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東方陰変録  作者: kotatu
東方祟り録
13/23

Witches’NightⅡ

第二回目の戦闘回。説明が足りないかもしれない。

魔法の森 魔理沙宅前 午後9時(新月まであと23時間)


消えかけの三日月が魔法の森を照らし、魔法使いと魔女が対峙していた。

「全く、お前がこんなところに来るなんて珍しいな。」

「……。」

パチュリーは本を弄ってばかりで返答をしない。

「返す言葉も見つからないってか?それとも3日前に盗んだ本のことを気にしてるのか?」

魔理沙の飄々とした態度に区切りを着けるように七曜の魔女は睨み、禁句を口に出す。


「たかが妖精に負けた惨めな魔法使いを笑いに来ただけ。同業者としてこれ程、滑稽な話はないわよ?」

場の空気が一気にが凍りつく。

「…おいおい、いくらなんでも」

「妖精相手に言い訳する魔法使いがいたって虫酸が走るだけよ。あの巫女も見る目が無いわね。こんな腰抜けをライバルにするなんて」

「オイ、いい加減に…!」


魔理沙は逆鱗に触れた目の前の魔女も倒す為に一歩踏み出す。

   ・・・・・・・・ 

いや、踏み出させられた


ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン


(何!?)

突如、四方の木の枝から伸びた虹色のワイヤーに魔理沙は反応することが出来ずに絡みつく糸に宙吊りにされた。


「貴女が暇してる間に私はこの森について研究したわ。ここのキノコは喘息に良く効くみたいでとても調子がいいの。それに森に漂う魔力の利用法も分かった。ここはもう貴女の知る森ではないわ。」

「…くそっ」ギシッギシッ

「無駄よ。そんな力で破れるほどやわな魔力を使ってないわ。スペル」


魔理沙の吊るされている足下の地面に赤色の文字が浮かび上がる。

(この色、この文字。ヤバッ!!)


魔法を詠唱なしで発動するために刻まれたルーン文字。発動される魔法、それは


『日符「ロイヤルフレア」』


ゴオオォォォォ!!



パサ


地面から燃え上がる巨大な火柱を見上げ、足下にあの白黒帽子が落ちてもパチュリーは冷静だった。

(さて、これで少しは頭も冷えてくれたかしら?今の貴女じゃ私に敵わないと。もし、言い訳を使うようなら次は…ん?)

パチュリーの思考は一端ストップさせた。それは、自分にめがけて疾走する黒い影を視界に捉えたからだ。そして影に狙いを定めるが…


「遅い!」

それよりも速く、魔理沙の拳がパチュリーの腹に突き刺さっていた。


ヒュンッ!!

「ガハッ!」ピシピシ

腹からは嫌な音が響き


ドンッ「ゲホッゲホッゲホっ!」

吹き飛んだ先の木に当り、先程の一撃のせいでむせ変える。

(一撃でこの重さ…。次喰らったら体が持たないわね。)


「さてと、次はこっちの番だ。」

吹き飛んだパチュリーを睨み、白黒帽子を拾い上げ、魔理沙は改めて宣言する。尼僧が編み出した肉体強化魔法の起源にして頂点の魔法を。


『超人「聖白蓮」』


ダンッ!


再び魔理沙の体は一瞬でトップスピードに達し、パチュリーとの距離を0にする。迫り来るのは拳の弾幕。


チッチッチッ


『喘息を一時的に治し、身体能力を向上させる』これがパチュリーの魔法の森に漂う有毒な魔力の利用法だった。

これがあってようやく、一発でも当たれば再起不能に陥る危険性のある拳の連打をパチュリーは紙一重で避けていく。だが、この方法は周囲に漂う魔力を利用するものであって同じ場所で戦い続ければ魔力は薄くなり、

(喘息の再発が起こればこっちが圧倒的不利になる…。ならば)


ブゥン


素手による大振りの平手打ち。重さも早さも皆無の攻撃は今の魔理沙にとっては隙にしかならない。

(もらった!)

しかし、魔理沙の一撃はパチュリーに到達ことなく彼女の魔導書に遮られる。まるで待っていたかのように。


いくら魔導書で直撃を避けても衝撃は軽減されず、彼女の体は宙を舞う。


ブゥゥン


その時、先程までいたパチュリーの場所を中心に地面に複数の白色の魔法陣が描かれる。


「スペル。月符『サイレントセレナ』」


数十にも及ぶ光線の柱は円を描くように移動し目標を焼き払う…筈だった。


「無駄だ。」ドガ!!パリンッ

魔理沙の行った行動は単純で足踏みをした衝撃を地面に伝わらせ、周囲の魔法陣を全て砕いていた。



「流石、肉体強化と言うべきかしら。始めの一発は効いたわよ。」

カシャン、カシャン、カシャン

パチュリーは立ち上がり、金属のプロテクターを外していく。

(腹、肩、膝に装備しておいた金属魔法の鎧は十分な役割を果たしたから、もう要らないわね。肩や膝のは、所々欠けてるし、腹に至っては粉微塵になってる。

次でお互いに最後かしら?)

自らの魔力の残量を考慮し、そう結論付けた。そして、本来なら来るべき筈の追撃が来ないことがその証明だった。


「ゲホッ!ゲホッ!もう限界かよ…。」


魔理沙は追撃は来ないのではなく出来なかった。


「あの僧侶は貴女の倍以上魔法使いをやって、肉体強化を体に馴染ませたのよ。人の技術を盗んだツケと言ったとこかしら。」


「それがどうした?あの日、私がチルノに負けた時から勝つために努力してきた。私は…、勝たなきゃ前には進めない。」

「ならさっさと決めちゃいましょうか。」

「そうだな。」


魔理沙は懐からスペルカードを取り出す。

「指定枚数は1枚だ。このスペルは試作品で名前はない。」

パチュリーも1枚のスペルカードをかざす。

「奇遇ね。私も貴女を倒すためのスペルを考えていたの。当然名前は無いけどね。…それじゃあ」


「「スペル!!」」


パチュリーの宣言で手のひらにエメラルド色のミニ八卦炉が出現し、魔理沙の宣言で右手に三重の黄色の魔法陣が展開される。


先手を取ったのは魔理沙だった。

「弾幕は…勝利が全てなんだよ!!」

魔理沙の咆哮と同時に三層の魔法陣から弾幕が放たれる。

一層目は低速のばらまき弾幕、二層目は自機狙いの9way弾幕、三層目は一、二層目を超える速度で放つ大量のばらまき弾幕。速さや動きが違う種類の弾幕が混ざるだけでも難易度は大幅に変わる。数の暴力が瞬く間にパチュリーに襲いかかる。避け続けるには強靭な神経が必要に…


パチュリーはミニ八卦炉を魔法陣に向けただけだった。

「魔理沙。」

本来なら、魔理沙にも勝算ならあった。


         

「貴女、音速よりも遅いわ。」

彼女らしくあったなら。



音は出ない、あまりの速さに音すらも遅れてやって来る。



(((パリン!!)))


ミニ八卦炉から放たれた1㎝口径の賢者の石は一瞬で魔理沙の三層の魔法陣を撃ち抜き、結果は魔理沙の敗北を告げていた。

「…あ、あぁ。」

呆気ない事実に魔理沙はその場にへたりこんだ。

パチュリーは見下ろすようにして告げる。

「勝利ってのはあくまでも結果よ。貴女の周りが大切にしてきたものは決して勝利ごときではない筈よ。

アリスは一度でも人形を道具として扱ったかしら?霊夢の弾幕はどれも美しかったじゃない。


どんなやつでも自分の信念を貫けなかったら惨めなものよ。」



「は、はは、なんだよそれ…。まさか初めっから間違えてたのかよ。」


「人は間違えて成長していくものよ、フフッ。」

「笑うなぁ!あ~!!チルノに負けて凹んでた自分が馬鹿みたいだ!…ってか、そもそもこんなことする必要あったのか?」

「あんたは頑固だから諭す方法がこれぐらいしかなかったのよ!こんな時間まで待たせたんだから、ちゃんと紅魔館まで送ってきなさいよ。」

「待ってくれよ。少しぐらいうまい魔法陣の使い方を教えてくれたっていいだろ?」

「…少しだけよ。」



少女指導中……

「もっと集中しなさいよ!」

「これでもしてるんだって!あーあ、集中力が切れちまうぜ~。」

「全く駄目なんだから…、あ、ちょっと待って!こっち向けないでって!!」


数時間後指導終了



午前3時(新月まであと17時間)



「少しとはなんだったのかしら…。」

「いや~、あっという間に終わったな。はっはっは。」

「さっさと行くわよ。少しでも遅れるとレミィが怒るんだから。」

パチュリーと魔理沙は箒に跨がる。


「あ、その前にこーりんに八卦炉の修理を出さないと。まずは香霖堂だな。さぁ~て、久しぶりの箒の飛行だし、ブッ飛ばすぜ!」

パチュリーはさっきの発言が全て嘘であって欲しかった。

「え?貴女、ここに来るとき箒で飛んできたんじゃ…」

「あれは魔力で自分を浮かせてただけだぜ?何日ぶりだろうな~。」

「う、嘘…。」

しかし、現実は優しくはなかった。


ゴッ!!


「イヤッホォォウ!!」

「イヤァァァァァァァァァァ!!!」



暴走魔法使いは魔女の叫びを響かせながら夜空を駆けていった。


祟り神【オイッ、ワレデバンハヨ】


すいません

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