第48話「死者へのレクイエム」
ショパンとラフマニノフがダブル校長を務める「エキスパートピアノ音楽学校」の職員室の提示版になにやら奇妙なものが貼り出されていた。
A5の紙に赤いマジックペンで、手書きの大きな文字でこのように書かれていた。
「19時00分00秒ちょうどに、総合体育館のグランドピアノでショパンのバラード4番とラフマニノフのプレリュード鐘を連続で弾くと、その人は廊下で騎士にさらわれ、ある条件を満たせば、、5日間で超金持ちになれるチャンスを与えられる。。総合体育館で一人で弾いた場合に限る。周りに一人でも誰かいたら、何も起きることはない」
というものだ。
「嘘だろ?誰かが面白がってデマを流しただけじゃないか?」
「でも、万が一、本当だったらどうする?」
生徒たちが動揺している。
そのことはすぐにショパンとラフマニノフの耳にも入った。
このところ、いきなり無断で休む人が増えたから、何か関係があるのかもしれない。
全校集会が開かれた。
ショパン「皆さん、最近、不思議な正体不明の張り紙が、職員室前の提示版に出されました。しかし、これはデタラメですので気にしないでください。あなた方生徒たちはピアノの勉学に集中して励んでください」
ラフマニノフ「変な噂や都市伝説に振り回されないでください!」
といったが、噂はすぐに学校の生徒たちほぼ全員に広まってしまった。
ショパン「ねえ、ラフマどうする?噂が広まりすぎた。今、みんなあの張り紙のことが気になって仕方ないみたいだよ?」
ラフマニノフ「いい方法がある!」
ラフマニノフは総合体育館にいた。もうすぐ19時ちょうどになる。スタンバイ0K!19時ちょうどになり、バラード4番とプレリュード鐘を連続で弾いた。
ショパン「ラフマ。本当に大丈夫?ラフマがもし都市伝説通り、連れ去られでもしたら困るよ!」
ラフマニノフ「しかし、真相を突き止めるにはこれしかないんだ!」
その30分後、ラフマニノフは失踪してしまった。
ショパン「どうしよう!ラフマがいきなりいなくなってしまった」
ショパンもラフマと同じように19時ちょうどに総合体育館でピアノを弾こうか迷っていた。
ラフマはもしかしたら、いや、たぶん、都市伝説の噂どおり、不思議な場所へと連れていかれたんだ!
ショパン「どうしよう?」
それから5日後、ラフマニノフが帰ってきた!不意に、いきなりショパンの目の前に現れた!
ラフマニノフ「ショパン!久しぶりだな!」
ショパン「ラフマ!どこに行っていたんだ?」
ラフマニノフ「いや、ずっと5日間ピアノを演奏していた。ある事情でな!」
ラフマの表情はイキイキして明るかった。
ショパン「あの都市伝説で騎士に連れていかれたのかと思っていたよ!何も起きなかったってこと?」」
ラフマニノフ「いや、起きたさ!いきなり騎士が現れ、ある場所に連れていかれたんだ!」
ショパン「ある場所?なんだそれ?どこ?」
ラフマニノフ「それが思い出せないんだ!記憶を多少、操作されたらしい。ピアノを5日間弾いていたことくらいしか覚えていない」
ショパン「そんなことあり得る?? ますます興味深いな!」
ショパンは結局、自分で真相を突き止めるしかないと思い、19時ちょうどにラフマニノフと同じようにピアノを弾いた。
「ショパンのバラード4番」と「ラフマニノフのプレリュード鐘」
ショパンは廊下を一人で歩いてた時、騎士が現れた。
ショパン「お前たちだな!噂の騎士は!なぜ、私たちの学校で勝手なことしてる?許さないからな!」
黄金の騎士「私たちの目当てはお前だ!ショパン!」
ショパン「その声はまさか?」
銅の鎧、銀の鎧、金の鎧。
3人の騎士はそれぞれカラーが違った鎧を着ていた。
顔は仮面で隠れていてよく見えない。
しかし、騎士の声が聞き覚えがあった。
ショパンは3人の騎士に手足をつかまれ、宙づりにされながら、壁の中をすり抜けながら連れていかれた。
3人全員の騎士が仮面を取った。
ショパン「あっ?やっぱり!あなたでしたか?」
そこには宇宙の神様の親友である「アームストロング」と宇宙の神様「ミヤザワトモヒデ」がいた。そして、もう一人はアゲハだった。
アゲハ「久しぶりね!ショパン!って言っても宇宙の果て冒険で会ったばかりか」
アームストロング「ショパン。実は私たちが、この都市伝説を流行らせたんだ!」
ミヤザワトモヒデ「この世界には地上世界での死によるショックから立ち直れないものがたくさんいる。だから、死を連想させるような暗さを持つバラード4番とプレリュード鐘をピアノで演奏してもらい、その鎮魂歌、レクイエムの役目をさせていたんだ。バラード4番の4は『死』、プレリュード鐘の『鐘』は死者を想い、鐘を鳴らすという意味で、この2曲は連続で弾くと、死を悲しんでいたものが、すぐに立ち直れる元気が出て、前向きになれる不思議な癒すパワーを生み出すことが分かったんだ!だから、総合体育館で、1人でこの2曲を弾かせたいと思って、この噂を作った。職員室の提示版を使ってな。実は、総合体育館にはたくさんの癒しを求めている死者の霊がたくさんいる。それらが、癒されるようにしたんだ。君たちは気づいてないだろうが、君たちが一人で都市伝説通りに、バラード4番とプレリュード鐘を弾いたときに、その体育館の場所には何百万という死んでショックから立ち直れない霊たちがいたんだ。姿や存在を隠す生命隠匿装置をつけていたから気づけなかっただけで。そして、その霊たちは、ショパンやラフマニノフたちや、演奏してくれた生徒たちに各霊、一人一人が、3万生命ポイントを謝礼として渡すことを約束している。ショパンは今、体育館にいる259万人の霊たちをピアノ演奏で癒せば、3万x259万で777億生命ポイントが得られる。いい仕事だろ?ラッキーセブンで、縁起がいいだろ?本当に縁起のいいことをするんだ!そして、それだけの生命ポイントがもらえる。こんな美味しいビジネスはないだろう。これから金が必要になるだろうからな」
アゲハ「まあ、それだけじゃないんだけどね。この都市伝説を作れば、学校自体が面白くなると思ったのよ!噂や都市伝説や七不思議みたいな、幻想的なものを生み出したかったのよ。幻想的な雰囲気は、、ショパンが得意でしょ?? バラード4番とプレリュード鐘の2曲に鎮魂歌の特殊パワーがあることを最初に見つけたのは、私なんだからね。感謝してよ?ノブがバラード4番とプレリュード鐘の2曲を、たまたま集まっていた死者の弔いの会で演奏したら、そこの死者の霊たちがいきなり元気になり、何かこの2曲にはあるんじゃないかと感づいて、実験してみたら、思った通りだったのよね。まあ、この学校を実験の場に勝手にしたのは悪いかもしれないけれど、どうでもいいでしょ?777億も稼げるんだから!」
ショパン「それより、、生命隠匿装置で、、何百万の霊たちが我がエキスパートピアノに無断で入り込んでいたことが、、驚きだ」
ミヤザワトモヒデ「私は地上世界から他界したばかりの、、霊界の新参者には6ヶ月限定で生命隠匿装置をどこでも使えるように、、許可している。。私に逆らうのか??」
ショパン「いや、、そういうわけでは……ラフマニノフはピアノを5日間演奏したことを覚えてなかったみたいですが……」
ミヤザワトモビデ「ラフマニノフには内緒にしておくようにといったんだよ!ショパンに聞かれたらとぼけるようにとね。なんでもやる前から真相を解明して、理解してしまったら、せっかくのワクワクさもなくなってしまうだろうってね!」
ショパン「ちょっと待って!ラフマが5日間ピアノ演奏していたということは、つまり……」
アームストロング「そのまさかですよ。これから5日間、ショパンにはバラード4番とプレリュード鐘を休憩なしで、、演奏しつづけてもらいます。じゃないと、777億生命ポイントはもらえません!」
ショパン「超しんどいじゃん!ぶっ続けで120時間か、、でも、やってやる!!!777億のためなら!金が必要だから!新しいビジネスをするための資本金にしたいからね」
アゲハ「もし、、777億もらったら、、少し私にも分けなさいよ。。私がこの癒しパワーを発見したんだから」
ショパン「30億でどう??」
アゲハ「半分よこしなさい!!」
ショパン「ふざけるな!!」
アゲハ「冗談よ!!」




