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春子と最強執事  作者: 白川れもん
6/20

体力測定の結果

お待たせいたしました。

更新遅くて申し訳ないです。ですが、書いているのです!

よろしくお願い致します!

 今日の体力測定の結果が、帰るときに担任によって呼び出され、発表された。


「三星 春子さん。貴女の執事の紺さんは……結論から申し上げますと、ランクSの、超級執事です」


「ちょ、超級?」


 超級って、あれだよね? 物凄い強い人に送られる言葉、というか、ゲームでしか聞いたことないけど?


「はい。執事レベル、D~Sまである中で、最も数が少なく、最も全てを兼ね備えている、ランクSです。これは、とても珍しい事です。この学校の運営が始まって……そうですね、貴女で二人目でしょうか」


 私は唖然とするしかない。

 当の紺は、私の髪を触ってニコニコと遊んでいるだけで、話は聞いているのかわからない。

 もう、なんか、どうでも良さそう。


「ただし、珍しいだけに、問題があります。三星さん、しっかり聞いてください。良いですか?」


「何でしょうか?」


 良くないことかな? 勉強厳しいのかな? 私が弱すぎるのかな?

 担任の真剣な表情に、生唾を飲み込んだ。 


「このSランク執事、コントロールすることが大変なのは、もちろんのことですが、問題は、貴女以外への配慮が、一切出来ない可能性があります」


「……私、以外への、配慮?」


「そうです。例えば、貴女が突然、変質者に襲われたとします。一般的な執事は、変質者から貴女を守りつつ、周囲にいる人へ迷惑をかけないよう、勤めます」


「はあ、まあ、そうですね」


 実際にそういった場面に出会わしたことはないが、ドラマとかでは、よくあるシーンのように思える。


「ですが、貴女の執事は、変質者の命を奪い、場合によっては、周囲の人へ危害を加え兼ねません。つまり、非常に危険なのです」


 え、紺が?

 担任の顔が強張るが、紺には聞こえていないのか、気にしていないのか、涼しい顔して私を見つめている。


「え、あの……?」


 嘘だ。だって、この紺だよ?

 人を殺すようには、到底思えない。


「とにかく、詳しくは、また後日話します。とりあえず今は、執事と絆を深めるように。良いですね?」


「……はい」



 衝撃的だった。

 この紺が、そんな危険な執事だったとは。


 紺を眺めても、首をかしげ、笑うだけで、そんな感じはしない。

 本当に、紺は危険なのだろうか。


「ねえ、春子」


「え、何?」


「お腹すいたね~。夜ご飯何かな? 今日はたくさん動いたからな~」


 のほほんとした、気の抜けた、いつもの、頼りなさそうな紺の声。

 少しだけ、心から緊張が解ける。


「……コロッケが良いな」


「春子コロッケ好きだもんね。僕はね、エビフライか、酢豚か、カレーもいいな!」


「紺ってさ、見た目のわりに食べるよね」


「春子は……思ったより食べないよね?」


 紺が、静かに私を見て言った。

 え、何でこのタイミングで私を見たの? それって。


「……何それ、見た目のわりにってこと? 殺すよ?」


「え、ちょっと待って! 違うよ! 僕、そういう訳じゃ」


「紺、最低ー、もう帰る!!」


「ちょっと待って、春子! 違うよ! 僕、別に春子が、最近体重気にしてるとか、知らないよ!」


「はあー? 何で知ってるのよ、最近太ったって!」


「あ、いや、違う、違う! 僕、今の春子も可愛いから良いと思うよ」


 必死に私を褒める、いつもと変わらない紺。

 私はとりあえず、ダイエットしようと思った。




 家に帰ると、夕飯は唐揚げとエビフライで、紺が多いに喜び、私も、つい、食べてしまった。


「これか、この食べてしまうのが、太る原因か」


「あら、春子太ったの?」


「大丈夫だよ、春子! 春子は可愛いよ」


 もぐもぐと口いっぱいに頬張りながら、紺はニコニコしていた。



 担任から言われた内容が頭に浮かんで、紺を観察してみる。

 一応、お母さんも、『私以外の人』だから。


 お母さんが時々、ぎこちなさそうに「紺ちゃん、美味しい?」と聞くのに対し、紺は「うん」としか言わない。

 私には、いつでもサービス精神旺盛なのに、どことなく、お母さんには冷たい気がする。


 よく見ると、笑っていないようにも見える。



紺をお風呂に行かせた時、お母さんに聞いてみた、紺、どう思う? と。


「紺ちゃんねえ……ほら、今朝も思ったんだけど、能力だからなのか、春子には凄く優しいんだけどね」


「お母さんには、冷たい?」


「うーん、そんな気がするのよね。たまにね、笑顔で接してくれるのよ?」


 困ったように、ぎこちなく笑う、自分の母。


 私には、常に、笑顔だ。

 やっぱり、ここでも違いがあるのか……。

 紺は、大切だ。だけど、母も、大切な家族だ。


 二人の仲が微妙なら、私は悲しい。



 よし、まずは、紺とお母さんの仲を良くさせよう!!


 紺は、きっと、私以外と交流しないから、視野が狭いんだ!


 社会性が、上手く出来ないできたのかもしれない。

 幼い頃が執事にあるかは、不明だが、その時に、きっと、たくさんの人や動物と触れないで育ったに違いない!!


 私が教えてやろうじゃないか!主として!!


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