第4話 違和感
零は区役所から与えられた自分の
マンションへと向かう。
道中すれ違い行くは
女、女、女、たまに猫、また女、よく見たら女。
零
(当然なんだけど、本当に女しか居ないわね)
街はとても綺麗で、治安も今の所よく見える。
ホームレスも見当たらない。
スラム化してるエリアも無い。
零は捜査の為に何か不審な物がないか
視察しながらマンションへ歩いたが、
怪しい物は何も見つからないまま部屋に着いた。
零
「はあー(なんでだろう、変につかれたわ)」
地区の事を更に知る為に、
試しに零はテレビをつけてみた。
ワイドショーのコメンテーター
「つまり、オスは全員死ねばいいんですよ」
ワイドショーの司会
「成程、素晴らしいご意見ですね」
零はチャンネルを変えた。
零
「ん?これは恋愛ドラマかな?」
女優A
「めぐみさん、愛してるわ!」
女優B
「さゆりちゃん、私もよ!」
零
(……同性愛ドラマなのね)
零はチャンネルを変えた
行司
「はっけよい、のこった!!」
零
(女相撲してるわ……
しかも全然勝負つかないわね)
零はチャンネルを変えた。
司会
「それでは歌って頂きましょー!
ABC48で、オスは全員死ね です。
張り切ってどーぞ―」
零
「もー頭おかしくなるわー!!」
零がテレビを見るのに疲れうな垂れていた時、
ニュース番組が始まった。
キャスター
「この時間は予定を変更して
報道特別番組をお送りします。
まもなく地区長の演説が始まります。
それではご覧下さい」
地区長
「ウーマン地区の皆さん、皆さんの日々の努力、
地区への貢献のお陰で、この地区も
設立から50年を迎えました。
これも皆さんのお陰です。
我々は女性だけでも生きていける事を
証明しています。そしてこれからも
それを示し続けるでしょう。
天使の塔があれば、我々は存続可能なのです。
区民の皆さん、天使の塔を信じましょう。
そして我々には天使の翼があります。
天使の翼がある限り、我々の平穏は
永久に守られるでしょう!」
零
(この人が地区長……
天使の翼って何の事だろう。
また変な謎が増えたわね)
プルル…… 電話が鳴った。
零
「はいもしもし」
職員
「ハローワークの者ですが、十さんですか?」
零
「はい、そうですが」
職員
「ご要望通り、警察署での勤務が
決まりましたので、明日警察署に
行って頂けますでしょうか?」
零
「本当ですか?わかりました。それでは」
その夜
零は机の上にスマホを固定し、自撮りを始めた。
零
「えっと、ちゃんと撮れてるかなあ?
今日から捜査の為に記録を続けていくわ。
思った事や気になった事を喋って保存するの。
後から捜査のヒントが見つかるかも
知れないしね。
でも何だか、部屋で一人で喋るのって変な感じ。
えっと、無事に地区に入ったんだけど、
思ったより街は普通だったわね。
不審な物は何も見つからなかったわ。今の所。
でもこの地区に入ってずっと引っかかってる
違和感は、男が本当に居ないって事ね。
街歩いてる時も、テレビ見てる時も、
正直男を探してる自分が居たわ。
女の本能みたいな物かしらね。
本当に女しか居ないのは変な感じだけど、
確かに痴漢にあったり襲われたりする
心配が無いから、そこはいい事って思うわね。
あとは、地区長の演説で、
天使の翼って言ってたわね。
天使の塔だけでも分からないのに、
天使の翼まで出て来たわ。
肝心の妊娠出産の謎は現時点では
何もわかってないわね。
でも、何もしてない訳じゃないわ。
明日から警察として勤務するから、
聞き込みや職務質問を理由に、
堂々と区民に質問できるわ。
この為に警察の仕事を選んだんだからね。
よし、明日からは本格的に潜入捜査の
始まりね。やってやるわ。
この地区で妊娠出産が起きてる謎を
私が解き明かして見せるわ。
でも、なんか、今日は疲れたわ……」
零
「・・・・・・・。
あんまりジロジロ見ないでよ。
照れるじゃない」
つづく
零
「良ければ高評価、ブックマークしてくれたら
嬉しいな……ね?」




