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「僕は反対です!」
ノットを連れて行くことに反対しているエヴァンは、頬っぺを膨らませテーブル向かいのノットを睨みながら私にしがみついていた。そんなエヴァンと私をノットは困惑顔で見つめ何かを言おうと口を開いたり閉じたりしていた。
私はため息を一つつき、一先ずエヴァンをどうにかしなければと席を立ちエヴァンを引き連れて隣の部屋へと向かった。
「ごめんなさい。少し席を外すわ。
エヴァン、こちらにいらっしゃい。」
向かう時にアニータに目配せするとアニータはニッコリ笑い、カートの方へ向かって行っているのを横目に隣の部屋へ入りドアを閉めた。
「エヴァン、彼はこの村で居場所がないの。だから連れて行ってあげましょう?」
「嫌です!この村がダメなら、他の村や町でもいいじゃないですか。ねぇさまの近くに居ていいのは僕だけです!」
「エヴァン!あなたは助けを求めている民を見捨てるのですか?私はそのような事はしたくありません。助けを求めている民が居て、私の手の届くところならば私は迷わず手を差し伸べましょう。」
目に涙を浮かべ眉を下げ言い募るとエヴァンはハッっとし、私から一歩離れ真剣な眼差しを浮かべた。
『何言ってんだか。マリーンが消臭と趣味の手伝いの為に連れて行きたいだけでしょ。』
【今大事な所だから、茶々入れないで!!】
確かに100%ノットの為とは言いきれないけど全てが嘘と言うわけでもないのでリクの言葉は無視しとこう。
「ねぇさま、申し訳ありません。ねぇさまに虫がつくかと思い取り乱してしまいました。王族として民の事を一番に考えなければならない事を失念しておりました。」
「むっ、虫?」
やはり、田舎だから虫が沢山いるのかしら?今はノットの話しをしているのに虫?
「分かりました。誰かが、ねぇさまに近付くのは嫌ですが我慢します。」
「エヴァン!さすが私の自慢の弟!ありがとう。」
途中、虫の話をしたりと少し話がずれていたがエヴァンがノットを連れて行くことを納得してくれたので嬉しくて抱きついてエヴァンの頭を撫でた。
「ねぇさまの自慢の弟になるために頑張ります。」
少しぶっきらぼうに答えたエヴァンの表情は私の胸に顔を埋めて見えないが耳がピンクに染まっていた。なんだか可愛らしく思え私はエヴァンの頭にキスを送り暫く頭を撫でたのだった。
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エヴァンを引き連れてノットが居る部屋へ戻ると立って待機しているアニータとヤン、そして居心地悪そうに目の前の紅茶や菓子には手を付けてる事もなく座っているノットがいた。
エヴァンの反対もなくなったし今度はノットとの話し合いをする為に私は椅子に座った。するとすぐに目の前に温かな紅茶とお菓子が出て来て対面のノットの冷えた紅茶も入れ換えられた。私は紅茶を一口飲み一息つくとノットに話しかけた。
『ちょっと!私のノットが可哀想じゃない!あなた何なの?!』
【ん~、ごめんね。後できちんと話すから今は見逃して。】
金属性精霊がまだ何か喚いてるが、とりあえずノットに話しかけることにした。
「もう、先ほどのやり取りで気づいてるかと思いますが私はヴァルティアル国、第一王女マリーンです。今、私は民の生活の様子を見て国の発展の為に見聞を広げてる最中です。そのなかで私は自分でできる事であれば力になりたいと思っています。
今回あなたを呼んだのは、あなたの村での扱いを見て、この村ではあなたの才能を鈍らせてしまうのではないかと思っての提案ですが、良かったら私の付き人兼話し相手として私に着いてきてはくれませんか?これは王命ではないので、あなたの気持ち次第ですが…。」
「僕…、いや私は……。」
私の話を聞き、ハッとした様に目を開き顔を上げるもノットは思い悩んでいる様子でうつ向いてしまった。
「この場ですぐに返事をする必要はありません。明日の朝には私は出発します。もし、着いて来るのであれば来なさい。」
「…はい。」
話が終わった私はエヴァンとヤン、アニータに退出してもらい、ノットと二人にしてもらった。エヴァンがめちゃくちゃ渋っていたが何とかノットと二人にしてもらった。
私と二人っきりになったノットは何故私と二人っきりにされたのか訳が分からず更に緊張した様で微動だにしなくなった。
私は皆が退出しドアが閉まるまで背筋を伸ばし優雅にしていたがドアが閉まった途端にだらけた。
「ふぅ~…。あなたの名前ノットって言うのよね?ノットって呼んでいいかしら?」
急にだらけた私に驚きながらも了承の返事をしたノットの周りでは金属性精霊が飛び回りながら私にプンプン怒っている。
『ちょっと!あなたさっきから私のこと無視して、どういうつもり!私に会いに来るって言ってたのに会いに来ないし、来たと思えば私のノットにベタベタして、こんな所に連れて来るわで!』
ごもっともです。しかし、弁解してもいいなら会いに行かなかったのではなく、会いに行けなかったんです。とは言っても聞いてもらえそうにないな。
【本当に何度謝っても許してもらえないかもしれないけど、ごめんなさい。】
そして、言うだけ言って私は金属性精霊をまた無視してノットに話しかけた。




