1−1.
今日は雨だ。ついてない
何がついてないって折角の休みが潰されるからだ。
俺は21歳、ボロいマンション暮らしのバイト戦士だ。
今日は水曜日、休日出勤の代わりに休んだ貴重過ぎる一日がこんな大雨になるとは。
「…俺、やっぱり雨男なのかな?」
休日が潰されて嬉しい大人はいない。そもそも、働いてる大人なんて死ぬまで楽しくないか。
「…とりあえずなんかのもう」
俺はフラフラしながら冷蔵庫を開けに行く、途中で足の小指が壁に当たる
「…ってえぇな阿呆!!!」
缶ビールを一本取り出してスグさま開けた。ゴクゴク飲みながらクローゼットの前に立つ。
楽しい事はない、本当に。でもこれだけはオレの希望だ。俺の夢だ!!!
俺は勢いよくクローゼットを開けて、ヒラヒラの可愛い服を見つめる。
「…今日はどれにするかなあ。」
…
「よし、…今日はこの白いのにしよう。 」
俺は白のフリルブラウスと青色のワイドパンツを取り出した。
早く着替えたい!!その一心しかない俺はすぐ様着替えて、軽く顔をメイクした。
ワクワクしながら姿見の前に立つ。
「…うん、似合ってるな!やっぱし素材がいいんだ!可愛いぞ!あとは、そうだ写真撮らねえと。」
… カシャ!
「良き!開放されるー!ああココのフリル最高!!」
俺はこの為に生きているのかもしれない。今やっと俺は、ホンモノの自分として呼吸をしている。
カーテンを開けて、少し残ってた酒を飲み干した。
「雨が降ってなかったらなぁ…」
俺はテーブルの上のウィッグをしばらく見つめた。
「…。」
雨が降り続けてる。俺は泣いている。
ここは俺の居場所じゃない。私の人生は此処じゃない。




