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ぶっちゃけ大化の改新って何?ってレベルの俺が、当時のドロドロ権力抗争を最前線で見守ることになったんだが。  作者: 五稜 司


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第28話:サーバーダウン ~絶望の先に現れた救世主(プリンス・ジュニア)~

「……って、あれ? 反応がない(レスポンス・エラー)?」

俺は路地の入り口で、必死に背後の闇へ声を投げた。だが、潜伏しているはずの不比等からの合図はない。聞こえるのは、こちらを囲い込む暗殺者たちの、低く冷たい足音だけだ。


「おいおい、不比等くん? 冗談抜きで、これ笑えないから。バックアップ(護衛)なしでこの人数、俺のスペックじゃ無理ゲーだって!」

しかし、どれだけ叫んでも静寂が返ってくるだけ。

まさか……あいつ、俺を本当に「使い捨ての生贄デコイ」として切り捨てたのか?


「……クソっ、あいつ……『計算外』とか言って、俺を見捨てやがったな!」

俺の「なんとかなるっしょ」精神が、初めて音を立てて崩れた。

目の前には、抜き身の刀を構えた十数人の男たち。路地裏に追い詰められ、逃げ場はない。

「妖術使い、覚悟。貴様のその命、この場で『クローズ』させてやる」

「……あーあ。俺の人生、こんなバグだらけの時代で強制終了シャットダウンかよ……」

俺がガタガタ震えながら、最後っ屁に懐中電灯をぶん投げようとした、その時。


(――ドォォォォン!!)

背後の壁を突き破るような勢いで、無数の松明の火が路地を照らし出した。

「――そこまでだ、愚か者共。私の計算ロジックに、遅延ラグなど存在しない」

響き渡る、凛とした声。

そこには、中臣氏の軍勢を率いて、馬に跨った不比等が颯爽と立っていた。不比等は、月光を浴びてキラキラと輝く、まさに「完成された王子様パーフェクト・ジュニア」そのものの姿だ。


「ふ、不比等くん!? 遅いんだよ、バカ! どこにいたんだよ!」

「失礼。敵の『予備兵力リザーブ』まで一括で処理(削除)しようとしたら、少々時間を食いましてね。……海斗殿、情けない顔をしないでください。貴様の『ハッタリ』のおかげで、黒幕の居場所まで完全に特定(特定)できましたよ」


不比等が扇をバッと広げると、軍勢が一斉に突撃を開始する。

さっきまで勝ち誇っていた刺客たちは、圧倒的な武力の前に、一瞬で「強制終了デリート」されていく。

「……ったく。イケメンは登場のタイミングまで計算通りかよ」


腰が抜けてへたり込む俺に、不比等は馬から降りて手を差し伸べてきた。

その顔には、いつもの冷徹な表情ではなく、少しだけ「仕事仲間(相棒)」を認めたような、不敵な笑みが浮かんでいた。


【今回の学習ポイント:中臣氏の軍事力】


中臣氏の武力: 中臣氏(後の藤原氏)は、神事を司る一族であると同時に、独自の武力や豪族とのネットワークを持っていた。不比等が軍を動かせるのは、鎌足の息子としての「権限」があったからなんだ。


特定と一網打尽: 囮(海斗)を使って敵を引き出し、その動きから本拠地を割り出すのは、まさに「情報のハブ」を握る者の戦略。不比等の冷静な分析と、海斗の命懸けのハッタリが、歴史を裏で動かした瞬間だね。

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