入れると、ゴッドムゲンオーの全身を16色の妖力が駆け巡る。
「必殺大妖技…」
「夢幻魔終光!!!!!!」
6人で声を揃えて叫ぶと、ゴッドムゲンオーの全身から16色が混ざりあった光線が轟音と共に放たれ、空を震わせベルゼブルを包み込む。
銀色の身体に反射した光はより一層眩しく輝き、ベルゼブルは「∞」の形の閃光と共に爆散。
「ベルゼブル、銀色はオイラに任せろ」
「あんたもバイク、似合ってたかもね」
「お主もある意味では、サタンに仕える侍であった」
「ラップは素直に楽しかったよ」
「上に立つ者同士、もっと話しておけば良かったかな」
「ベルゼブル、絶対食いにいくよ。肉まんも、中華丼も。お前の好きな味を無くさないためにも、サタン復活はさせねえよ。何かの間違いでまた会えたりしたら、そんときは一緒に、旨いモン食いまくろうな! チェケラ!!!」
傷ついた街に、遥か空高くから銀色の光が雪のように降り注ぐ。
どこかからまた、あの軽快なリリックが聞こえてきそうな、そんな輝きを脊にしてゴッドムゲンオーは帰路に立つ。
【to be continue……】
本編を読んだ後は「ヨーカイジャー悪魔データベース」で、登場した悪魔の情報をチェックしよう!
https://ncode.syosetu.com/n9246jz/16
みんな、ヨーカイジャーとベルゼブルを応援してくれてありがとう!
チェケラ!!
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