五億年ボタン
まず手始めに、「五億年ボタン」についての意見を言います。
五億年ボタンが何か分からない人に説明します。
五億年ボタンを押すと、その瞬間異空間に飛ばされる。その異空間では、飲食の必要もなく、睡眠も必要ない。さらに死ぬこともない空間。五億年経過すると、押した瞬間の自分に戻り、五億年の記憶がすべて消去され、その瞬間に100万円が手に入る。
というものです。
先に言います。僕は純度100%の「押す派」です。
押す派の割合を調べたら1〜2割らしいですね。ショックでした。
それはいいとして、なぜ僕が「押す派」なのかを説明いたします。
※その五億年ボタンは不良品じゃないのかなど、そのような仮説は一旦無しでの考え方です。確実に五億年ボタンの規則を守った正規品のボタンになります。
僕は、「記憶が消える」というところに着目します。
一番主張したいところがここです。
五億年ボタンを押し、五億年が経過すると記憶が跡形もなく消える。そして戻ってくる地点は元いた自分、そしてボタンを押した直後の自分。
押しても押さなくても、状況は変わらないわけです。
他者視点では、ボタンを押した瞬間にその人の手元に100万円がある、といったような感じでしょう。
しかしこれは、自己視点でもそうではないでしょうか。
自分がボタンを押した瞬間に、自分の手元に100万円がある。他者も自分も、状況は変わらないんですよ。
では、ここで1つ質問をいたします。
あなたはこれまで、全身麻酔を打ったことはありますか?
おそらく、五億年ボタンを押す派の主張を説明するのに一番適しているのが全身麻酔による手術だと考えます。
想像してください。あなたに、今麻酔を入れました。徐々に記憶が薄れていきますね。
睡眠のように………。
Zzz...
数時間後
はい、手術終了です。
あなたは、この「数時間」何をされているか具体的に説明できますか?
どこの部位をどのように切開し、どのような処置を施したか。さらには医療のミスで、何かしら問題が起こったかもしれないが、凄腕の医師がその問題を解決していたという事実があったかもしれない。その間、医者たちは汗水垂らしながらあなたの命を救っていました。
ですがどうでしょう?
あなたの頭のなかに、一生懸命命を救おうと頑張っている医者の姿は思い浮かびますか?
想像ではなく、その現場をしっかり見ていましたか?
な〜んにも、覚えてませんよね。
ではもう一度。
麻酔打たれました。
Zzz...
五億年後
はい、手術終了です。
だったとしても、あなたは五億年も寝ていたことに気づかないでしょう。
これが、全身麻酔ではなく「ボタン」だっただけの話です。
手術ではなく「虚無」だっただけの話です。
病気が治ったではなく「100万円が手に入った」だけの話です。
五億年ボタンを押さない派の反論として、このようなものを聞きます。
絶対的に訪れる未来が「死」であるならば、今我々の生きている「現在」は無いと言いたいのか、という主張。
決してそう言いたいわけではありませんよ。
貴方がたは、1つ五億年ボタンについて少し間違った認識があるかもしれません。
そのような方々に質問します。
あなたは今、記憶がないんですか?
何言ってんだ、っていう質問かもしれません。
仮に死んだ瞬間に記憶が飛ぶ、という考え方であれば、今生きているあなたの記憶は無いはずでは無いでしょうか。
なぜ、あなたは今これを読んで脳内に取り入れられているか。それは「記憶」が1秒1秒刻まれているからです。
五億年は、その五億年の部分を綺麗にカットするわけです。動画編集経験のある方なら分かるかもしれませんが、例えば1分の動画があり、その中の20秒から30秒までをカットし、削除する。そして、20秒地点と30秒地点をくっつけるとどうなるでしょう。
その10秒間だけ無くなってしまいますよね。
なんだよ、当たり前じゃんと思った方。
五億年ボタンを押さない理由をそれでも説明できますか?
おい!その10秒どうするんだよ!動画の中にはないけど確かにあった!その10秒の中にどれほどのストーリーが………云々……。
カットされた事実を知らない人からしたらそんなことどうでもいいですよね。
そうです。押す派の主張は、「五億年間なんかどうでもいい」のです。
どちらが正しい、みたいなのは無いでしょう。しかし押さないことが合理的だとは思いませんね。
その理由?散々言ったじゃないですか。
1秒1秒刻まれた記憶。
確かにあったが、カットされると破片も残らない。
であればどうでもいいですよね。
これが僕の意見です。
テーマ「五億年ボタン」
異論は認めます。




