学園で学ぶ③
コロナ社畜で自分の時間がとれませぬ。早く落ち着いてほしい。
「たぶんそれは働くって言葉に反応したんじゃないかな。」
ギュウの話によると、学園の生徒でお金のために働く人間はほぼいない。
家からちゃんとお金が出ており、生活や交際費に困る生徒はいないのが主な理由であるためだ。
研修システムもないのか。
でも連れていかれるときのあの学生たちの驚く顔。
あんな表情や雰囲気出すほどのことでもないような気もするけど。
「ところで、俺はどこに向かってるんでしょうか?」
ギュウに引っ張られて向かう先は俺のバイト先という話。
行く前に職種くらいは聞いておきたいところ。
ギュウはそうだねぇえと一寸考えた後、
「人がいっぱい集まるところだよ。おなかも満たされるしね。」
その一言でなんとなく把握した。めっちゃありがたい!
ルミナのおなかが思い出したようにキューとなるのだった。
「というわけで、昨日話したルミナちゃんです。」
ギュウが連れてきたところは、東の会館にある食堂「学生食堂マリチ」。
今ルミナが紹介されているのはそこのオーナーである可愛らしい顔をした「マリーダ」だ。
「よろしくお願いします。」
ルミナは頭を下げてあいさつをする。
「こちらこそ。人手にそこまで困ってるってわけではないけど、手伝ってくれるのはうれしいかな。」
・・・あれ?名前と顔を見る限り女性なんだけど・・・・声が男?
「ああ、ちなみに僕は男だからね。親が「娘が欲しかった!」ってつけられた名前で・・ははは」
マリーダは苦笑いする。なんか苦労してそうな人だな。ルミナの直観である。
「マリーダ。ルミナちゃんは学生なのでそこら辺配慮してくれると助かる。」
「まぁそうだな。学生の子の時間をあまり取るわけにもいかないだろうし。」
前例がないからなあとつぶやく。
とりあえずということで以下の条件を出される。昨日のうちに考えてくれてたそうだ。
①出勤日は活動日とする。
活動日が4日続いた後、休養日が3日続くのがこの世界のサイクルらしい。要は4日働いて3日休めということだ。これは学園も同じということ。ちなみに今日は2活動日らしい(2日目の活動日)
②働く時間は3の鐘が鳴ってから最長4の鐘が鳴るまでの時間で適宜判断。
大体お昼から夕方に入る前までらしい。
③これない日は無理に来なくていい。連絡もいらないとのこと(そもそも人手は間に合ってる)
④報酬は2日で銀貨1枚。2日目に支給。働いてくれた日には賄が出る。
ゆ・・緩いな・・・
やっぱり学業優先だからねえ。とマリーダは頭を掻きながら条件を提示した。
「いや。こっちとしてはめっちゃありがたいんですけど、いいんですか?」
「いいんだよ。そもそも報酬は学園から出ているし。この国のために働くことになる学生を支援するのが役割だからねぇえ。」
というわけでどうだろう?と再び聞いてくる。
答えはYesしかなかった。
日本でもこんなバイトがあれば俺は立派にこなしていただろう。むしろ永久就職だ。
「じゃあ契約成立だね。これからよろしくね。ルミナちゃん。」
「はいこちらこそ!…でもその前に・・・・・・」
さすがにそろそろ限界か。
「何か食べさせてください・・・。ぱんたんきゅ」
おなかの虫が激しく主張するのだった。
それからの日常なのだが。
お金と生活面が何とかなると判断したルミナは、とにかくこの世界の常識をある程度学び終わるまでは、こっそり活動しようと決めた。ぼろが出るのが怖かったのである。
朝礼が済むと逃げるように図書館に行き調べもの。
昼から夕方にかけて食堂で片付けや掃除。
夕方からは空いている場所を見つけゴーレム召喚の練習に費やした。
図書館での調べ物は世界の成り立ち、地図、などの一般常識から、勇者、スキル、女神、洞窟などあらゆる疑問を調べつくすためだ。
幸い図書館に来る学生は殆どおらず、ほぼルミナの貸し切り状態であった。
おかげでルミナの調べ物は着々と進んでいた。
そしてお昼タイム。
バイト先の仕事内容はお片付けと掃除。楽勝である。
出てくる賄は、割とおいしい。少し薄味ではあるが。
働くのがこんなに楽でいいのかなとひたすら掃除に徹するルミナであった。
そして夕方。
人が居なさそうなところを探し、ゴーレム召喚の練習。
ひたすら使ってスキルの練度を上げれば、きっと扱えるようになる。きっと。
練度があるのか知らんけど。
そして体力がやばくなる前に帰宅。ばたんきゅー
活動日は主にこんな感じで。
休養日は、とびかくだらけた。
学園内を歩くのははばかられたので、とにかく部屋の中でずっとだらけることにしたのだ。
休養も大事なのだ。と言い聞かせながら。
今日もベッドでまどろみを楽しんでいた。
そんな生活をしていたので、他の学生との交流もなく、時間だけが流れていった。




