体力測定の結果
お待たせいたしました。
更新遅くて申し訳ないです。ですが、書いているのです!
よろしくお願い致します!
今日の体力測定の結果が、帰るときに担任によって呼び出され、発表された。
「三星 春子さん。貴女の執事の紺さんは……結論から申し上げますと、ランクSの、超級執事です」
「ちょ、超級?」
超級って、あれだよね? 物凄い強い人に送られる言葉、というか、ゲームでしか聞いたことないけど?
「はい。執事レベル、D~Sまである中で、最も数が少なく、最も全てを兼ね備えている、ランクSです。これは、とても珍しい事です。この学校の運営が始まって……そうですね、貴女で二人目でしょうか」
私は唖然とするしかない。
当の紺は、私の髪を触ってニコニコと遊んでいるだけで、話は聞いているのかわからない。
もう、なんか、どうでも良さそう。
「ただし、珍しいだけに、問題があります。三星さん、しっかり聞いてください。良いですか?」
「何でしょうか?」
良くないことかな? 勉強厳しいのかな? 私が弱すぎるのかな?
担任の真剣な表情に、生唾を飲み込んだ。
「このSランク執事、コントロールすることが大変なのは、もちろんのことですが、問題は、貴女以外への配慮が、一切出来ない可能性があります」
「……私、以外への、配慮?」
「そうです。例えば、貴女が突然、変質者に襲われたとします。一般的な執事は、変質者から貴女を守りつつ、周囲にいる人へ迷惑をかけないよう、勤めます」
「はあ、まあ、そうですね」
実際にそういった場面に出会わしたことはないが、ドラマとかでは、よくあるシーンのように思える。
「ですが、貴女の執事は、変質者の命を奪い、場合によっては、周囲の人へ危害を加え兼ねません。つまり、非常に危険なのです」
え、紺が?
担任の顔が強張るが、紺には聞こえていないのか、気にしていないのか、涼しい顔して私を見つめている。
「え、あの……?」
嘘だ。だって、この紺だよ?
人を殺すようには、到底思えない。
「とにかく、詳しくは、また後日話します。とりあえず今は、執事と絆を深めるように。良いですね?」
「……はい」
衝撃的だった。
この紺が、そんな危険な執事だったとは。
紺を眺めても、首をかしげ、笑うだけで、そんな感じはしない。
本当に、紺は危険なのだろうか。
「ねえ、春子」
「え、何?」
「お腹すいたね~。夜ご飯何かな? 今日はたくさん動いたからな~」
のほほんとした、気の抜けた、いつもの、頼りなさそうな紺の声。
少しだけ、心から緊張が解ける。
「……コロッケが良いな」
「春子コロッケ好きだもんね。僕はね、エビフライか、酢豚か、カレーもいいな!」
「紺ってさ、見た目のわりに食べるよね」
「春子は……思ったより食べないよね?」
紺が、静かに私を見て言った。
え、何でこのタイミングで私を見たの? それって。
「……何それ、見た目のわりにってこと? 殺すよ?」
「え、ちょっと待って! 違うよ! 僕、そういう訳じゃ」
「紺、最低ー、もう帰る!!」
「ちょっと待って、春子! 違うよ! 僕、別に春子が、最近体重気にしてるとか、知らないよ!」
「はあー? 何で知ってるのよ、最近太ったって!」
「あ、いや、違う、違う! 僕、今の春子も可愛いから良いと思うよ」
必死に私を褒める、いつもと変わらない紺。
私はとりあえず、ダイエットしようと思った。
家に帰ると、夕飯は唐揚げとエビフライで、紺が多いに喜び、私も、つい、食べてしまった。
「これか、この食べてしまうのが、太る原因か」
「あら、春子太ったの?」
「大丈夫だよ、春子! 春子は可愛いよ」
もぐもぐと口いっぱいに頬張りながら、紺はニコニコしていた。
担任から言われた内容が頭に浮かんで、紺を観察してみる。
一応、お母さんも、『私以外の人』だから。
お母さんが時々、ぎこちなさそうに「紺ちゃん、美味しい?」と聞くのに対し、紺は「うん」としか言わない。
私には、いつでもサービス精神旺盛なのに、どことなく、お母さんには冷たい気がする。
よく見ると、笑っていないようにも見える。
紺をお風呂に行かせた時、お母さんに聞いてみた、紺、どう思う? と。
「紺ちゃんねえ……ほら、今朝も思ったんだけど、能力だからなのか、春子には凄く優しいんだけどね」
「お母さんには、冷たい?」
「うーん、そんな気がするのよね。たまにね、笑顔で接してくれるのよ?」
困ったように、ぎこちなく笑う、自分の母。
私には、常に、笑顔だ。
やっぱり、ここでも違いがあるのか……。
紺は、大切だ。だけど、母も、大切な家族だ。
二人の仲が微妙なら、私は悲しい。
よし、まずは、紺とお母さんの仲を良くさせよう!!
紺は、きっと、私以外と交流しないから、視野が狭いんだ!
社会性が、上手く出来ないできたのかもしれない。
幼い頃が執事にあるかは、不明だが、その時に、きっと、たくさんの人や動物と触れないで育ったに違いない!!
私が教えてやろうじゃないか!主として!!