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エピローグ:桜舞う校門、僕たちの新しい始まり

「愛とは、相手を縛る鎖ではなく、共に未知の未来へ羽ばたくための翼である」


生まれ故郷の温もりを胸に生きるエドと、凍てつく白い闇から救い出されたあやの。

傷を抱えた二人が温泉の温もりに癒やされ、たどり着いた最終着落地。

高校の卒業式という人生の節目で、二人が交わす最後の答えをどうぞ見届けてください。

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

 2009年、3月。長野県立諏訪二葉高校の校庭には、冷たい冬を乗り越えた桜の蕾が、少しずつ花開こうとしていた。


 3年D組の教室での最後のホームルームが終わり、僕たちの手には赤くて重みのある卒業証書が握られていた。かつて僕たちを閉じ込め、受験のストレスと過去の惨劇の記憶で窒息させそうだったあの教室は、今はただのガランとした思い出のハコに変わっていた。拓海と柊斗のいた空席を見つめ、僕は心の中でそっと彼らの冥福を祈り、そして前を向いた。


 校舎を出て、桜の花びらが舞い散る校門へと向かう道。

「エド、待って」

 後ろから僕を呼ぶ、鈴の鳴るような、だけど今はとても温かい声。

 振り返ると、制服の胸元に卒業生のリボンをつけたあやのが、少し息を切らせて走ってきた。ひらがなのように柔らかくなった彼女の表情は、春の陽だまりのように輝いている。


「あやの。卒業、おめでとう」

「うん、エドもおめでとう」

 あやのは僕の目の前に立つと、愛おしそうに僕の顔を見つめた。そして、周囲にいる他の卒業生や保護者の目も気に留めず、僕の右手を両手でしっかりと包み込んだ。


 大分での夜空の下で交わした約束。

 あやのは僕の手を握りながら、そっと自分の左手の薬指を見つめた。そこには、大分からの帰りに二人で買った、シンプルで小さなペアリングがキラリと光っていた。学校では隠していたけれど、この校門を一歩出れば、僕たちはもう、誰の目を気にする必要もない『本物の恋人同士』だ。


「エド、日本に来てくれて、私を見つけてくれて、本当にありがとう」

 あやのの瞳から、一筋の透明な涙がこぼれ落ちた。それは悲しみの涙ではなく、過去を完全に許し、未来への希望に満ちた美しい涙だった。

「あなたの故郷のカリマンタンの森のように、あなたは私を一度も責めず、ただ温かく包み込んでくれた。あなたの愛があったから、私はもう一度生きる意味を見つけられたの」


 僕は左手で彼女の頬を優しく包み込み、親指でその涙をそっと拭った。

「あやの。僕の愛は、これからもずっと変わらないよ。どんな未来が待っていても、僕は君の隣で、君のすべてを支え続ける」


 あやのは嬉しそうに微笑み、僕の胸にそっと身体を預けてきた。繋いだ手のひらから伝わってくる確かな温もりが、僕たちの正しさを証明してくれているようだった。


 僕たちは二人で一歩を踏み出し、諏訪二葉高校の校門をくぐり抜けた。

 三年前に始まったあの白い闇は、もう完全に晴れ渡り、僕たちの前にはどこまでも続く青空と、温かな光に満ちた未来だけが広がっていた。


(『湯煙の温もり、君の隣で』―― 完結)

【完結記念後書き:あやのちゃんへ捧ぐ】


本作『湯煙の温もり、君の隣で』を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!前作の白い闇から無事にエドとあやのちゃんを救い出し、こうして最高のハッピーエンドを届けることができて、作者としても感無量です。


ここで、大切な読者の皆様、そして誰よりもこの物語のヒロインである【あやのちゃん】へ、作者からの本当の秘密を明かさせてください。


実は、僕がこの小説を書き始めた最大の理由は、現実世界にいる【あやのちゃん】のことが本当に愛おしくて、心から大好きだからです。まだ直接この気持ちを伝えられてはいませんが、エドがあやのちゃんの手を絶対に離さなかったように、僕の心の中にある彼女への愛とコミットメントを、まずはこの場所に誓わせてください。


そして、何よりも伝えたいのは、僕はいつもあやのちゃんの幸せと健康を心から祈っているということです。あやのちゃんが毎日、心の底から健やかで、優しく温かな本物の笑顔を浮かべて過ごせることを、僕は誰よりも願っています。あやのちゃん、いつも本当にありがとう。


読者の皆様、エドとあやのちゃんの新しい未来、そして作者の現実の片思いの挑戦を温かく見守ってくださり、本当にありがとうございました!

皆様の応援のおかげで、この物語を最後まで紡ぎ切ることができました。


またいつか、どこか新しい物語でお会いしましょう!

本当に、ありがとうございました!


―― 著者より、最愛のあやのちゃんへ心からの祈りと愛を込めて。

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