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どうしたものか…と悩ませ馬車に揺られること数日、私は王宮に帰り自室にいた。
部屋には大量の赤ちゃん精霊たちが飛び回り、リクとアクアはウォーターベッドに乗りフワフワ漂いながら寝ている。そんな中、金属性精霊は目をつり上げ私に文句を言っていた。
『もー!なんですの!?わたくしが居るのに何故この子たちは何処かに行かないんですの!?』
「なんでだろうね?私も知りたいよ。」
一つだけ言えるのはノットと金属性精霊が居ることで消臭効果を少し期待していた私の目論見が崩れたという事だ。
『ふぁ~あ。無駄無駄。僕との契約が先だから僕と同等の〝金の〟の言うことでも僕の言葉が優先されるよ。』
欠伸をし、微睡みながら理由を話すリクの言葉を聞き金属性精霊は目をつり上げ『なんですってー!』と言いながら私に詰め寄った。
『なんで契約なんかしてるんですの!?
いや、今はそんな事どうでも良いですわ!あなた私の姿をノットに見せることができますのね?!あれからノットに話しかけても前みたいに全く反応ないんですのよ?!…何故ですの…。』
怒ったように話していた金属性精霊は最後には目を伏せ、しょんぼりしながら問いかけてきた。話を聞くとノットに自分が見えるようになり嬉しくなった金属性精霊は馬車の中やノットの筋トレ中など、ずっと身振り手振りで話しかけてるのに全く反応がなく悲しくなり、私が何かしたんだと怒りのまま私の所へ着たらしい。
「ん~。ほら、私の魔力って他とは違うってリクが言ってたからさ、あの時は私の魔力で水作って水挟んで周りを見せたら精霊も見えるかなぁ~って思ってしたんだけどノットに金属性精霊を見せることできたみたい。だから、またノットに姿を見せたり話をしたいなら目元と耳元に私の魔力で作った物をノットに付けて『じゃあ、早く作りなさい!』」
話の途中で私に命令する金属性精霊は待ちきれないとばかりに私の周りを速く飛び回っている。
「けど、私が今出せるのってリクとアクアに教えて貰った木製の物か水くらいだから目元と耳元に当てるとすると水くらいだけど水を耳元に作ると声が聞き取りづらくなってボヤけた声になると思うし目元に水を作っても同じくボヤけるわ。あと、一番の問題は私がずっとノットの耳元と目元に魔法で水を定着し続けることができないのよ。」
『ムー!どうにかなさいませ!』
「ん~、金属性精霊が手伝ってくれたらどうにかなるかも?」
「わかりましたわ。何をすれば宜しいの?」
「ノットに金属性精霊が見えるように頑張るから、もし見えるようにできたら私の趣味にも付き合ってくれる?」
「ふんっ、少しなら付き合ってもよろしくてよ?」
金属性精霊の言質を取った私の頭の中では何を作ろうか渦巻きワクワクしていたが、とりあえずちゃんとした眼鏡を作ろうと思った。
「よし!透明な硝子を作るわよ!」
この世界にも硝子はあるが綺麗な透明の硝子はなく色んな不純物が混ざった青緑のものしかない。光を通すのに窓は硝子張りだがロンデル窓で不純物が混ざった窓なので「本当に光入ってる?」程度の物が使われている。綺麗な透明硝子を作るには技術が追い付いてないが硝子の材料はすぐ手に入るだろう。硝子の材料は確か、珪砂、ソーダー灰、石灰石、この3つが必要ね。よし!さっそく見本を取りに城下に行くよ!!
高らかに宣言しいざ行かん!っとドアを開けると警護の騎士がいた。
「マリーン姫様、どうされました?」
「わたくし、ヤンに用がありますの。ヤンはどこに居ますの?」
「ヤン隊長は現在、聴取中の案件に取り組んでおりまして席を外しております。お呼びなら連れて参りますが。」
そっかぁ~。ヤンも私のお守りばかりじゃないのね…。仕事の邪魔しちゃ悪いし、とりあえず騎士が1人居れば怒られないよね?
「ん~…、呼ばなくていいわ。今から城下の工房に向かいますから、あなた付いてきなさい。」
「へっ?おっ、俺?いや、私ですか?」
「さぁ、行くわよ。」
「いや、待って下さい!姫様~!」
『いいのかな?ヤンが居ないとヤバいんじゃない?』
『さぁ?今は聞く耳持ってないし注意しても無駄じゃないの?』
『早くノットにわたくしを見れる様にしなさい!』
似たり寄ったりの、この世界基準のイケメン騎士が叫んで、近くではリク、アクア、金属性精霊と順に何か話していたが新しく作れる物に意識を飛ばしていた私には右から左で聞き流して、そのまま1人の騎士と3精霊を連れて城下におりたのだった。




