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那波と木之内の組み込み先

 スノウの成人を祝って私の前世の友人達がプレゼントしてくれたのは、ディアマンテ公爵領で新しい特産品が開発されたスチルだった。

 入学式の後の時系列で組み込んでくれたそうだ。

 特産品は、からすみとライスワイン。

 からすみと日本酒だ。前世で私が「これさえあれば食事は要らない」と宣っていた大好物。

 また、からすみを肴に日本酒が飲めるとは思わなかった。


 フェルは小玉の記憶や知識を引き出せるので、那波と木之内が誰に入っているのか知っている。


 那波が入ったのは、予想通りキース。

 新任教師でヒロインより8歳上。つまり現在24歳。

 キースの悲劇は既に起きているようなものだ。

 キースは18歳の誕生日に魔王として覚醒した。その時の魔力の暴走で、結婚を約束していた恋人を殺してしまう。

 魔王であることを隠し、研究者として学院の教師になるが、赴任一年目で魔力暴走を起こして学院を破壊し、自我もついでに崩壊。

 たまたま近くに居たヒロインを押し倒してコトを為し、その後は下僕のようにヒロインに尽くす。


 ヒロインを押し倒した後の回想シーンとしてスチルが出て来ていたから、キースが魔王として覚醒して恋人が亡くなってしまうのは、多分もう起きてしまっている。

 平民の一介の研究者が貴族学院の教師になれた理由の他、どうしてそうなるのかよく分からない部分はあるけど。

 問題は、キースの魔力暴走は最速で1学年の5月1日に起こること。

 キースと初対面イベントを起こして、ひたすら話しかけていれば発動する。

 そして、ざっくり「赴任一年目」と期間を設けられているので、いっそ最速で起きた方が気楽な気もする。


 木之内が入ったのは、留学生ヨアヒム。

 身分を隠して入学した外国の王子。

 ヨアヒムという名前の王子は、何処の国にも存在しないから偽名だろう。

 ヨアヒムの悲劇は、2学年の夏休み中。

 自分の国がクーデターで崩壊。一族郎党皆殺し。女性は幼児ですら犯され、全員腸を引きずり出されて晒される。

 もう色々突っ込み飽きたからスルー。


 もう一人のヒーローは、一周目ではヒロインの影響を受けない『隠しキャラ』なので、組み込む対象に選ばなかったそうだ。


 私はフェルからキースに使いを出してもらった。

 キースに教師としてヨアヒムを研究室に呼び出してもらい、同じ時間にフェルと私がキースの研究室を訪ねる手筈にした。


 キースの研究室で、私は体感的に16年ぶり、那波や木之内は体感的に6年ぶりの再会を果たした。

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