第61話 ルグレット先輩 再々登場
次の日。僕は言われた通りに校門の前にいた。
天気はあいにくの雨! 土砂降りでないだけましか。
「こんな、しとしと降っている雨っていいわよね、風情を感じるわ」
「そうですか?私は晴れの方が好きですよ、雨が好きだなんて変わってますね」
「私、雨が好きだなんていつ言ったかしら、洗ってあげるわよその猫耳、たわしで」
「たわしで!?」
「……やっぱり君たちもついてくるんだね」
校門の前にいるのは僕だけではない。アムエルも、ノーシャも一緒だ。さすがに誤魔化すことはできなかった。
ノーシャがついてくるのはわかる、僕の護衛だからね。むしろついてこないほうがおかしい。
問題はアムエルである。
「当り前じゃない。あなた、何度も誘拐されてばかりで心配だもの、私も一緒に行くわ」
「そのセリフ、よく言えたな」
「まったく、誘拐犯の顔が見てみたいわ」
「鏡もってきてあげようか」
「あら、ありがとう。気が利くわね。雨で前髪が崩れてるかもしれないのよね」
「今のままでも十分じゃない?」
「いいえ、好きな人の前では、いつでも完璧でありたいの」
「おっふ」
破壊力抜群である。全く、黒髪ロング切れ長美女は最高だぜ☆
「いちゃいちゃしないでもらえます?」
「いたのかノーシャ、気が付かなかったよ」
「最近私の対応が塩すぎませんか?」
「塩かけたら縮むかなって実験してたんだよね」
「ナメクジ扱い!?」
「猫、あなたね、私びっくりしたわよ。あんなセクハラしといて塩対応で済んでいるだけありがたいと思いなさい」
「ぐっ……正論…」
ノーシャの僕に対するセクハラはアムエルが来てからも全く変わらなかった。
相変わらず定期的に今まで使っていたパンツは消え、新しいパンツに代わる。
トランクスよりもボクサーパンツの方が匂いが付くからこっちを履いてほしいといって、いきなり箪笥の中のトランクスパンツをボクサーパンツに交換。
廊下や部屋ですれ違う度に尻をなでる。
……塩対応にもなるだろう。
「今回はしっかり働いてもらうからな」
「任せてください、普段いい思いしている分、しっかりお守りいたします」
「頼むよ」
とは言っても、大したことは起こるまい。今回はルグレット先輩の実家にお邪魔するだけだ。
問題は、僕以外に二人同行することになってしまったことだが。
しばらく待っていると、黒い高級車が僕らの前に止まった。
「やあ、おはよう」
高級車のドアが開いて、中からルグレット先輩が降りてきた。
「おはようございます。先輩」
「みんな今日は、よろしくね」
「みんな?え?アムエルとノーシャも連れて行っていいんですか?」
「ああ、聖女から聞いていたからね。準備はできているよ。まぁ君と二人でないのは残念だけど、君を守る人は一人でも多いほうがいいだろうからね」
また神の声を聴いたのだろうか。いや、まだ二人がついてくることは予想できる範囲かもしれない。
「……便利な人」
「あはは!本人に言っちゃダメだよ。拗ねて何も教えてくれなくなるからね」
聖女も拗ねるんだ。以外とかわいらしいところもあるじゃないか。
「さあみんな、この雨で道路も混んでいてね、予定が押しているから、すぐに出てしまおう」
「はーい」
こうして僕らは出発した、森の都 フラグルニルーに向けて。




