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俺が通う高校は人外魔境だった  作者: はるゆめ


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ep.64 二日目 十一時五十三分まで

 昭和のいつか。どこかにある街。季節は冬。


 ◼️十時三十八分


 数字によるメッセージ『警察署に集合』。

 すぐに移動した。


 ◼️十時四十一分


 慌ただしい雰囲気の警察署に着く。

 会議室にはトーマスさんと三人の若い男たち。


 アンネさんが攫われた。

 四人の警察官に擬態した向日葵(ひまわり)人間によって。

 トーマスさんに知らされた俺たちは無言になる。


 あぁトーマスさんを誘き出すのが狙いか。

 ふざけたことしてくれる。


「アンネがいる場所はわかってる」


 トーマスさんが机の上に広げられた地図の一点を指す。

 商店街そばの住宅団地だ。


「助けに行くんですよね?」

「罠だろうとな」

「俺たちは……」

「現場は私の仲間や部下が包囲してる。君たちは今まで通り、やつらの捜索を続けてほしい」


「あの」

「優子ちゃん、気持ちはわかるが君はプロではない。あくまでも嘱託という立場だ。ここは我々に任せて欲しいな」


 佐藤優子に向けられたのはトーマスさんの優しい眼差し。


「……わかりました」


 俺も同じ気持ちだが、トーマスさん達の方がずっと強いし、この手のことに慣れてるだろうから、俺たちの出番はない。

 出来ることをするだけだ。

 そう思い自分を納得させる。


 トーマスさんは三人の男たちと一緒に部屋を出る。


向日葵(ひまわり)人間は見つけた?」

「七匹ね。私たちは円を描くように互いが重ならないように移動して探したの。不審な動きをする人間を見つけて、後をつけるだけ」

「何しようとしてた?」

「高圧線の鉄塔があるでしょ?あれを倒壊させようとしてた。血の匂いが普通の人間と変わらないから、見分けがつかない。だから動きを見たのよ」


 停電を起こそうとしたのか!


「俺は幻術を広域展開して反応がおかしい人間を飯田さんと一緒に拘束した。三十人ぐらいか」

「みさおさん、それ見せてもらっても?」

「こんな感じだ」


 いきなり目の前に牙を剥いた大型犬が現れた。


「わっ」


 俺は後ずさる。怖えぇ!


「なんだ◯◯、犬は嫌いか?」

「いや、犬は好きですけど、こんなのが目の前に来たら怖いですって」

「そうだ。普通の人間ならそれが普通の反応だ。しかし全く反応しない人間がいてな。全て魂を抜かれてた」

「わ、私も似たような幻術で炙り出しました」


 王戸ちゃんもか。幻術、こういう使い方もあるんだな。


 俺たちがやったことを皆に説明した。

 本田さんが狙われたこと。他の猫さんが操られてたこと、猫さんたちには避難してもらったこと。


「こちらのことを知り尽くしてるな、やつら」


 忌々しそうにみさおさんが顔を顰める。


 地図でそれぞれの捜索範囲を確認。

 まだ半分も回ってない。


「急ぎましょう。俺たちも幻術で炙り出しを。みさえさん、お願いします」

「いいよ〜」


 俺たちは工業地帯にある石油王タンクの上へ移動した。この石油タンクも狙われる理由があるからだ。


「んじゃあね、みさおの真似しておっきい蛇が見えるように」


 みさえさんが手を振ると、確かに無反応な人間がいた。


「瑛子、あそこ見えるか?頼む」

「うん」


 瞬間移動で近寄り、問答無用でみさえさんが拘束。


「何だ君たちは?何をする!」


 瑛子が首に手を当て気絶させる。


「……魂が空っぽよ、この人」


 ここで働く人を狙ったのは、石油タンクを爆発させるつもりだったかもしれない。


「隣の工場へ行きましょう」


 こうして俺たちは向日葵(ひまわり)人間によって支配された人の炙り出しを続けた。


 ◼️十一時五十三分

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