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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
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第45話

「おはよう。今日のホームルームでは注意しておきたいことがある。」


試験についての情報を開示した翌日、月宮先生は教室に来て挨拶をして早々に苛立たし気に全体に注意勧告をした。


「これは寮でも事前に伝えられていることだからわかっていたとは思うが、複数回発生していたから寮長から学園に抗議が来た。寮長は学生寮では学生から家賃を取らずに管理をしてくれているのはわかっているな?」


月宮先生はそう言って教室を見渡した。

俺たちは頷いている者もいれば、言っている意味は分かるがそのことと注意がどう繋がるのかわかっていない者がいた。


「昨日から今朝までに4回、男子学生寮に女子生徒を連れ込もうとした生徒がいる。試験について我々が情報を開示し、来週には試験が行われるから時間が惜しいということはわかっているつもりだ。だが、ルールを破っていいとは一言も言っていない。手引きした者や実行した者は全員各自の部屋に謹慎してもらっている。学生寮では異性を連れ込むことは禁止されているとお前たちは知っているはずだな?」


その言葉に顔を下に向けている者も見受けられたので、おそらく実行しようと考えていた人が他にもいたのかもしれない。

俺や正悟、響真たちもそうだが、相棒を組んでいるか同性同士であれば今回の試験について対策を講じる時間は多くあるが、異性の今回限りのペアでは放課後の時間しか多く使える時間はなく、2人で集まることができる場所も限られてしまう。


そんなときに使えると考える場所は寮で、寮長の目さえ潜り抜けることができれば入れると考えてもおかしくない。


「そして、もう1つ。これは過去に起こったことで今回も1件だけ聞いているが、相棒を組んでおらず今回のように試験のために異性とペアになった者が起こしたことだ。相手に迷惑をかけるな。今のお前たちは思春期という微妙な時期にあるか脱却しているのか微妙な時期であることはわかっている。異性に興味を持つのも重々承知している。こういった機会を活かして、親しくなろうとすることはこの学園の意味としても望ましいところかもしれない。だが、それは同意のもとで行ってほしい。」


そこまで言われることでクラス内でもどういったことが起こったのか理解した生徒は多くいたことだろう。

一部の女子は自分にも起こるのではないか、というような反応をすでにしている。

俺からすれば自意識過剰ではないか?と思うところもあるが、今回の話でペアに溝が生まれるところも少なからずありそうだと思った。


「言いたいことはわかったな?パーソナルスペースに踏み込まれることを嫌うものがいることを理解しろ。言い寄ることは必要な範囲でとどめてくれ。

そして、異性に同意なく手を出すな。教師で朝から言うことではないが、こういった機会を利用して親しくなったと思い込んだ奴が犯罪者になりかけていることは何度かある。未然に防げているのは事前に女生徒の方からそんな気がすると言われた時点で学園側が動いているからだ。我々は警察ではないから可能性の段階でも対処しようとはしている。

そして、我々は少子化対策として結婚を推奨しているがそれは子供のためを思っての推奨だ。片親では負担も大きくなるということで両親がいることが望ましいと思っている。

だから犯罪者に成り下がりまだ卒業もできないうちに手を出すな。不順異性交遊は学園側としても注意すべきことになる。以上だ。」


月宮先生はそう言ってホームルームを終えた。


今回の話を受けて朝のような試験対策をしていたペアにも若干の変化が見られた。

距離感を計りかねていたようなペアは未だにぎくしゃくしており、異性に慣れていない人はよりビクビクしていたり、自意識過剰な女子は男子に近づかないで、とヒステリックのようなものを起こしていたりと空気もよくなかった。


もちろんある程度うまく関係を構築で来ていたペアについては今回の話を受けても自分たちは大丈夫だと相手を信じることができていたようだった。


「蒼、これ大丈夫か?」


1時間目の教室に移動しているときに正悟が俺に話しかけてきた。

舞依と千春も一緒に移動をしており、他に移動をしている者のうちペアでまとまっているところは昨日より格段に減っていた。


「そうだな…。見たところの判断では大丈夫ではない状況になっていると評価できる。」

「そうね。わたしも蒼雪君に同意かしら。このままでは他の人たちは試験で苦労しそうね。私たちには関係ないと言えるけれど。」

「そうかもしれねえけど、クラスがこの空気じゃあまりいいともいえないだろ?」

クラスがこのような空気になっている一助になってしまっているのは君島も謹慎させられているからだ。

彼はペアになった女子によって強引に迫られクラスの他数人を巻き込んで男子寮に手引きしたとされていた。

みんな仲良くしようと言っていることから頼みを断れずにそのまま今回のことにつながったのだろう。


「空気は悪いがそれは自分が同じことをしようとしていた、若しくは相手のことを碌に知りもしない奴らが相手を貶めて自分の首を絞めているだけだ。今回の話を聞いて動揺しているのはそう言ったやつらだ。自分たちはこういったことが起こらないと信頼できていれば問題ない。空気はそのうちよくなるはずだ。謹慎明けの彼らが余計なことをしなければな。」

「そうか?今のままだと時間で解決もしなさそうだに思うんだけど。」

「…それはない。試験までには何とかしようとする。改善するか距離が完全に遠くなるからここまで悪い状態ではなくなる。」

「なるほど…。今が微妙な状態だから悪く感じる。だからどちらかに振り切ってしまえばこの状態じゃなくなるわけか。」

「それが望ましい解決であるとは言い切れないけれど、私たちの心配するところではないわ。蒼雪君に迷惑をかけていた人たちの心配をすぐにできるほど私は寛容ではないわ。」


俺たちはそんなことを話しながら1時間目の教室へと向かった。



放課後になると、教室に残るペアや図書館やその他どこか集まれる場所に向かう生徒が多く見られた。

俺たちはそんな生徒の流れを見つつ寮へと帰ろうとしていた。

この日は舞依から協力を頼まれており、1人では正悟を見切れないとのことだった。


俺たちは、今回はいつも俺たちの家に来てばかりでは悪いからということで正悟たちの家に行った。


「じゃあ、あがってくれ。」

「おじゃまします。」


正悟たちの家は俺たちの家と似た作りになっていたが地下室はないようだった。

リビングに入れてもらうと、そこには俺たちの家と同様にソファとテーブル、食事をするための机やいすと言ったように配置は違うが大体似たようなものがあった。


「他の人の家を知らないから参考にさせてもらった。」


正悟は俺たちの反応を見てそう言ってきた。


「…私たちの家の間取りとも違う。何が必要かわからないからとりあえず真似をさせてもらいつつ必要なものと不必要なものは何か考えた。」


舞依も俺たちにそう説明をしてきたのでなるほど、と理解した。

そもそも俺たちのような学生が家を買って部屋の間取りを考えるというのは難しいものだ。


舞依はキッチンへ行き飲み物を用意すると俺たちに渡してくれた。


「ありがとう。」

「…大丈夫。それよりもこれを何とかして…。」


舞依はうんざりした様子で正悟を指さしながらそう言った。

さすがにそんな様子で言われてしまったので正悟はきまり悪そうにしていた。


昨日の何があったか聞くと、どうやら対策を練ろうとしたが苦手な分野やできないところが多くあり数日で必死に詰め込んだ確認テストでさえもそこそこだったということもあり、舞依は必死に勉強を教えようとしたが口下手なところもあだとなり上手く教えられなかったということだ。


俺たちは自分の勉強もしつつ、正悟の勉強を見るというミッションを受けることになった。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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