僕のRe:color
これは僕の裏切りの物語
親愛なる友人の優しさや、その思いを
僕は裏切り彼を絶望させる。
「Re:cover」
もし仮に、瓜二つだが全く違う絵が2つあったとしよう。
本物の絵は未完成でありふれた絵
偽物の絵は完成された素晴らしい絵
無論、罰せられるべきは偽物の絵を描いた者だろう。
だが、偽物の絵が本物より遥かに評価されてしまったのも事実だった。
この偽物の絵を描いたのが僕
そして本物の絵を描いたのが僕がこの世でたった1人尊敬できる大切な友人
当然僕の起こした行動は彼を裏切ることになる。
そんなことはわかってた。
でもそれでいいんだ。
それが僕の、僕達の大いなる計画だから。
大いなる計画
その説明をするにはまず、僕の事を話さなければならない。
僕の高校時代を振り返るのは正直気が進まない。
なんせ、僕は高校の頃周りから酷いイジメを受け、完全に孤立していたからだ。
僕が虐められていた理由は僕の性格にある。
何をするにも無気力で、夢や生き甲斐がなくただただなんとなく生きてきた僕はいつからか周りから透明人間なんてあだ名を付けられ、イジメを受けていた。
そりゃ少しは堪えることもあったが[透明人間]からしたらそんなこと些細なもので特に辞めさせるつもりもなかった。
だけどある日、そんな僕でも1つだけ心から楽しめることを見つけれた。
なんとなく受けた選択授業の美術の授業で初めてきちんと人の絵というものを見た。
その絵は風景画で、その絵を見た瞬間、なんだかこう…僕の心がぎゅっとなった。
こんな絵を描けるなら…僕でも…透明人間の僕でも、自分の色というものを見つけられるかもしれない。
そう思って僕は、美術部に入り沢山の絵を見て、勉強し自分でも実際に絵を描いたりもした。
透明人間
色のない人
僕に
僕自身に色がないのなら、絵を描くことで僕の色を見つけよう。
そうして、絵を描くことに躍起になっていた頃に、僕は彼と出会った。
彼は僕の通っていた高校に転校してきて
彼も美術部に入った。
転校生なんて存在は軒並み噂になり、それが勝手にハードルになったりする。
だが彼はそんなハードルをものともしないくらいの素晴らしい風景画を、入部して1ヶ月足らずで描きあげた。
正直、彼の描く絵は本当に僕と同い年の人が描いたとは思えないくらい素晴らしい物だった。
彼の絵を見た時も僕が初めてあの絵を見た感覚と似たような感覚になったのを今でも覚えている。
そして、それと同時にこれは僕の勝手だが、彼とのレベルの違いに内心焦った。
僕と同じ風景を描いた絵なのに、僕なんかの絵は彼の足元にも及ばなかった。
やっぱり無理なのかもしれない…こんなんじゃ僕の色を見つけれるわけが無い。
そう…勝手に。
ある日の部活中、彼は僕に話しかけて来た。
彼「なぁ、お前いじめられてんだろ」
僕「え?」
それが彼との初めての会話だった。
僕「あの、多分君と話すの初めてだよね?」
彼「あぁーそういやそうだな」
僕「初めましてで早速人が触れてほしくないない事を聞く?普通?」
彼「あ、わりぃわりぃ悪気があったわけじゃねぇんだ
ただ何となくお前のことずっと見てて、ついな」
僕「僕のことを?君が?なんで?」
彼「んーなんでだろうなーお前ってさめちゃくちゃ暗いし何考えてるかわかんねぇしで取っ付き難いやつなんだろうなーって思ってたんだけどよ」
僕「…君は凄くストレートに話をするね」
彼「まぁなんつーか絵を描いてる時だけは、いつもと雰囲気が違うよな」
僕「なっ…!?」
正直彼が僕をずっと見ていたってことだけでもびっくりしたけど、そんなことを言われたのは初めてだからこの時は凄く驚いた。
彼「お前なんで絵を描いてんの?なんか夢でもあんの?」
僕「いや、まぁ…夢っていうか…そんなんじゃないけど…」
彼「なんだよ」
僕「その…僕が周りからなんて言われてるか知ってる?」
彼「ん?あぁ透明人間ってやつ?あれ名付けたやつセンスいいよな」
僕「…」
彼「あ、わりぃ」
僕「いや、いいよ」
彼「そんで?その透明人間と絵を描く理由なんか繋がりあんの?」
僕「…笑うなよ?」
彼「なんだよ笑わねぇよ」
僕「透明人間の僕でも絵を描く事で僕の色を描けたら…って」
彼「お前の色を…描く?」
僕「う、うん」
彼「ふっ…」
僕「笑うなよ!」
彼「あーいやわりぃわりぃ別にバカにしてるわけじゃねぇんだ」
僕「ほんとかよ…」
彼「本当だって、自分の色を描く…かぁ…なるほどなぁ…」
僕「な、なに?」
彼「絵って本来そういうもんなのかもな」
僕「え?」
彼「正直考えたことも無かったわそんなの、でもそっか…お前の考えも一理あるかもなぁ…ふふっお前気に入ったわ」
僕「なんだよ急に…」
彼「なぁ、お前友達いねぇだろ?」
僕「だからなんだよ急に…まぁ…居ないけど…」
彼「よぉしじゃあお前俺と友達になれ!透明人間!」
僕「はぁ?」
彼「そんでよ!俺の計画に付き合え!!!」
この時の彼との出会いが、後に僕に大きな決断をさせて、僕の人生を大きく変えることになる。




