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第50話「ショパンのために」

ラフマニノフはとても焦っていた。


 ショパンが今から1年以内に消滅するかもしれない。


 それを回避するには、音楽学校の夢、音楽の仕事をあきらめなくてはならない。どちらも茨の道だ。


 ラフマニノフは知り合いの宇宙の神「ミヤザワトモヒデ」に相談した。


ラフマニノフ「誓い確定機に以前、ショパンと共にパートナーになり、永遠に一緒にいると誓い合いました。それは、確定されたのか聞きたくて、あなたを尋ねました……」


 ラフマニノフはミヤザワトモヒデにショパンのことを全て話した。


ミヤザワトモヒデ「誓い確定機に誓った内容を確定させるかは、私が決めることだ。ただ、誓い確定機による別名『宿命確定機』に宿命を決定させたければ、誓った本人による『ジョーカーゲーム』をしなくてはならない。そのジョーカーゲームに勝てば、私が捺印をして、宿命が決定される。ショパンの消滅を阻止し、なおかつ、音楽の仕事もできるようにしたいならば、ショパンに霊としてのそのものの生命を与えるしかない。宿命確定機を使い、ラフマニノフがジョーカーゲームを行い、それに勝利すれば、ショパンは永遠の生命を手に入れ、消滅しないで、永遠に存在することができる。音楽の道も永遠に共に歩める。この世で永遠の生命である「真霊」の命をショパンに与えるのはそう簡単なことじゃない。宇宙で最も困難なことだ。ジョーカーゲームをやるしかない」


ラフマニノフ「どんなゲームですか??」


ミヤザワトモヒデ「賭け事だ。自分が賭けたものの価値が大きければ大きいほど、そのゲームに勝利したときに得られる勝利品はデカい」


ラフマニノフ「やります。やらせてください」


 ミヤザワトモヒデはあるカードの束を出した。その束から1枚のカードをラフマニノフの前に置いた。


ミヤザワトモヒデ「これからジョーカーゲームを始める」


 ミヤザワトモヒデがそう叫ぶと、カードから黄色いピエロが実体化して現れた。


ピエロ「何がお望みですか??」


ミヤザワトモヒデ「ラフマニノフ!望みを言え!」


ラフマニノフ「ショパンが永遠の生命である『真霊』を手に入れ、永遠に存在できるようにしてほしい。ショパンが1000年に1度、一番大事なものを差し出さないと消滅するというウザイ設定をすべて消して、純粋に私たちみたいに、永遠に生きられるように、消滅しないようにしてほしい。そして、私がショパンと永遠にずっと一緒にいられるようにしてほしい」


ピエロ「つまり、ショパンと永遠にずっと一緒に音楽活動をしたいということですね。わかりました。今からやるジョーカーゲームであなたがその望みを叶えるために賭けなくてはならないものを言いましょう」


ラフマニノフ「なんだ」


ピエロ「それは、あなたがジョーカーゲームに負けた場合、宇宙の果て138億光年の遥か彼方から138億年、ずっと孤独な旅に出てもらいます。ある星に一人、さみしく138億年、過ごしてもらいます。あるのは、ピアノだけです。それ以外はない一人孤独な星で138億年過ごしてもらいます」


ラフマニノフ「なんだと……138億年だと?? それはあまりに悲惨ではないか!!」


ピエロ「永遠の生命『真霊』とは宇宙で最も偉大なものです。これくらいの負けた時の代償を賭けてもらわなければいけません!!」


ラフマニノフ「ちょっと決断する時間をくれ」


 ラフマニノフは絶句してしまった。


 あまりに危険だ。負けた場合、どうなるんだ。


 でも、ショパンと一緒にいるためには、音楽学校を成功させ、夢を叶えるためには、ショパンを救うためには、どうしてもしないとならない。どうしよう。


 ラフマニノフは30分ほど悩んだ。


 自分が音楽の道をあきらめれば、ショパンとはずっと一緒にいられる。


 だが、ショパンは1000年に1度、一番大事なものを差し出さないとならない。


 差し出さないと、ピアノに戻ってしまう。


 ショパンをその消滅の呪いから解放してあげたい。


 よし!


ラフマニノフ「ジョーカーゲーム!! 始めましょう!!」


ピエロ「負けて、泣き叫んで後悔しても遅いですよ??いいですか?? 本当にジョーカーゲームをやりますか??」


 ラフマニノフは膝を地面につき、、泣きながら言った。


ラフマニノフ「俺は、、ショパンに、、ショパンに、、一番幸せになってもらいたいんだよ……たとえ、、俺が、、どれだけ苦しい想いをしようが、、あいつには、、一番喜んでいてほしい……笑っていてほしいんだよ……」


 ピエロとミヤザワトモビデはお互いを見つめあい、うなずいた。


ピエロ「それでは、ゲームをします。ただのポーカーです。私とポーカーをして、より高い手を出した方が勝利です!5分もかかりません」


 ラフマニノフは決意を固めた。


ピエロ「ジョーカーゲームをやりますか?最終確認です」


ラフマニノフ「はい!!」




















ラフマニノフ「なんということだ!!ヨッシャーーーーーーー!!やったーーーー!!やったよ!!勝ったぞ!!」


 ラフマニノフは最高位のワイルドカード抜きのロイヤルストレートフラッシュで勝った。


 ピエロはファイブカードだったが、このゲームのルールではワイルドカード抜きのロイヤルストレートフラッシュの方が、ファイブカードより強い最上位の手に指定されていた。


 運命のいたずらか、それは、以前、ラフマニノフがゲームセンターでショパンに勝った手と同じであった。


ピエロ「ハハハ!!僕の負けだ!では、宿命を確定しよう。ミヤザワトモヒデ様。捺印を」


 ミヤザワトモヒデはラフマニノフの望みを「宿命確定機」に捺印して、確定させた。


ラフマニノフ「ショパンにすぐに知らせなくては」


ショパン「ラフマ!!」


 ラフマニノフはいきなり現れたショパンに飛びつかれ、抱きつかれた。


 ショパンは感謝の抱擁をした。


 号泣しながら、抱きついた。


ラフマニノフ「ショパン。お前、どうしてここに??」


ショパン「僕はずっと君のゲームを見守っていたんだよ。ミヤザワトモヒデ様の使いがきて、知らせてくれたんだ。。見て!! ほら、、この生命コードに『真霊』って表示されている。。今まで『物霊』だったのに。。」


ラフマニノフ「ショパン!よかったな!これでもう消滅しないで済むぞ!ずっと一緒にいられるぞ!音楽の夢を追いかけられるぞ!」


ショパン「こんな日が来ようとは!!誰が想像した??本当に生きててよかった!ありがとう!ラフマ。君は最高の相棒だ!ずっと一緒だ!!!!!絶対に僕はラフマから離れない!!!」


ラフマニノフ「ショパン!!」


ショパン「はああ!!ラフマ!!」


 ショパンは涙を流して、喜び、ラフマの胸にずっと抱かれていた。


ショパン「まさか、まさか、ラフマが僕のことを救ってくれるとは。必ずこの恩は返すから。必ず!! ありがとう!! 本当にありがとう!!」


ラフマニノフ「一緒にいてくれるだけでいい。それこそ最高の恩返しだ!!」


ショパン「でも、、こんな危険な賭けをするなんて、、もうやめてよ。。もし、、ジョーカーゲームに勝てなかったら、、138億年も苦しむんだよ??」


ラフマニノフ「大丈夫だ。。負ける心配はない」


ショパン「どうしてそう思うの??」


ラフマニノフ「以前、ゲームセンターでポーカーゲームをしたのと、同じポーカーで賭けることになり、、運命だったのかと、、勝負しろ!! と神に言われてる気がしたんだ。それに……ゲンから……」


ショパン「ゲンがどうかしたの??」


ラフマニノフ「いずれ、、話すよ。。負ける戦はしないさ!!」














 ピエロ「まさか、ラフマニノフがあんなにショパンを救いたがるとはね」


ミヤザワトモヒデ「138億年も孤独で過ごすなんて賭けすら、2人の友情は超えていったんだな」


ピエロ「このジョーカーゲームは形だけで、必ず賭けた人が勝利することになっているとはいえ、ラフマニノフのあのショパンのためなら138億年苦しんでもいいという気持ちは本物だった。あんな熱い友情は見たことがない」


ミヤザワトモヒデ「そうだな!あの2人は宇宙最高のバディだよ!」

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