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20 戦雲

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 《イザヨイ宮》大会議室


「……失礼ですが、いま何と仰られたのでしょうか?」

 思わず聞き返してしまう。


「はい、クララ様。《イザヨイ宮》は、四カ月以内にベルザル大公国へと全面侵攻を開始します。

 つきましては《シャンセオン宮》、《アスワム宮》、《マフラム宮》からも出征、もしくは支援をお願いしたいと申し上げました。

 なお各宮へは、すでに合力を要請すべく急使が発っております」


 《イザヨイ宮》に到着後、歓迎の宴が開かれました。

 その翌日に大会議室にて、会談が行われているのです。


 その出席者とは、

 イザヨイ側は、宮主、情報監、外務監、内務監と、各監の補佐が出席。

 シャンセオン側は、わたしこと クララ・シャンセオン、家令のマメル、補佐の文官と護衛隊長が出席。


 このような陣容なのですが、イザヨイ側の出席者が物々しすぎるのです。

 一体何があったのか? と思いながらも歓談してゆきます。

 挨拶と社交辞令が終わり、さてこれから実務的内容に移ろうとした矢先に、この打診……いえ、もはや決定事項を伝えられたのです。


「本気……ですか?」

 非礼を承知で、再度聞き返してしまう。


「はい。現在、イザヨイ宮領全域にわたり戦時体制へと移行。順次、武具類・・・の生産、物資の備蓄を進めております。

 あわせて志願兵を募集しております」


志願兵・・・……ですか?」


志願兵・・・です」

 スケルトンのような兵達は志願はしない、それらは召喚するものなのだからだ。

 それが志願兵・・・と、敢えて言及している。

 確認しなければならないことが、いくつもある。


「侵攻とのことですが、無主の中立緩衝地帯に接する領域境界線を少し押し込むという事でしょうか?」

 家令のマメルが発言する。


 そうなのだ。別に境界線だからといって、全てが接しているわけではない。

 無主の中立緩衝地帯も広がっているのだ。

 その無人地帯に進出するという意味なのだと理解したが……。


「いえ。ベルザル大公国領内への直接的な全面侵攻を予定しています。そのための直接的、間接的合力を要請します」


「即答は出来ません。至急、本宮へと使いを出したく思います。また要請された内容などを整理・検討するための時間を頂きたくおもいます」


「はい。賢明なご判断かと思います。

 また《シャンセオン宮》との長きに渡る友誼に敬意を表しまして、いくつか付け加える事があります。

 グラン王国とベルザル大公国の各軍が両国国境にて対峙、小競り合いをしておりますが、近々グラン王国側が撤兵する模様です。

 これは複数の人族国家が、グラン王国国境付近に兵力の移動を開始しているとの報せが入り、それに対応するためと思われます。

 つまり、ベルザル大公国はグランとの国境地帯に展開していた兵力を、こちらへと回す余裕ができるということです。

 ベルザル大公国からの侵攻は、物資の移動や兵力の集結・再編など勘案しても、六カ月以内に開始されると予測されます。また投入兵力は元来、国境警備に就いていた精兵を加え、一万五千以上と推定されます。 

 もはや、猶予はありません。《イザヨイ宮》としては、各宮の合力如何いかんに関わらず、単独でも侵攻を開始します。

 これは積極攻勢とお考えください」


 外務監殿から目を離して、チラリと視線を宮主たる十六夜カイ様にむければ、コクリと頷き返してきた。


「「「「 …… 」」」」


 心情を見透かされないよう冷静さを装ってはいるが……、その実、とても息苦しい。ハァ、ハァ……。

 あまりの重要な情報と事態の急変に、もはや思考停止寸前だ。


 家令のマメルさえ、頭が動いてないように見える。

 補佐官達を見ると、もはや完全に事態について行けていないのがわかる。

 なにせ愛想笑いさえ浮かべているのだから。


 ……こ、こいつら使えないわね! 


 こういうときに補佐と献策をするのが、あなた達の役目でしょうが! と八つ当たりしたくなる気分だ。


「単独侵攻も視野に入れているとの事ですが、イザヨイ宮の兵力では難しいのではないでしょうか?」

  家令のマメルが、何とか立ち直り質問する。


「詳しい事は申せませんが、相当数の兵力を投入します。

 いま一度申し上げますが、もはや猶予はありません。

 一万五千以上の兵力が侵攻してくるとなると、受動的防御では予備兵力の補充が追いつきません。

 このまま座して、滅するのを待つわけにはいかないのです。従いまして、敵兵力が集結する前に侵攻を開始します。 

 これは《イザヨイ宮》とベルザル大公国との決戦であり、この戦いに勝利すれば形勢は大きく転じることになるでしょう。 

 そして敗れた方は、もはや予備戦力を完全に消耗し、滅亡へと大きく傾く事になります。

 また大変失礼ながら、我が《イザヨイ宮》が敗亡した場合、遠からず近隣の各宮も敗亡するものと予測されます」


「 ……で、ですが篭城をして、防衛協約に基づく援軍を待てば」


「篭城は、何処からかの増援が期待でき、包囲を行う敵軍に対し痛撃を加えて解囲させる際に取る策です。僭越ながら、各宮の損耗が激しい現状では、派兵可能な兵力数は限られています。また増援がきても、その増援が敗退すれば同じ事です」


 淡々と述べているのが、逆に真実味を帯びて凄みさえ感じられる。

 『現状の把握に間違いはない』という自信が伺われるのだ。

 イザヨイ宮は、本気で侵攻する気なのだと直感した。


「貴重な情報の提供とご好意に感謝します。情報の精査と確認を行いたく思います」

 震えそうになる声を何とか押さえ、散会することになった。


 ・

 ・

 ・


「マメル! 何故こんな重要な情報がイザヨイからの第一報として伝えられるの!? まさか情報を得ていなかったの!? 先の戦からいままで、一体何をやっていたの!?」

 割り当てられた部屋に入るなりマメルを詰問する。

 詰問せざるを得ない!


 最悪、知らずに六カ月以内にベルザルの大軍に再び侵攻され、防衛もままならず敗亡していたのは確実なのだから。

 ……想像するだけで、身震いする。


「まことに申し訳ございません。諜報部門の能力が低下している上に、人族の諜報員を採用するという事に忌避観が強く……」


「その諜報部門の長を即時更迭しなさい! あれほど言ってもまだ解らない者等、不要です! 事は我が《シャンセオン宮》の存続に関する事柄なのに、自己の感情を優先するとは何事ですか! ハンゾウ殿を引き抜けとは、さすがに言いません。ですが、少なくとも見習う事が出来る者くらいは探しておきなさい!」


 ハンゾウ殿は、猫人族で《イザヨイ宮》の諜報・防諜部門を取り仕切っている一門の出です。

 そしてその一門は、猫人のみで構成されているのかというと、そうではないのです。

 いろいろな種族で構成されており、その中でも一番優れているものが一門の棟梁となりハンゾウの名を襲名し、《イザヨイ宮》へと仕えることになっているのです。


 当然、出身種族などは全く気にもしておらず、厳格に公明正大に取り扱う事で有名なのです。

 賄賂を贈り、依怙贔屓えこひいきを頼もうものなら、現実で本物の首が物理的に飛ぶとまで言われており、実際に三名ほどの首がすっ飛んでいるとの噂があるほどなのです。


 それに引き換え、わが《シャンセオン宮》の諜報部門はどうでしょうか。

 人族に忌避観があるから採用しなかった? 

 なんですか、それは! なにを考えているのか、全くわかりません!

 現在の最大脅威であるベルザル大公国は、人族主体の国なのです。

 その人族主体の国に潜入なり、現地での情報収集なり買収なりを行うのならば人族の工作員が一番有利ではないですか!?

 欺瞞情報を掴まされる恐れがあるとはいえ、その真偽はのちほど検証すればよいのです。

 情報さえ得られずに……、いえ、この場合は情報を得ようとさえしていないのが最大の問題といえるでしょう。


 些細な情報でもいいのです。

 例えば、


 大量の物資が集められている。

 穀物類・鉱石類の価格が上昇している。

 人の移動が制限されている。

 物資の移動や部隊の移動が頻繁に見られる。

 公都への伝令騎兵の往来が多い。

 それこそ防諜体制が強化されている。


 これらでも良いのです。

 このような些細な情報でも繋ぎ合わせれば、何かあると判断できるのですから。

 ところがそんな情報さえないのに、一体いつ、何を、どのように判断しろというのですか、全く!


 先の戦でも、事前に《イザヨイ宮》から警告が発せられていたのに、いつも通りと楽観、軽視して危うく滅亡する所だったのですよ!

 結局、各宮への礼金と、復興資金で多大な出費を強いられているのをもう忘れたのでしょうか!

 しかも、その多大な出費を名目に、諜報に資金をかけるどころか、更に予算を削ろうとしている始末。


 か、考えれば考えるほど、い、怒りがッ! 

 目を閉じゆっくりと呼気をして、落ち着こうとする。


「……よし。まずは、本宮へと警戒を促す書状を書かねばなりません。そのための情報を集めねば……。

 隊長、あなたはイザヨイ街に出て、街の様子を見てきなさい。

 マメルも街へと出て、情報の収集に行きなさい。

 それから、あなた達は―――」


 ・

 ・

 ・


 書状を書き、追加の報告や欠落がないかと推敲すいこうしていると、護衛隊長とマメルが戻ってきた。


「「クララ様、今戻りました」」


「ご苦労様。では、隊長。報告を」


「はい。まず街ですが疎開をしていません。平常どころか活況を呈しています。 

 なにやら、新しい物品が出たとのことで、領内各地から仕入れに来ているようです。

 また妙な噂がありました。巨人が《イザヨイ宮》に仕えているというのです」

 困惑している表情を浮かべている。


「なんですって? 巨人?」


「クララ様、私もその噂を聞いております。目撃したものも多数で巨人だそうです。

 なんでも我らと行き違いに演習に出たそうで、その際見たといっています。ただ、外套を身に着けており詳しくは解らないそうです」


「アイアン・ゴーレムでしょう。《イザヨイ宮》にもいますからね。私も以前に見かけました。おそらくは増強したのでしょう。それで、ほかには?」


「はい。また物資の備蓄や志願兵の募集は事実です。おそらく、本気かと……」

 マメルが市場の様子を報告する。


「あとは、そうですね。このような光沢の器が―――」

 どんな取りとめもないことでも、報告しようとする姿勢は良いことです。


 ・

 ・

 ・


「報告は以上ですか? わかりました」

 あたりを見回して報告を促すが無いようだ。


 書状に追加の書き込み事項を書き加えて、蜜蝋に印章を押して封をする。


「この書状を本宮へと至急送ります、早馬の用意を。それから私は……そうですね、あと二日ほど、こちらに滞在するとの言伝を頼みます」


 そういえば、リンがいなかったですね。

 あの子に、久しぶりに会おうと思ったのですが……。

 あの子は、とても朴訥ぼくとくな子なのです。

 もっと覇気があれば良いのにとは思いますが、いまさらでしょう。


 三日後、《イザヨイ宮》の外に広がる街の様子を見ながら、馬車にて急ぎシャンセオンへと戻る。

 《イザヨイ宮》を訪れた際に感じた街の違和感。

 その原因が判った。

 エルフ・ドワーフ・獣人・人間などが多いのだ。

 志願兵が、大勢召集に応じているのだろう。


 各地から、追われ逃げ込んだ者達を種族問わず受け入れ、傷を癒し、死者は丁重に扱われ、できうる限りの便宜を図り、決して粗略に扱わない《イザヨイ宮》の恩義に報いようとする者、一旗上げようとする者、故郷としての《イザヨイ宮》領を護ろうとするものも多い。 


 街道をシャンセオンへと向かいながら、その志願兵たちの決意に満ちた面貌をみて、開戦は近いと確信した。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「どうです、リン様? この短距離魔力送受信通信装置Ⅲ型は!

 リン様から魔法起動時の周波数と魔法消去時の阻止波動に関する周波数干渉、そして共鳴・同調現象についての示唆しさを受けて、試行錯誤の連続で開発した逸品です。

 全く自分の才能が恐ろしくなってしまいました。

 そして、このスロートマイク【咽喉マイク/騒音環境下の使用に適す】と、ヘッドフォンもまた秀逸ですね。

 ヘッドフォンまでは思いつきましたが、喉に直接マイクを当てて振動を拾い、声に変換するとは……。

 わたしも、口元にマイクを持ってくることまでは思いついたのですが、集音時に外部の雑音まで拾ってしまい困って―――」


 よほど、装置が完成し成功したのが嬉しかったのか、全部隊間のオープンチャンネルでしゃべり続けていた。

 講義を耳元で聞かされている皆が、苦笑している。


 俺達は《マフラル宮》との緊張が高まるゴブリンの勢力に打撃を与えるべく移動し、戦闘を行っていた。

 近々、大規模な作戦が行われる予定なのだが、後背の不安を取り除くべくゴブリン勢力への攻撃が決定したためである。

 これは、《マフラル宮》への加勢もあるが、当然ながら後の作戦への《マフラル宮》参加も期待してのことだ。

 また、戦闘記録の収集と部隊運用の試験も兼ねている。


 途中で十数体の四~五メルトル級オーガと戦闘になったが、機体で一蹴した。

 ゴブリン勢は逃亡する者もいるが、残って一族を逃がそうするものも多い。

 しかし包囲されては、その行動も虚しいというもの。

 そこで、降伏を呼びかけて帰順させることにした。


 帰順させる会談の際、ゴブリンの女性体を複数献上されるという困難な事態に陥るが、丁重にお断りした。

 理解してくれて何よりだ。


 ゴブリン側との会談後に使節を見送り、天幕に戻るとリリムルさんとドーネッツさんは、爆笑して笑い転げ始めた。ノリスやシャーリンさんは、笑いを耐えているのか震えている……。


 何か釈然としない……。

 釈然としないと言えば、ゴブリンに女性体がいる事の方が釈然としない。

 代表的なゴブリン種は、他種族との強制交配で数を増やしていくと習ったのだが、過酷な環境下では雄性先熟【性転換を行い、雄から雌に変わる現象】をするうえに単性生殖まで可能なのだろうか? 

 周囲を見やれば、それほどに過酷な環境とは思えないし、個体数もそれなりにいるのだが……、う~ん?

 かといって、俺とてゴブリンの全生態を精緻に知悉【ちしつ/細部に渡り知りつくすこと】している訳ではない事は自認している。

 生態環境下の適応、乃至はそういう近縁種なのだろうと納得しておいた。


 ゴブリン勢を制圧した現在の陣容は、スケルトン歩兵二千五百、スケルトン騎兵四百、スケルトン弓兵三百、機体は四十四機となっている。

 機体は、第一次生産分の二十機、第二次生産分として装甲形状などを変更した三十機が生産された。

 このうち、四機が工房に配備され機体の生産補助や、装備品の生産補助用になっている。

 この機体は『マキナ型装甲機動兵機』という名称が、政務会で決まった。


 略して――『マキナ装甲機兵』――。


 機甲兵機、装甲機巧機、装甲機動歩兵、機巧歩兵などなど覚え切れないほどの候補があったが、穏当に決まった。

 実はこの名称の決定に一日掛かってしまい、正直、政務会に出ていた皆が最後には『もうどれでもいい……』という感じだったが、それは蛇足だろう。


 部隊編成は、

 『三機で一個小隊とし、三個小隊と中隊指揮官機一機の十機で一個中隊、二個中隊と大隊指揮官機一機の二十一機で一個大隊』としている。

 本来は、『三個中隊と大隊指揮官機一機の三十一機で一個大隊』となるはずだが、大隊レベルで変則的編成となってしまった。

 単純に生産が追いついていないのが理由なので、致し方ない。

 現状は試行錯誤の段階なので、後ほど実戦記録や運用記録等を参考にノリス達が編成を考えるそうだ。


 そして指揮官機の色なのだが、ここで問題が起こってしまった。

 一個大隊二十一機のうち、指揮官機に該当するのが中隊指揮官機までで三機、小隊指揮官機まで入れると九機となってしまう。

 現実的には大隊指揮官機一機・中隊指揮官機二機が赤系統の色になるのだろうが、皆が何らかの塗装をしたがったのだ。

 そこで全機を赤にして肩部に指揮官マークを入れることになったのだが、今度は塗装できるなら黒がいいという者が出始めてしまい、収拾がつかなくなってしまった。


 いまは、大隊毎に『全機・赤』、『全機・黒』で統一し 大隊指揮官機の右肩部の表裏に++のマーク・中隊指揮官機の右肩部の表裏に+マークが白で描かれている。また左肩には、各機に番号が振られている仕様になっている。


 なかには、機体に小さく絵を描き部隊マークと称する者まで出始めてしまい、ノリスは頭を抱えていた。

 ちなみにリリムルさんは、絵を描くほうに与している……。

「あはは! こりゃいいね。誰か絵の巧い者を入隊させよう!」とは、リリムルさん談である。


 ・

 ・

 ・


 ゴブリンとオーガの帰順を認めて、部隊と共にゴブリンからの代表団が《イザヨイ宮》へと向かう事になる。

 あとの交渉は、外務監のガルンさん達の仕事だろう。

 そうに違いない! そうだと決めた!


 皆を見れば、様々な理由があるのだろうが、一様に帰還が待ち遠しいようだ。


 シャーリンさんは、《イザヨイ宮》へと早く帰還したがっている。

 得られた戦闘記録を教導脳体へと還元し、機動情報の最適化と結晶脳素体へと再入力が楽しみで仕方ないみたいだ。

「ふふふ、さっそく戦闘記録を還元した場合と、しなかった場合の差異を比較し―――」 


 ドーネッツさんは、機体の損耗箇所を記した書付をひたすら捲っては、鉛筆で様々な事柄を書き込んでいるようだ。整備部隊の編成も考えなければならないのだろう。

「ふむ、この割合だと流動体の劣化速度がこのくらいか。交換作業にかかる人員は一機あたり―――」


 リリムルさんは、じつに上機嫌に絵を描いている。部隊マークの意匠【デザイン】考案で忙しそうだ。

「ここを、もっとこんな感じで……。ん~? ……いや、ちがうな……。これだと前のほうが―――」


 ノリスは、これまた何か一心不乱に書付を行っている。おそらく今回の戦訓を踏まえて訓練課程の再考、部隊運用の記録、そして随伴歩兵隊等、他兵種との協調行動のことを考えているのだろう。

「この編成だと、一機あたりにつける随伴部隊の編成は歩兵九として……。いや騎兵を一騎、歩兵六、弓が―――」


 なぜこんな事が詳しくわかるかというと、通信に慣れていないのか、全員がオープンチャンネルで呟いているからだ……。

 機体に搭乗している他の者達にも丸聞こえなのだが、上官になんといって注意していいのか判らず、皆が黙っている。


 これは野営地で、もう一度ちゃんと通信機の使い方を説明した方が良いだろう……。


 お? ちょうど部隊が、停まるようだ。

 今日はここら辺で、野営かな……。

 はてさて、どうやって全て『丸聴こえ』でしたと、伝えれば良いだろうか……。

お読み頂きありがとうございました。

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