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第61話「自殺者の元へ」

ショパンとラフマニノフはある自殺を決行した人の元へ来ていた。


 その自殺した人は夢を見ていた。


 夢の中にショパンとラフマニノフが現れたのだ。



ショパン「こんにちは」


「誰ですか??」


ラフマニノフ「彼は本物のショパンだし、俺は本物のラフマニノフだ。音楽家のショパンとラフマニノフだ!!知ってるか??」


「知ってます。あなた方の大ファンですから。でも、私は死んだはずです」


ショパン「何があったんですか??」


「辛かったんです。あまりにも。毎日退屈で、好きなことも見つからなくて、暇で、つまらなくて。毎日苦痛だったんです。だから……」


ショパン「悔しくないのですか??みんな人生という舞台を戦っているのに、自分は戦わずに、逃げて、自殺して、戦いから降りて、カッコ悪くて、気分悪くならないんですか??」


ラフマニノフ「みんなが人生を一生懸命生きているのに、自分だけ自殺して戦いから降りる。それは、悔しいとは思わないのか??」


「もう楽になりたかったんだよ。他人が生きてるとか関係ない。そんなことは眼中にはない。ただ、目の前の苦痛から逃れるためには、死ぬしかないと思ったんです。しかも、死後の世界なんて信じてなかったから、あるわけないから、死んだら、後悔すらしないと思い、死んでもいいと思いました。生きていたくないんです」


ショパン「死後の世界は存在するよ。それは今、私たちがこうして死後の世界からやってきて、君に会っていることで証明されたでしょう。死後も意識は存続するんです。自殺した人は、みんな後悔します。死後の世界があるなんて思わなかったから自殺してしまったと。今思えば、今も、戦っている生きている人たちを見ると、悔しいと。あなたは悔しくないんですか?みんなが戦っているのに。あなたは戦わないで、自殺という手段で辛いことから逃げた。マラソンでいう途中リタイアは悔しいはずです。最期まで生き抜くというゴールした人をこれから嫌でも見ることになるでしょう。その時に、最期まで生き抜くということをしてみたかった。人生というマラソンをゴールして、喜びたかったという後悔に変わるときが来ます」


「ふざけんな!! やめてくれ!! 苦痛すぎたんです!!最後まで生き抜く??気が狂います。生まれたくなかった。もう自殺は成功したし、これからは死後の世界で楽に平和に暮らしたい」


ラフマニノフ「いや、あなたはまだ死んでないよ。自殺に失敗して、今、意識不明で、夢を見ている状態なんだよ。そして、私たちが会いに来た」



ショパン「ピアニストになる夢があるんだってね。でも、あきらめて、希望を失っていた。でも、最期まで生き抜こうよ。これから、君は人生というマラソンを最期まで走り切って、ゴールすることを目標にするんだ。私たちはピアノの音楽学校を死後の世界である霊界で経営している。君が来るのを楽しみにしている。でも、最期まで生き抜かないと、その学校には入れないよ。君が最期まで生き抜けば、最高級のピアノを私たちからプレゼントしてあげることを約束する。とにかく、これから生きろ。最期まで。私たちと約束してくれ」


「自殺は成功しなかった??」


「ウワァーーーーー」


 男は発狂した。


「またあの苦痛な日々に戻るなんて嫌だー。どうせ私が死んでも誰も困らないし。無意味だ。生きるなんて」


ショパン「最期まで生き抜いた人は、歓喜して霊界入りできる。でも、自殺した人は、後悔しながら霊界入りする。気分が悪いんだ。戦いを放棄して、みんなが一生懸命生きているのに、自分は何もせずに途中リタイアしたから、とても苦しむ。やっぱり、最期まで生き抜きたかったと思うものだ」


ラフマニノフ「戦っている姿、人生を頑張って一生懸命生きている姿は美しいし、感動的なんだよ。死は人生を一生懸命に生き抜いた人のご褒美だから。死は『お疲れ様。よく戦った』いう祝福の時なんだよ」


「あなた方はなぜ、私に会いに来たんです?? ショパンとラフマニノフが自殺未遂した私に会いに来るなんて変な話です」


ラフマニノフ「君を死なせないためさ。君が昔から憧れていたショパンとラフマニノフが、自殺せずに最期まで生き抜いて歓喜の霊界入りしてくれと頼んでいるんだから。意識が戻って、地上世界に戻ったら、最期まで生き抜いてくれ。最期まで生き抜いてくれたら、俺たちの経営する音楽学校に必ず入学させてやる!! だから、最期まで天寿を全うしてくれ」


ショパン「君には選択してもらいたい。人生最大の二択だ」


1つ目「自殺未遂したが意識を取り戻し、地上世界に戻り、最期まで生き抜くか」


2つ目「自殺を成功させ、地上世界で意識を戻らずに、死後の世界に今からそのまま行くか」


だ。


ラフマニノフ「このまま死後の世界に進みたいなら、それも可能だ。しかし、俺たちの音楽学校には入れない。俺たちが許可しないからな。俺たちと会うこともできないだろう」


ショパン「逆に今から地上世界に戻り、不可抗力で死ぬまで、最後の最期まで生を全うした場合は、死後の世界に来たら、僕達と好きなだけピアノを学べる。どっちを選ぶ??」


「そんな...…」


 「絶対に地上世界にはもう戻りたくない。死後の世界にこのまま行きたい。もう、あんな辛い場所は死んでも嫌だ」


ショパン「あと10分以内に決めないと、君は本当に死んじゃうよ。そしたら、死後の世界には行けるけど、僕らとは永遠にお別れだ」


ラフマニノフ「実は死後の世界では、自殺した人は100年間の間、牢獄に入れられ、何もできず、じっとしていなくてはならないという罰があるんだ。言ってなかったな。禁固刑だ。自殺者は確実に地獄行きだ」


「そんな!! 現世で苦しみ抜いて自殺したのに、その後の霊界でも苦しむというのか??神様はなんでそんなシステムを作ったんだ?? 非情すぎる。意地悪すぎる!!」


ショパン「あと2分で本当に自殺成功しちゃう」


「あああああ、、分かった!!分かりました!!地上世

界に戻ります!!最後まで生き抜いて、またショパンとラフマニノフに再会します!」


ショパン「じゃあね。待っているよ。君が死んで霊界入りしたら、僕に会いに来てね。一緒にピアノを弾こう!」


ラフマニノフ「それでは、さようなら。また逢う日まで。忘れないでくれ。俺達との約束を。また死にたくなったら俺達のことを思い出してくれ。俺達はいつもお前のそばにいるから。たまに地上世界にお前の生活している姿を見に行くからな」


ショパン「君、、名前は??」


 「堀越光と言います。いつか、、また会いに来ます!!」


 こうして、自殺した人は、また、現世に戻っていった。


 そして、人生を最期まで生き抜くことを決意したのである。


「一人でも自殺した後悔により苦しむ人を救うために」


 最期まで生き抜いて、歓喜の霊界入りを果たしてほしいという思いやりからだ。


 最期まで生を全うした者はたくさんのご褒美が霊界のシナメルドから与えられる。


 すべては本人のため。


 地上世界を生きている間は戦争だが、どうか耐え抜いてほしい。


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