↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
春子と最強執事  作者: 白川れもん
10/20

隣のクラスの山本

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします。

目標は、月一回更新です。


今回は少し短めにしています。

次回がたぶん長めになるので……

山本朔太(やまもとさくた)です。えっと、おはようございます」


 若干怯えながらの自己紹介をしてくれた山本。


「えっとね、春子。山本は私の幼馴染みなの」


「幼馴染み……」


 良いなー、と思った。

 幼馴染みと言えば、少女漫画てば王道シチュエーションだ。


「こちら、三星春子。私の友達よ」


 椿が私を山本に紹介する。

 友達。この響きが嬉しい。女王とか呼ばれる私に、臆せず友達と言ってくれた椿が、女神に見えてきた。


「よろしく」


 出来るだけ、笑顔を心掛けたが、もう無駄だろう。

 恐らく彼の中の私の第一印象は、Sランク執事を操る女王だ。


「……あ、なるほど。そういうことか、大前」


 こそこそっと山本は、椿に話しかける。


「大前、女王様と仲良くなって、一人助かる魂胆だろ? それなら始めから言えよー、俺も仲間に入れてくれ」


 いやいや、聞こえてるからな?

 山本、許さねえぞ。

 自分の声量が解っていないのか、椿も私を横目に困惑している。


 山本朔太。

 私からの見れば、普通だ。ざ、普通。


 顔も身長も、何もかも。

 これといった特徴はないし、学力等は知らないが、こう、今までの会話から、どことなくお馬鹿な臭いはする。


「ねえ、山本はどんな執事なの?」


 二人の会話を一方的に聞いていても、私と仲良くしとけば、学生生活は安全だ、といった内容ばかりだったので話題を変えることにした。


「え、俺ですか? えっと、弱いですよ、Bランクです」


「Bランク。それって、ええと、どのくらいなの?」


「春子さんの足元にも及ばないです!」


 ……いやいや。


「何で敬語? てか、聞きたいのそこじゃないし。椿、Bランクってどのくらいなの?」


「Bランクはね、執事の世界では最も多いって言われているの。次に多いのがCランクで、その次がA。そしてD。Sって感じなの。簡単に言うと、SからDまでひし形みたいに、数が決まっている、とも言われているわ」


「ひし形」


 頭で作る。

 執事の世界にも定員は決まっているのか。


「ひし形って言っても、正確じゃないけどね。もちろん、DよりもSの方が圧倒的に少ないから」


「そうなんだ」


 それにしても、山本は執事も平均ってとこなのかな。


「でもね、春子。山本の執事は少し面白いのよ」


「面白い?」


 こう言ってはあれだけど、椿の執事もなかなかに面白かった。そして、可愛かった。主に声が。


「面白いことねーよ、うるさいんだよ、俺の執事は」


 呆れたように言う山本を見て、何だか同情してしまう。

 私も同じようなものだ。

 Sランクと騒ぎになってしまったが、私からしたら、そんな大層な執事とは思えない。


「あのね、春子。山本の執事は、双子なのよ」


「双子!? そんな執事もいるんだ……」


「それがね、すっごく可愛いの! 小さい男の子と女の子の双子で、服もきちんと着ているのよ」


 ああ、そうか。

 そういえば椿の執事は、着崩していたっけ。


「へー! 見てみたいなー」


 双子の執事。それも小さい、なんて。

 興味がある。純粋に、他の執事も。うちのは、ほら、稀みたいなものだし。


「……げ。春子さんが言うなら、その」


 しぶしぶ、といった具合で山本は、チラチラと私の顔色を伺っている。



 山本が、恐らく肯定の言葉を吐こうとしたとき、ホームルームを告げる予鈴が鳴った。

 はっとした山本は、何故か私から逃げるように自分のクラスへ駆け込んでいった。


「山本って普通なのか変わってるのか分からないね?」


 椿を見るが、何故か椿は下を向いている。


「どうしたの、椿?」


 私も下を見るが、これといって変わりはない。


「私……春子には悪いけど、やっぱり紺さんは、怖いと思うの」


「え、今さら?」


 どうしたのだろう、と困惑していると、紺の声だけが、どこからともなく聞こえてきた。


「春子、浮気は駄目だよ! 山本、男。駄目、絶対!」


 ……なんなの、と椿を見れば、ほらね、といった表情。


「ホームルーム始まるから、行こうか」


「うん」


 本当に、面倒くさい執事だ。



 それにしても、私はこの時、気がつかなかった。

 執事あり、という午後の授業が、これほどまでに危険だったとは。

 事前に聞いとけば良かった。と、思ったのは、後の祭りだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。