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我慢できなかった俺は傘を指して外に出た。
ウィッグもちゃんと被ってるし、メイクもバッチリだ。これで俺を知ってる奴らとバッタリ会っても“あの陰気臭い俺”だと気付かれることはない…筈だ。馬鹿め
「雨男、治す方法ないかな。」
俺はとりあえず近くのスーパーまで歩いて行くことにした。酒もそろそろ補充しないとだし。
「ん?」
公園で小さな子供が遊んでる。傘を沢山さして傘のテントを作っている。母親たちが屋根の下からそれを見てニコニコしている…
「あー…小さい頃は俺もやってたなぁ」
…
気味悪いくらいブツブツ呟いてるうちにスーパーの前についていた。…とにかく酒を買わないと!!
俺は少なくなっていた食材と、缶ビールを大量にカゴに入れてレジに向かった。
…
ドンッ、誰かとぶつかった!
???「あ、すいません」
「…いえ!こちらこそ。」
???「…」
「…」
…
ぐっ、気まずい。早くレジに並ぼう!
俺がレジに並ぶとさっきぶつかった女が偶然、俺の後ろに並んだ。そして指で肩をつつかれた。
???「…あの」
「あ、はい、…何でしょうか。」
???「これ、落としましたよ」
「…あ!俺の。いや、私のですね。すいません。」
どうやら財布を落としていたらしい。…不注意過ぎだろ!親切な人で助かった。
スーパーを出て傘をさして帰っていると 野良猫をみつけた。ベンチの下で縮こまって、雨宿りしている。
「お前も雨は嫌だよな。分かるぞ…」
振り返ると、さっきぶつかった女が偶然俺の後ろを歩いていた。
俺はなにも気にせず帰ることにした。
雨が降り続けてる。
俺は泣いている。
ここは俺の居場所じゃない。
俺の人生は此処じゃない。




