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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
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第46話

正悟の勉強を見ながら自分の勉強をするというのは思いのほか時間がかかった。

連休の最終日に一緒に勉強をしたが、それ以降はあれだけ言ったから自分でもやっただろうと思ったのだがそんなことはなかったようだ。


俺と千春は互いの苦手分野の確認をしないといけないので、正悟にばかり意識を割くこともできず順調と言えなかった。



「ここはどうするんだ?」

「この問題は?で使った式を利用して…。」


数学は解き方がわからなければ手の打ちようがないので、俺は数学を重点的に見ていた。

千春が苦手、若しくはあまり得意としているわけではないが一応解くことができるときもある、という程度のところは一緒に解説も含めて説明をした。


「そうなるとこの問題はこうすればいいのかしら…?」

「ああ、そうだ。」

「なるほど…。」

「なぁ、蒼、ここは?」

「これは…。」


あまりの出来なさに頭を抱えたくなるが、これでは舞依も苦労をしたというのがよくわかった。


舞依も所々は一緒に説明を聞いていたりもしていたが、内容がわからないのではなく、正悟にはどのように説明をすればわかってもらえるのかということを俺の説明を聞きながら学び取ろうとしているようだった。


ある程度時間が経つと夕食を作るために、舞依が席を立ってキッチンへと向かった。


「私も手伝いに行こうかしら?」

「いや、千春は正悟に古文の説明を頼む。数学ばかりやらせてもいいが、集中力の続かないこいつには適度に科目を変えながらやらせた方がいい。」

「…わかったわ。早乙女君、古文の教科書と単語帳を持ってきなさい。」

「はーい。」

「頼んだ。俺が舞依の手伝いをしてくる。勉強を見るだけでもいいが、読みながら自分の訳や解釈に間違いがないか確認するといい。正解がわからないから俺や舞依に聞いてもいい。」

「わかったわ。どこまで彼に理解させることができるかわからないけどやってみるわ。」



俺たちがそう話していると、自室から必要になりそうなものを取ってリビングに戻ってきた。

リビングに来たので俺は千春に、「任せた。」と言ってキッチンへと移動をした。



「手伝いに来た。俺は何をすればいい?」

「…そしたら、これを切って。」


俺と舞依は夕飯づくりを始めた。

人の家の台所ではどこに何があるのか把握するのが大変だった。


俺と舞依は協力して夕飯を作っている一方、千春と正悟の様子を時々覗き、問題がないか確認もした。

一応教えることができている様子ではあったが、正悟の理解は遅く時間がかかっているようだった。

千春があきれ返っている声や頭を抱えている姿を見かけたが、これも彼女の成長に必要なことだと思い、特に何も手を貸すことはしなかった。



(正悟へ教えるのはこんなに大変なことか…。理解力はあるはずなのになぜ勉強に関しては能力が発揮されないのだろうか…。)


俺はそんなことを思いながら舞依と一緒に夕飯を作り、テーブルの用意をしたりしていた。



「よし、そろそろ用意も終わりそうだ。区切りがよくなったらこっちを手伝ってくれ。」


俺がそう声をかけると、正悟は持っていたシャープペンを置いてそのままこちらに来ようとしたところを千春に止められて単語の確認テストをやらされていた。


そんなこともありながら夕飯をみんなで食べて、片付けは正悟と千春に頼み、俺と舞依は2人で話をしていた。


「どうだ?」

「…大変だけど、何とかなりそう、試験以外は。」

「そうか。何かあれば近所だからすぐ来ることもできる。必要なときは呼んでくれ。」

「…ありがとう。でも試験の度に呼ぶのはさすがに申し訳ない。だから頑張ってみる。」


一息ついたところでキッチン組も片づけを終えたので、俺たちは帰ることにした。

この後も勉強を見た方がいいのかもしれないけれど、社会科目、理科科目は記憶がものをいう科目で、英語はとりあえず単語を覚えてくれないとどうしようもないので単語を覚えるように言っておいた。

文章読解ならば、舞依も教えると言ってたので頑張れとだけ言っておいた。


「…今日はありがとう。」

「いや、大丈夫だ。俺たちも試験があるし、明日もまだ授業だからな。そろそろ帰らないといけないと思ったが…。」

「大丈夫、大丈夫!教えてもらったことは頑張って覚えるから!」


正悟は勉強から解放されてうれしそうにしながら言ってきた。

千春はその様子に呆れながら、


「それなら、明日確認をするけれど、いいわね?これで、ほとんど覚えてなければ…ね?」

「うっ…!わかった、やるよ、ちゃんと復習するからそうやって睨まないでくれ。」

「私たちの時間まで割いているのだから睨むのも当然でしょう?試験の結果や評価のシステム、この学園の制度を聞いている限り相棒は一蓮托生かもしれないけれどそれ以外の人とは協力をする必要はないのよ?」

「まぁ、そうかもしれねえけど、周りが敵ばかりだとやりにくいだろ?」

「俺と千春に対してその辺のやつがまとまったところで意味があると思うか?」

「…なさそうだな。白崎はわからないけど、蒼を何とかできそうな人なんてそんなにいないと思うし。」



俺はその言葉を聞いて思い出したのは、生徒会長と他2人を思い浮かべたが、他2人はまだ直接に対決をしたことがないからどうなるかわからないと思った。

会長にしても、卓球勝負で勝ったにすぎず、他のジャンルで勝負をしたらどうなるかわからないため、今度は俺が負けるかもしれない。


俺はそんなことを考えていたため、黙り込んでしまったが、周りはいつものことか、久しぶりに見たなという反応だった。


「おっ、戻ってきたか。」

「どういう意味だ?」

「いや、何でもねえよ。気をつけて帰れよな。」

「ああ、わかった。また明日。」

「また明日。舞依も頑張ってちょうだい。これの理解は遅いから、根気よくやるしかないわ。」

「…わかってる。ありがとう、また。」


俺と千春は正悟と舞依に見送られながら家に帰った。



帰宅後は風呂の用意や、明日の授業の用意をし終えてから、記憶があやふやなところ、誤って覚えているところがないか歴史科目に絞って勉強をした。


これはお互いに1問1答の形式で行ったり、ある特定のキーワードから文章を作り上げるようにして試験で作られそうな問題の形式を意識して勉強をした。

また、暗記科目とはいっても流れは大事なことで今後も生かすところがあるので、試験限りの暗記にならないように注意もした。


俺たちは風呂に入るまでは一緒に勉強をして風呂後はそれぞれの部屋に戻った。

俺はそれから少し自分だけでも復習をしてから寝ることにした。




―――――???side



深夜ともいえる時間、学生は試験に向けて個人で勉強をしているか、明日に備えて寝ている人が多いだろう。

そんな時間に彼は外を出歩いていた。



「思ったよりも手に入らないな〜。もう少し動いていてわかり易いと思ったけどそう簡単にはいかないか。」


彼は夜道を一人歩いている。


その耳にはヘッドホンをつけており何かを聞いているのかもしれない。

しかし、ここにいるのは彼ひとりどんなものを聞いているかはわからない。


「やること多いからこっちのことをする時間もなかなか取れないけど、早めに手を打たないとな。」


彼はしばらく徘徊をしたのち自分の住む家へ帰宅をした。


彼は何かを探しているようだが、なかなか思うように事が進んでいない。

しかし、そんな彼も学生の1人であるから翌日の授業や試験のことを考えると寝て体を休める時間も必要だ。

無理に事を進めることもできないので焦りにかられることもあるが、何とか自分を抑え込んで彼の日課ともいえる徘徊を終えた。



ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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